陰陽五行論で考える食養生 | 大阪弁天町の漢方薬局「廣田漢方堂薬局」のブログ

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中医学には「医食同源」という言葉があり、薬膳として体に良い食事についての理論が確立されています。

実は僕、この薬膳の理論は、ほとんど考えてないし、使ってもいません。

なぜなら本来、東洋医学や薬膳というのは、各個人の体質に合わせて薬や食事を作るオーダーメイドの側面が大きいからです。

とくに食事の場合には、僕自身がそうですが、子供が4人もいて、毎食ごとに各個人の体質に合わせて食材や味付けを変えることなど不可能に近いです。

この理論を実践しようとしたら嫁さんがぶっ倒れてしまいます。

なので薬膳の理論を普段の食生活には一切取り入れていません。(苦笑)

したがって食養生については、現代的な栄養学や今の人間の生活習慣、食事時間の変化などに応じて、なるべく万人に共通したものになるように工夫をしています。

その中で、陰陽五行論をうまく取り入れながら、食生活を考えています。

たとえば、人間は動物であり、動くことができるので陽的な生き物です。動物には大きく分けて陸型と水型があり、これも陰陽に分けることができます。

陰陽は互いに求め合い、陰陽のバランスを整えることが重要だといわれていますので、食材の陰陽を考えた場合、人間=陽、植物=陰として考えると、やはり食事は野菜などの植物が中心のものが良いと考えています。また同じ動物を食す場合には、同種の陸型動物を食べるのではなく、これも陰陽にうまく分類できる魚介類を食べるほうが良いと考えています。

つまり、食事は野菜中心で魚介類をメインとし、牛・豚・鳥については、たまに食べるだけでよいと考えているわけです。


五行では、酸味・苦味・甘味・辛味・鹹味がありますが、この中で最も大事なのは、甘味に属するタンパク質と良質な脂質、そして鹹味に属するミネラルだと考えています。その他の酸味や苦味、辛味は、食べ過ぎないように適度に食すだけでよいかと思います。

大切なことは、自分の身体の中の五行が、どのような形になっているかを知り、その形を是正するような種類のものを摂取することですが、そんなことを考えていたら、食事が楽しくなくなるので、必要最低限、守らなければならないことを守り、その中で調節できない部分を漢方などで調節するというスタンスが良いかと思います。

人間だれしも病気になりたくないと思っているにもかかわらず、病気にならないような生活を心がけている人は非常に少ない印象があります。

人間の寿命が延びるとともに、自分の身体とともに過ごす時間がとても長くなってしまいました。つまり、自分の土台である身体の状態が崩れてしまえば、その問題を抱えたまま、人生を過ごすことになってしまいます。

自分の人生を自分自身がどうコントロールするのか、この部分をしっかりと考えないといけないのに、考えていない人があまりにも多いような気がするのは僕だけでしょうか?

そのためには、土台となる身体をできる限り健康に保つ必要があります。

難しいことは考えずに、大まかに陰陽五行では、食事は野菜中心、魚介類メインの肉食は少々にしておくという1つのルールを覚えて、それに近づくような食事にしてほしいと思います。