光の帝国 常野物語 | 個人的読書

光の帝国 常野物語

恩田 陸
光の帝国―常野物語

「光の帝国 常野物語」
恩田陸・著
集英社・出版/集英社文庫


『少し変わった能力を持った人々の連作集』


「ユージニア」の記事のときの予告どおり、読みましたよ、、。
「光の帝国 常野物語」です。
(さっき、ユージニアの記事みたみたら、5月なんですよ、、。)


 宮城県のとある地域にあるといわれる、常野。
そこには、特殊な能力を持つ人々が、ひっそりと暮らしていました。
そして、その常野を離れて一般の人々同じように暮らす人たちも、、。
 そんな常野一族の人々を主人公とした、連作短編集です。


 柳田國男の遠野物語から、タイトルは来ていると思われるように、
超能力ではあるんだけれど、西洋風の超自然的なエスパーという感じでは、決して無くて、
民俗学というか、地域伝承の昔話しみたいな、雰囲気を受けるように書かれています。
 また、女性SF作家の草分け的な存在のゼナ・ヘンダーソンの「ピープル・シリーズ」
へのオマージュでもあるとか、、。
 最近、ゼナ・ヘンダーソンは河出書房の奇想シリーズで読みその中に、
一編だけ、「ピープル・シリーズ」があったのですが、 
まったく判らないでもないですが、そんなイメージはあんまりなかったです。


 この作品は、恩田さんの中でも、初期の作品だと思いますが、
もうしっかり、恩田さん的雰囲気は、かもし出されています。
 きっちり描写されているのに、
なんか、恩田さんが書く言葉の霧の中に迷い込んだ感じで、物理的確かなものが、きっちり
読者の前に現れてくるような感じじゃない、
(ちゃんと描いてあるのに)
 しかし、ぼんやりとだけれど、重要ななにかは、読者へうったえかける
そんな感じですね。
 
 兎に角、これで常野シリーズを読む権利をゲットしたと、
いうことで、、、。


 さっき検索してたら、NHKでドラマ化されてたんですね、、。

NHKのドラマのページへ


上記した、ゼナ・ヘンダーソンの「ページをめくれば」の記事へ


「月の裏側」の記事へ


「三月は深き紅の淵を」の記事へ


「ユージニア」の記事へ