元米海兵隊員のアレン・ネルソン(Allen Nelson)さんからのメッセージ | 中下大樹のブログ

元米海兵隊員のアレン・ネルソン(Allen Nelson)さんからのメッセージ

元米海兵隊員のアレン・ネルソン(Allen Nelson)さんは、ベトナム帰還兵です。

彼は1947年ブルックリンに生まれ、家が貧しかったため18才で海兵隊に入隊しました。

(海兵隊は志願制で、徴兵制ではない)ベトナムを共産主義から救う、というアメリカのこじつけで、アメリカはベトナム戦争に突入しました。

しかしやっていたことはテロ行為そのもの。

寝静まった村に火を放つ、逃げ惑う無防備の村人たちを殺す、そんな毎日でした。

(ベトナム戦争で亡くなったアメリカ兵は5万8千人)

アメリカ国内での反戦運動の中、なんとか帰国できたネルソンさんに、彼の母親は「お前は私の息子ではない」と言い放ったそうです。

さらに彼はベトナムでのショックによるPTSDで引きこもるようになり、家族からも家を出て行ってくれと言われ、ホームレスになりました。

そんなとき、彼は高校の同級生に偶然会います。

彼女は大学を出て小学校の先生になっていました。

彼女は彼がベトナム帰還兵だと知って、是非子どもたちに戦争の話をして欲しいと頼みました。

小学校4年生の授業で、彼はあまりにも残虐な戦争体験をありのままに話すことはできず、ありきたりの話をして聞かせました。

そのとき、一人の少女が彼をまっすぐに見つめ、「ネルソンさん、人を殺したんですか?」と質問しました。

彼は口ごもりましたが、子供たちにうそは言えない…やっとのことで、「イエス」と答えました。

子どもたちは彼を責めたり、軽蔑したりするどころか、「ネルソンさん、かわいそう…!!」といっせいに彼の元に駆け寄り、彼をハグしました。

彼の目からは、大粒の涙があふれていました。

「こんな自分のために子どもたちが…!」

この体験が彼を変えました。

戦争について本当のことを語ろう、語り継がなければと。

彼は子供たちのおかげで、徐々にPTSDから立ち直っていきました。

それでも完全に立ち直るには、18年間の歳月が必要でした。

戦争は悪いことというのは理論では語られますが、その悲惨さは体験したものでなければわかりません。

地獄を見てきた人たちはみな同じことを言っています。

「二度と戦争を起こしてはいけない。」と。

体験者の言葉は、なによりも重いと、私は確信します。

彼の言葉は真実です。それはこんな言葉です。


「日本国憲法第9条は、いかなる核兵器よりも強力であり、いかなる国のいかなる軍隊よりも強力なのです。」
「世界平和はここから、この部屋から、私たちひとりひとりから始まるのです。」


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