豪華な役者が揃う縁起物の映画、『ラッキーナンバー7』 | 平平凡凡映画評

平平凡凡映画評

映画を観ての感想です。

【タイトル】『ラッキーナンバー7

【評価】☆☆☆(☆5つが最高)

【監督】ポール・マクギガン

【主演】ジョシュ・ハートネット、ブルース・ウィリス

【製作年】2005年

【あらすじ】

 仕事をなくし、恋人も寝取られたスレヴンは、友人を頼ってNYへやってくる。だが不運は続き、2つの対立するマフィアのボスに呼びつけられて無理難題を吹っかけられる。更には、警察にも目を付けられる羽目に。

【感想】

 思わぬオチが用意されていて、アッと驚く展開が待ち受けていた。何としても観客を騙そうという映画。しっかり騙されはしたが、洗練の度合いは少し足りないような気がした。こういうタイプの映画は大好きだが、驚かせるだけではなく唸らせてほしいと思ってしまう。ちょっと欲深いとは思うけど。

 映画は、オープニングでいくつものシーンが無関係に登場してくる。一体なんのカードが配られているのか、観ているだけでは意味が分からない。最後にようやく繋がりを持ってくるという仕掛けになっているが、ちょっと集中力が削がれるような気がした。訳の分からない映像をあれこれ長々と見せられても、困ってしまう。

 前半は、軽いノリの話しだった。主人公のジョシュ・ハートネットが3枚目に徹しているようで、コメディテイストを強く押し出していた。このノリで統一してくれれば観やすかったと思うが、後半に入ると映画の質が変わってくる。転調したと言えばいいのかもしれないが、ダークな話しがこぼれ落ちて来る。残虐なクライムサスペンス調に転換。

 驚きに満ちた映画だとは思うが、ギクシャクとした部分が目に付き、観づらく感じることも多かった。観客を騙そうという意欲が強すぎたのかもしれない。策士策に溺れるといったところなのか、自家中毒を起こしているようでもあった。後味は、あまりいいものではなかった。

 それでも、出演者の顔ぶれは豪華なもの。ベン・キングズレーやモーガン・フリーマンといった大御所が、脇を固めていたりする。そうそうたるメンバーが一同に介している姿を見られるのは、何となくラッキーな気がしてくる。七福神を拝んでいるような感じだった。タイトル通り、縁起物の映画かもしれない。