開花宣言が出てから、満開になるまでがずいぶんと長かった今年の桜。ようやく花盛りを迎えましたね!
昨夜、帰りしなに井の頭公園に寄りまして、夜桜見物を楽しんできました。朧月と桜、鏡面のような静かな湖面にうつりこむ桜を楽しむことができました。
ちょうど今週、夫が出張に行っていて、今年は一緒に見られないかもしれないな〜と思っていたので、見に行くことができて良かったです^ ^
桜はきれいですし、いっときの限られたものだからこそ、その美しさを分かち合いたいという気持ちが強くなります。「近所の桜も満開になりました」と、メールや手紙を書きたくなります。
何年も前、夫と付き合い出した頃、彼が携帯で桜を撮って送ってくれたことがあります。四ツ谷の土手の桜でした。当時はガラケーの時代で、決して画質は良くありませんでしたが、分かち合いたいという気持ちが嬉しくて、人生の中で忘れられない桜です。
見てのみや 人にかたらむ 桜花 手ごとに折りて 家づとにせむ
こちらは素性法師の和歌(古今和歌集 春)です。この桜の花、ただ見るだけで人に美しさを語れるだろうか。いや、語れない。一人ひとりが枝を手折って、家のお土産にしようじゃないか。そんな歌です。
手折らなくても、写真を撮ることで、気軽に魅力を切り取ることができるのは、良い時代ですネ。
……もちろん、素人がスマホで写真を撮ったくらいでは、実物の感動は再現できないのですが(苦笑)
それでも撮らずにはいられない。そして、写真を、何とか実物を見たときの感動に近付けよう(あるいは実物を乗り越えよう)と思う。
だから、人は、良いカメラを買ったり撮り方を学んだりアプリで加工したりするんでしょうねぇ……。その努力はもしかしたら、桜を描く和歌が、言葉遣いや技巧に凝ったことと、同じような努力かもしれません(^。^)
参考