Sat 170506 サウイフモノはゴハン8杯/お菓子オンパレード/オレンジをスパスパ | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Sat 170506 サウイフモノはゴハン8杯/お菓子オンパレード/オレンジをスパスパ

 ホントは諸君、今日もあくまで硬派に「キューバ&メキシコ旅行記」を書き続けようと思っていたのだ。

 夜7時半、NHKニュースの流れでそのままテレビを見続けていたら、写真家♡岩合さんのネコ番組が始まった。キューバもギリシャもポルトガルも、岩合さんの仕事場だ。「もしかして、ハバナのあのネコが登場するんじゃないか」。そんな期待もあった。

 おそらく岩合さんとは、世界中のいろんな町でニアミスをしている。ハバナでもミコノスでも、リスボンでもイスタンブールでも、同じネコの頭を撫で、同じネコに指を差し出してクンクンさせている。彼のネコ番組を見るたびに、「もしかして、アイツ?」と、懐かしいネコたちを思い出す。

 だから本来なら、今日もカンクンやハバナの話を書いて、ネコたちの思い出に浸りたいところなのである。ネコを愛しネコに愛されることにおいて、ワタクシは決して岩合さんにヒケをとりはしない。うぉ、とりあえずメキシコのネコについて語りまくりたいじゃないか。
オレンジ
(輪切りのオレンジが大好きだ。詳しくは、文章を最後まで読んでくれたまえ)

 しかしそうは言っても、旅行記とは別にいろいろ書きたいことがある。昨日の記事を書くためにラス・カサスの本をペラペラめくっていたら、まずどうしても宮沢賢治について語りたくなった。

 だって諸君、ラス・カサスが描く中南米の人々と、宮沢賢治による人間の理想像とに、あまりに強い共通点を感じるじゃないか。

 ラス・カサスが中南米で観察した先住民は(昨日の記事参照)、
「恭順かつ忠実、世界で最も謙虚で辛抱強く、温厚で口数が少ない。イサカイも騒動も喧嘩もない。怨念も憎悪も復讐も存在しない」
「粗衣&粗食、財産を所有せず、所有欲も野心や欲望もない」
なのである。

 一方の宮沢賢治は、「サウイフモノニ ワタシハナリタイ」と最後にズバッと宣言する人間像として、
「慾ハナク 決シテ瞋ラズ」
「イツモ シヅカニ ワラッテヰル」
「アラユルコトヲ 自分ヲカンジョウニ入レズニ」
と書く。

 中南米の人々は、ワラ葺きや茅葺きの家に住んで、襲ってきたスペインの兵士たちに非道も火を放たれてしまうが、宮沢賢治の描く「サウイフモノ」も、やっぱり萱ぶきの小屋にいる。
「野原ノ松ノ林ノ蔭ノ 小サナ萓ブキノ小屋ニヰテ」
である。

「東ニ病気ノコドモアレバ 行ッテ看病シテヤリ」
「西ニツカレタ母アレバ 行ッテソノ稲ノ朿ヲ負ヒ」
であって、おお、こりゃそのまま、高度な文明に達したマヤやアステカやインカの人々の理想像じゃないか。
お菓子
(古文スーパー先生を先頭に、お菓子のことを書くのが流行中らしい。ワタクシも、大好きな「歌舞伎あげ」をまた買ってきた)

 ただし、両者には大きく異なる部分も多い。肉体の強健さ&頑健さである。16世紀中南米の人々は「あまり仕事に耐えられず、体格は華奢、軽い病気ですぐに死んでしまう」と書かれている。

 一方の宮沢賢治が描いた「サウイフモノ」は、まず何と言っても「雨にも負けない」&「風にも負けない」だし、「雪ニモ夏ノ暑サニモマケヌ」とあって、おお、たいへん強靭な肉体と精神力の持ち主である。

 吹雪の日にも、険しい山道を疾走する。猛暑の油照りでも農作物の世話のためなら、焼けつく山の畑でも、水も飲まずに丸1日の労働に突き進む。「こまめな水分補給」は、おそらく自分のためよりも、キュウリにナス、愛する作物のために忘れない。

 こりゃすげー。襲ってきたツキノワグマに、「ほい、水だ。飲めや、クマ五郎。遠慮なんかすんでねえ、がははは」と水筒を手渡す。岩合さんが世界中のネコに超人気なのに負けないほど、「サウイフモノ」のクマ人気は相当なものだったにちげーねえ。
ミニ歌舞伎揚
(ひとくち歌舞伎あげ、拡大図)

 しかもその人、なかなかの大食漢である。中南米の人々は「粗衣&粗食」であるが、この人は粗衣ではあっても、決して粗食ではない。気をつけて読んでみたまえ。「一日ニ 玄米四合ト 味噌ト 少シノ野菜ヲ食べ」とある。

「味噌と少しの野菜」というのは、確かに粗食に思えるだろう。今井君みたいに「200グラムのヒレカツをオカワリ」「デザートに生牡蠣10個」「ステーキ400グラムの後に300グラムのハンバーグを追加」みたいな愚劣な大食漢とは違う。

 しかし、「1日に玄米4合」というところに注目してくれまえ。自炊したことがない人は分からないだろうから、例えば男子大学生諸君、買ったけど3ヶ月も放置してある炊飯器のホコリを払って、コメ1合がゴハン茶碗何杯ぶんになるか、一度しっかり計ってみるといい。

