その2よりつづく

オールオンフォーにたどり着くには、しばらく時間がかかりますが、
ひとつの物語としておつきあいください。

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CUF病院の裏口の駐車場 古い建物です。

リスボンのCUF病院のICUの前で私は呆然と立ちつくすしかありませんでした。
つきそいのピースボートの人がその日だけ、サポートしてくれると
いうことだったので、まずは、ICUに入らせてもらうように頼みました。


スペイン語の得意な彼女は、時間外で入れないと言うスタッフを
説き伏せて私が中に入れるようにしてくれました。

上着を着てマスクをして中に入ったところ、そこで見たのは、
裸にシーツを掛けられて、たくさんの機器につながれた母の姿でした。
私が声を掛けると意識はあり、弱った声で「来てくれたの」と
言いました。私は、日本を発つときはこれほどひどい状態とは、全く
思ってもいませんでしたが、先ほどドアの前にいて想像したよりも
意識があるだけ救われた気持ちになりちょっと安心しました。
スタッフは英語が話せず、私は、ただ立ちつくしていました。

そこへ、担当医師が現れ、私が日本から来たことを告げると、まず
「オブリガード」といい、それから優しい目で日本でのありがとうに
にているでしょう。といいました。50歳くらいの男性医師でしたが、
ほとんどパニックになって日本から来た娘に対して、まず落ち着かせ
ようとするその気遣いに大変感動しました。

ドクターは、なまっている(ように聞こえる)英語で、母の赤血球が
正常の3分の1しかないこと。どんどん赤血球が破壊されていること。
輸血をして破壊が進めば、腎臓に蓄積し腎不全になることが想定される
ので、現時点では輸血もできないこと。
まずは原因を追及するために、検査を行って、ステロイドに対する
反応を見ていること。おそらく、なにかにたいするアレルギー反応
ではないだろうかと考えている、ということを説明してくれました。

長くなりそうです。つづく。

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