南総里見八犬伝 (角川ソフィア文庫―ビギナーズ・クラシックス (SP90))/角川学芸出版


1月の吉祥寺 古典を読む会例会では、曲亭馬琴(滝沢馬琴)の読本『南総里見八犬伝』を取り上げました。

実は、この1月に国立劇場で歌舞伎『南総里見八犬伝』の公演があり、それを観劇するに当たって、作品そのものについても学んでみたいな~と思ったところから、この企画がスタートしました(笑) 公私混同で申し訳ないです(笑)


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もともと平安時代の古典文学を好んでいた私にとって、江戸時代の戯作文学というのは、なんだか下世話でご都合主義な印象があり、長年毛嫌いしておりました(苦笑)

その江戸文学を楽しめるようになった一つのきっかけが、歌舞伎を観に行くようになったことだと感じています。

例えば、リアリティや合理性よりも、劇的な展開を追求するストーリーや、「これでもか」というほどに仕組まれた、絵になる場面。

こうした作品のつくりかたを前向きに楽しめるようになったのは、歌舞伎によるビジュアライズの影響が大きいです。

そんな、私が実感するようになった、江戸 戯作の面白さをお伝えしたいという思いのもと、『南総里見八犬伝』という作品について、2時間ほどお話しさせていただきました。


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寄せられたご感想から幾つかご紹介します。


「学生の頃に『南総里見八犬伝』の講義を受けた時は、現実離れしたおかしな話という印象でした。今日吉田先生の話を聞いたら、絵になる場面描写、筋があるストーリー等、魅力が伝わってきました」


「江戸時代の古典は全く知識がなかったので、今日は参加できて良かったです。政治的背景や印刷技術など、物語とあわせて考えると、よりおもしろくなりますね」



2月・3月は一転、平安時代に移ります。普段とは少し観点を変え、1人の人物に焦点を当てます。取り上げるのは、私の好きな中宮定子。

一条天皇の最愛の女性でありながら、父の早い死や兄の不祥事、道長の台頭などに翻弄された人。つらい中でも凛と生きた、彼女の一生をたどりたいと思います。

2月15日(日)14:00~16:15 @御殿山コミュニティセンター
和歌と『栄花物語』から読む定子 悲劇の人生

3月15日(日)14:00~16:15 @御殿山コミュニティセンター予定
『枕草子』に読む定子の輝き

ご参加希望の方はこちらからお申し込みくださいませ。事前の知識などは必要ありません。お目にかかれることを楽しみにしております。
 


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都内の大学受験塾に勤務する他、隔週月曜13時に東急セミナーBE古典入門講座を担当しています。また、吉祥寺 古典を読む会も主宰しております(2月15日(日)14時「中宮 定子の人生」)。