本日、よく行く朝のcafe。
そこには私が一方的に顔を見知ったオジサン達がいた。以前は別の飲み屋でご一緒したのだが、この辺の常連なのか、朝のモーニング時にもたむろしているのだろう。
この方々、卑近な話題を斬新な視点でコメントをするメンバーだ。
だいぶん前は、エグザイルやAKBについて30分近く、話していた。
今日はと言うと"メール"と"ネール"について話していた。
どうやらオジサン達はメールをはじめとするデジタル系には弱いようだ。
A「孫がよぉ、最近、ずっとアレやってんだよ」
B「アレって?」
A「ほらさ、あのさ…」
B「何よ」
A「何とかって、いうんだよ」
C「よしなよ、思い出すなんて無理だよ」
A「もう、ここまで出てんだよ」
D「痰かよ?」
A「そんなんじゃないよ、若いヤツがやってるヤツだよ」
B「勉強?」
E「勉強なんかしないよ、今のヤングは」
D「やってるの見た事無いな」
C「ヤングは遊びが一番なんだよ」
D「そういや、ウチの孫娘がさ、最近色気づいてんだよ」
E「何だい? 化粧でも始めた?」
D「おいおい、今の子供はほんのガキの頃から化粧してんだよ」
B「ショウガネエなぁ」
C「今から化粧なんかしてると、行く末はパン助だな」
A「かも知れないな」
D「化粧じゃなくてさ、ツメにさ、落書きしてんだよ」
B「そりゃマニキアだろ?」
E「マニキアじゃないよ。マニュキア」
C「マニキュアじゃないの?」
D「いいよ、そんなの、どっちだって」
A「最近の奴らはだいたい、爪が長いよ」
C「そうだよ、俺たちゃ学校でさ、毎週水曜日の清潔検査でさ、ツメしっかり切ってるかどうか、検査されたもんだよ」
B「そうだなー」
C「そうそう。ツメは短いのがいいんだよ」
D「今はさ、違うんだよ。切るどころか、余分なツメ買って来て、取り付けてんだよ」
B「買って来なくたって、放っときゃ伸びるのになー」
D「その買って来たツメにさ、絵の具で絵、書いてんだよ」
A「絵心があるんだな」
D「そんなんじゃないんだよ、星とか、ハエみたいな虫とか、模様とか、トリトメが無いんだよ」
C「そりゃ、ちゃんとした人に習った方がいいな」
D「そう思うか?」
C「そうだよ。絵だって何年も修行して、ようやく号何万円で売り買いされるんだよ」
D「うちゃ、ツメに書いてんだよ」
C「ツメ専門かよ?」
D「いいかい。今のヤングはな、ツメなんて言わないんだよ」
B「ナンって言ってんの?」
D「ネール…」
E「なぁーにがぁー、ネールだよぉ!」
D「英語でツメの事をネールっていうんだとさ」
C「今、みんな英語で言うからな」
E「ほら、最近出来たアレだって、英語だろ?」
B「ナンだい?」
A「あの背の高いの」
B「モンスター・ロシモフ」
C「死んじゃったよ、そんなの」
E「モンスター・ロシモフじゃなくてさ…」
B「ナニ?」
A「思い出せない…」
E「気持ち悪いなー」
C「よしなよ、思い出すなんて無理だよ」
A「……思い出した!」
B「なに?」
A「スカイツリー!」
B「それはしょうがないよ、もともと英語だもの」
D「ネールと同じだよ…」
E「ネールとはちがうだろ」
D「同じだよ。みんなカタカナだよ」
A「あっ、思い出した!」
B「ナニを?」
A「孫がやってるの」
C「ナニ?」
A「…メール」
B「メール!」
D「ネールと同じだよ」
A「違うよ、メール。どうかすると2時間ぐらいやってるんだよ」
E「熱心じゃないか」
C「そんなに長い時間、やるもんじゃないだろ」
A「わからん」
E「毒だよ、毒!」
B「身体に毒!」
オジサン達の理屈はスジが通っている。
オジンさんと言っても、もう80代くらいだろうか。
愉快な人たちだ。
I's Complex O.B.J.