クレメント・L・ハーシュステークス → Wikipedia
アメリカ西海岸、夏の牝馬限定G1競走、「誰が興味あんねん。」的なレースですがなかなか見応えがあったので。
出走頭数はわずか5頭。
圧倒的1番人気はBeholder。通算成績22戦17勝、積み上げたG1勝利は二桁に届く10勝。北米最優秀2歳牝馬、最優秀3歳牝馬、昨年5歳時に最優秀古牝馬に選出されている名牝。
2014年9月27日のゼニヤッタS(米G1)から8連勝中、1年10ヶ月の間負けていません。
2番人気はStellar Wind。昨年のエクリプス賞最優秀3歳牝馬ですが、G1勝利はサンタアニタオークス(米G1)のみ。 それまでのUntapable(3歳時G1・4勝)、Beholder(3歳時G1・4勝)、Questing(3歳時G1・2勝)、Royal Delta(3歳時G1・2勝)、Blind Luck(3歳時G1・3勝)、Rachel Alexandra(3歳時G1・5勝)に比べると大分劣ります。
前走ヴァニティマイルS(ダート8ハロン、米G1)では、Beholderに1・1/2馬身差の2着と完敗。
2016年 クレメントLハーシュS(米G1) 5頭
ダート8.5ハロン、3歳以上牝馬、デルマー競馬場(7/30)、賞金総額30万ドル
レース結果 (Blood Horse.com、Horse Racing Nation)
1着:Stellar Wind 1分41秒24 馬場状態:Fast
2着:Beholder 1/2馬身
3着:Divina Comedia 9・3/4馬身
最内からコースターとを切ったBeholderがいつもの様に逃げて、Stellar Windがこれをマークするように半馬身差の外に付ける。
Beholderがマイペースで逃げるところ、3コーナー手前からStellar Windが仕掛けていき、並びかけようとするがBeholderも抵抗し、2頭で一気に後続を突き放す。
最終コーナーを回り、最後の直線に入ったところで2頭は全くの並走状態。
内のG.スティーヴンス鞍上Beholder、外のV.エスピノーザ鞍上Stellar Windの激しい追い比べ。
残り50mあたりでStellar Windが1/2馬身ほど抜け出して勝利。
2頭から大きく離された9・3/4馬身差の3着にDivina Comedia。
レースの最初から最後まで、2頭のほぼマッチレースの見応えがある良いレースでした。
昨年Stellar Windがエクリプス賞最優秀3歳牝馬に選出された際は、違和感を覚えましたがこのレースを見れば納得です。
Beholderが2ポンド重かったので、同斤量でどうかは分からないですが今後の活躍に期待です。
勝利したStellar Windは通算10戦6勝、昨年はサンタアニタオークス(米G1)など重賞4勝、BCディスタフ(米G1)2着で前述の通り3歳牝馬女王に。
この後は、パシフィッククラシックS(ダート10ハロン、米G1)で牡馬に挑戦という話もあったようですが、牝馬限定のゼニヤッタS(ダート8.5ハロン、米G1)をステップに、BCディスタフ(ダート9ハロン、米G1)を目指すようです。
ゼニヤッタS(米G1)は昨年までBeholderが3連覇しており、今年三度目の対決となるでしょう。
Stellar WindはCurlin産駒、翌日のハスケル招待S(米G1)でもCurlin産駒のExaggeratorが快勝。
北米リーディングサイアーランキングでは、Tapitが独走していますが、G1勝利数ではCurlinが今のところ最多勝です。
2016 Clement L. Hirsch Stakes(D8.5F、米G1) レース映像
Stellar Wind(ステラーウィンド)米国産 牝4(2012/2/13生)
戦績:10戦6勝 (Equibase)
主な勝鞍:2016クレメントL.ハーシュS(D8.5F、米G1)、
2015トリーパインズS(D8.5F、米G3)、2015サマータイムオークス(米G2)、
2015サンタアニタオークス(D8.5F、米G1)、2015サンタイサベルS(米G3)
血統:父Curlin、母Evening Star、母父Malibu Moon (5代血統表)
調教師:J.W.サドラー(米)、馬主: Keswick Stables & Stonestreet Thoroughbred Holdings LLC
2013年ファシグティプトン・オーガスタセールで、4万ドルという安値で落札されています。