久しく書いていなかったこのドラマシリーズ。今回は少し前に観たやつですが、これまた相当楽しく見させてもらった「奮闘」と「婚姻保衛戦」です。この2つは、キャストこそ変わっていますが、メイン俳優と女優が両者に出ているので、ほぼシリーズもののように見れます。貫く対象は「80後」です。

北京で考えたこと

 奮闘の方は、大学卒業後さまざまな道を目指しつつ、China Dreamではないですが、それぞれの人生なりの成功を目指して奮闘する80後世代を描いています。ドラマだから当たり前といえば当たり前なのですが、成功と失敗の浮き沈みは激しく、転職を繰り返したり、設計師としてあっという間に超成功して大金持ちになったりと。

 その中でも印象に残るのは、ドラマの主人公たちの上昇志向と消費志向、とにかく何だかぼんぼん物(家とか部屋も)を買ってしまうし、買うために努力するのです。この強い消費志向は日本でもマーケティングの狙いにすべきなどの本もありますが、確かに北京にいてそう感じることがあるところです。何か話の大半は車と家(マンション)の話題なんじゃないかというくらい、この2つの話題は中国の若い人の定番ですからね。

 そして、結婚観では、あっという間に結婚するカップルは結婚した後にあれこれ価値観の違いに気づいてまた別れたりくっついたり、或いは男女とも目指す物へのこだわりからなかなか一緒にはなれないカップルもいたり。このあたりも「闪婚」(雷のようにあっという間に結婚してしまうこと)、「闪离」(同じくあっという間に離婚してしまうこと)なんていう、最近の流行語を踏まえていますね。

 周りの若い中国人に「奮闘」の感想を聞くと、「さすがにオーバー」「あんなにパッパと成功する人はいるわけないでしょ!」と言いながらも、確かにみんな見ている模様でした。そして、「それよりはこっちの方がもっとリアルかな」と言って勧められたのが「婚姻保衛戦」。

北京で考えたこと

 こちらは、80後世代が結婚した後、どんな夫婦生活を過ごしているのだろう、といった感じを描いたドラマ。メディアからは「このドラマは弁論大会か!?」「夫婦の言い争いのシーンが多すぎる!」なんていう批評もあったそうですが、ある意味めちゃめちゃ中国語の勉強にはなります(笑)。新しい時代の中国の多様な夫婦の形;共にキャリアを試行する夫婦、完全に亭主関白を気取りたがる夫婦、そして完全に「主夫」:男が完全に家事をやるそういう夫婦、の3夫婦による悲喜こもごものドラマ。現代中国の男と女の考え方を取ってもクリアに表わしていて、「そうそう」なんて肯くなんかもしながら楽しみました。

 最近、80後世代は夫婦生活を最も幸福と感じている世代なんていう、中国の新聞記事もありましたが、その一方今年の第3四半期に結婚したのは779万2000組ですが、同期に131万組も離婚いたそうです(中国・民生部発表)。価値観が多様化する中での、不可避的な傾向なんですかね。

 ちなみに、最初はそんなに可愛いなあと思わなかった马伊琍が、2つドラマを観終る頃には一番きれいに見えるようになりました(笑)。まさか、「向南」(奮闘の中の役名です)と結婚していたとはねぇ…。トラックバックさせて頂いたじゃんすさんの80後に関するブログも是非どうぞ。