近所の老人ホームで、月1回、古典朗読教室を開催しています。

「古典」というよりは、「俳句」「和歌(短歌)」をご紹介する時間となっているのですが、季節を感じられる作品をお持ちしようと努めておりますニコニコ

今日は春の歌をいくつか、どちらかというと、初夏の歌を中心にお持ちしました音譜


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「春過ぎて夏来たるらし 白妙の衣ほしたり 天の香具山」(持統天皇)


「万緑の中や吾子の歯生え初むる」(中村草田男)


「目には青葉 山ほととぎす 初がつを」(山口素堂)


「夏の風 山より来たり 三百の牧の若うま 耳吹かれけり」(与謝野晶子)


本当に、爽やかで過ごしやすく、木々の緑から元気をもらえるような、良い季節ですよね。

お邪魔している老人ホームは、中庭の木々が青々と美しく、作品の季節感を味わうにはぴったり!

私がiPhoneでホトトギスの声をお聞かせすると、利用者さんからは「青葉とホトトギスを満喫したから、お昼ごはんには、初ガツオを食べたいなぁ~」というリクエストが飛び出していましたヨ(笑)


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中村汀女さんの「外(と)にも出よ 触るるばかりに春の月」をとても気に入っていた方もいらっしゃいました。

月が「触れてしまえそうなほど」大きく、美しく見えていたから、思わず、皆に共有したいと願った。……そんな心の動きはもちろんのこと、初句の「外にも出よ」という命令形が鮮烈で、凛と美しいですよね。


作品の内容自体を楽しむもよし、みんなで声に出して読むことを楽しむもよし、その作品に近い自分の体験を思い出して楽しむもよし。

たくさんの方が同じ空間にいながら、さまざまな時間の過ごし方ができるというのが、この古典朗読レクリエーションのよさであると感じています。


次回は5/30。梅雨も近付く時期ですから、「五月雨」の句でもお持ちしようかなぁ、と思いますニコニコ