 コメ1合で、ゴハン茶碗ならたっぷり2杯が標準だ。ということは諸君、宮沢賢治の「サウイフモノ」は、1日にコメ4合 ☞「ゴハン茶碗で8杯」を連日平らげることになるじゃないか。

 朝2杯。昼2杯、夜4杯。いや、こういうタイプには「朝ゴハンをしっかり」という人が多いから、朝3杯、昼はちょっと遠慮して2杯。しかし労働の後の夕食にまたしっかり3杯。味噌は野菜の味噌汁、コメのメシのオカズに野菜の浅漬けもポリポリかじれば、おお、あっぱれな食欲だ。

 今井君もまたコメのメシは何よりの大好物。たとえ冷たいゴハンでも、熱いほうじ茶をかけてお茶漬けにしちゃえば、別に焼きタラコとか焼きシャケとか、そんな贅沢は必要ありましねえ。野菜の浅漬けでも、うんにゃ、お味噌にトンガラシを入れてネリネリしたようなヤツをオカズにしても、軽く3杯4杯はいける。
燃えよ
(コンビニで購入「燃えよ 唐辛子」。唐辛子の輪切りにコロモをつけて揚げてある。おお辛かった)

「サウイフモノ」、大人しそうに見えて、実は思いもかけぬ頑健さの持ち主なのだ。さすがツキノワグマのアイドル、残忍非道な侵略者なんかが大挙してやってきても、そうカンタンに征服なんかされてやんねえだよ。

 クマどもを手下に、強烈で無慈悲な逆襲に転ずる。ネコもロバもイヌもニワトリも、ブレーメン音楽隊がこぞって逆襲に参加する。これに悪賢いサルとかカラスとか、中南米独特のリャマにジャガーにヘビにアルパカ、とげとげのイグアナ軍も集結するだろう。

 こんなムシロ旗の動物♡奇兵隊に、ウスにタマゴにクリにハチ、サル vs カニ軍団も参戦すれば、火でも矢でも鉄砲でも持ってきやがれ、オレたちゃ負けてやんねえぜ。そういう勇ましい義勇軍の出来上がりだ。

 しかも、サウイフモノは頭がいい。「ヨクミキキシ ワカリ」「ソシテ ワスレズ」だ。おお、その観察力に理解力に記憶力、まさに今井君とそっくりだ♡ 

 その優しさたるや、まさに奇跡的と言っていい。「南ニ死ニサウナ人アレバ…コハガラナクテモイイトイヒ」「北ニ喧嘩ヤ訴訟ガアレバ ツマラナイカラヤメロトイヒ」。やっぱりラス・カサス描く優しい人々を思い出させるじゃないか。

 おやおや、今日もまたいつの間にかずいぶん長く書いちゃったが、やっぱりさすがに今日は「旅行記」の一部分とすることは遠慮する。だから、掲載する写真も、メキシコやカンクンやトゥルムの写真を避けることにした。

「それなら何でお菓子の写真ばっかりなの?」であるが、まあ許してくれたまえ。古文のウルトラスーパー先生を中心に、このごろお菓子の話が大流行中なのだ。今井君はマコトに流行に弱いタイプ。「そんなにお菓子の話が流行中なら、自分も流れに乗らなきゃな」。そういうことである。
しじみ
(健康に留意しなくちゃと考え、サプリメント「しじみ習慣」の無料サンプルをもらったら、シジミの形のダイレクトメールが届くようになっちゃった)

 しかし諸君、粗衣はいいが、粗食は避けたまえよ。「お菓子ばっかりポリポリやってます」などというのは、何の自慢にもならない。かく言う今井君だって、スーツは18年、コートは30年、靴も10年、粗衣については世界トップクラスだが、食い物はモリモリ食べ放題を貫いている。

 お菓子も悪くないけれども、若い諸君にはフルーツがオススメ。それも、マンゴーだのパパイヤだのメロンだのは、オトナになるまでジッとガマン。まずはバナナがいい。「バナナに飽いたらオレンジにとまれ」だ。

 オレンジなら、不器用な男子でも大丈夫。
「炊飯器を開けてみたら、3ヶ月前に炊いたゴハンが、カビで青黒い巨大な毛玉になってました」
「カビの胞子がブワッと部屋に立ち込めました。ぶんぶん飛んでいたハエが死にました」
そういうタイプの人間でも、オレンジなら、ナイフでスパスパ輪切りにすれば、すぐに食べられる。

 今日の写真の1枚目は、そういう「オレンジ生活のススメ」。頑健で、賢く、限りなく優しい「サウイフモノ」を目指すためにも、諸君、まずはオレンジ1個、そのへんのナイフでスパスパやってみたまえ。

1E(Cd) COMPLETE MOZART/THEATRE & BALLET MUSIC 3/5
2E(Cd) COMPLETE MOZART/THEATRE & BALLET MUSIC 4/5
3E(Cd) COMPLETE MOZART/THEATRE & BALLET MUSIC 5/5
4E(Cd) COMPLETE MOZART/DIVERTIMENTI・SERENADES 1/11
5E(Cd) COMPLETE MOZART/DIVERTIMENTI・SERENADES 2/11
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