Sat 161217 大阪からの帰り道/新幹線はキライ/大混雑の新大阪駅/ソバキチ新年会 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Sat 161217 大阪からの帰り道/新幹線はキライ/大混雑の新大阪駅/ソバキチ新年会

 1月4日、大阪からの帰りは、ワタクシとしてはマコトに珍しいことに、新幹線を利用する。いつも書いている通り、今井君は新幹線というものが大キライなのだ。

 大阪から2時間半とか、広島から4時間とか、神戸から3時間とか、ちょっとした国内旅行なのに、そんなに長時間狭い座席でじっとガマンするのはムシャクシャするじゃないか。

 車内の騒音も、ちっとも改善される気配がない。一番うるさいのが車内放送。馬鹿丁寧に5分も10分も、停車駅ごとに同じ中身が繰り返されるのを、これまたじっと耐え忍ばなければならない。

 西に行けば行くほどそのシツコサは増して、特に苛立つのは「車内販売からのご挨拶」。オススメのお菓子だの、車内販売のコーヒーがどんなに美味しいかだの、「旅のオトモに是非お買い求めください」だの、そんな話を無理やり聞かせないでいただきたい。
夜の東京駅
(1月4日、東京駅の夜景)

 あと、延々と続くオジサマたちの談笑、あれはツラいですな。仕事帰りの新幹線、2人席でも3人席でもグルッと回してオジサマたちのお城を作り、缶ビールに日本酒ワンカップ、そこいら中でプシュッ&プシュッと始まれば、彼らの談笑はもう留まるところを知らない。

 そりゃ、彼ら自身はもうお楽しくてタマらない。こんな幸せは職場仲間ならではのものであって、失敗談に成功談、上司の批判に部下の悪口、これほど美味しい酒のサカナは他に考えられない。

 しかし諸君、問題はそのすぐそばで正義感タップリ♡の今井君が聞き耳を立てているということなのだ。ボクチンは、「上司の批判」が大キライ。部下の悪口はもっとキライだ。

 ムカムカして、ふと立ち上がり、「スミマセン、もう少し小さな声で話していただけませんか」「他のお客さんもいるんですから」と、猛然と抗議することも少なくなかった。さすがにこの5年は大人しくしているが、7〜8年前までのワタクシはたいへん激烈な男子だったのである。

 というわけで、仙台とか新潟と名古屋とか、近すぎてヒコーキを利用できない場合を除き、今井君はダンコとしてヒコーキ派。今年もまた、羽田に伊丹に新千歳に福岡空港、大いにお世話になりますで。
新大阪駅
(1月4日、新大阪駅は大混雑。切羽詰まったアナウンスが延々と続いた)

 そういう今井君がどうして1月4日、新大阪から東京まで新幹線を利用せざるを得なかったかと言えば、12月上旬、「そろそろヒコーキを予約しますかね」と思い立った段階で、ほとんどのヒコーキが満員になってしまっていたからである。

 いやはや、日本の景気はホントによくなっちゃった。まだ一部の意地っ張りなマスメディアが
「景気は一向によくなりませんね」
「どんどん景気は減速しています」
「経済は破綻してますね」
と、苦笑しながら頷きあっているけれども、ヒコーキは超満員、新幹線も空席なし、新宿も渋谷も難波も梅田も足の踏み場もないほどの大混雑。それでも「経済政策は完全に失敗」「大恐慌の足音が聞こえます」って、どこをどうヒネれば、そんな論調をひねり出せるんだ?

 というわけで、やっとのことで席を確保できたのが1月4日12時10分、新大阪始発のグリーン車。それも文字通り「タッチ」の差であって、まかり間違えば「ギューづめの自由席で2時間半」という恐るべき試練に耐えなければならなくなるところであった。

 新大阪駅の新幹線ホームは、たいへんな緊迫感に包まれていた。もちろんその前段階で、駅構内のラーメン屋も蕎麦屋もサンドイッチ屋も、みんな超満員で長蛇の列。コドモは泣き出し、ママは激怒し、パパはムクれ放題、まるで戦後のドサクサをみるような混沌としたアリサマであった。
やかん酒
(東京駅前・新丸ビル「ソバキチ」で名物「やかん酒」を楽しむ)

 新幹線ホームに上がってみると、たくさんの駅員が興奮して駆け回っている。構内アナウンスのボリュームも1ランクも2ランクも上がって、もうほとんど絶叫に近い。

「次に入ってまいります博多からののぞみ号は、デッキも通路も超満員の状態でございます」
「自由席の列にお並びいただきましても、乗車いただけない見込みでございます」
「博多・広島方面からの直通列車は避けていただき、新大阪始発の列車までお待ちください」

 こういう場合でもチャンと敬語を使うから日本の鉄道は素晴らしい。これがヨーロッパなんかだと、放送も使わず、いきなりの絶叫で怒鳴りつける。叱責された可哀想な乗客は、大人しいヒツジの群れよろしく右往左往するばかりである。

 しかしどんなに丁寧に案内されても、「乗れない」という状況は同じである。自由席は1号車2号車3号車。たった3両しか自由席を設定していないのに、新大阪駅にはチケットをとれずに自由席を選択するしかない乗客が溢れかえっているのだ。
焼き味噌
(やかん酒のツマミは、焼き味噌がいい)

 とうとう「4号車5号車のデッキと通路にもご乗車ください」という許可のアナウンスが入った。4号車も5号車も指定席だけれども、山手線以上の混雑じゃそりゃ致し方ない。

 続いて「6号車と7号車にもご乗車ください」。さすがに8号車から先はグリーン車だから、そこは許可できないが、アナウンスが入るたびに乗客の列が先へ先へと駆け回った。

 中でも外国人観光客の様子が可哀そうだった。欧米人が海外を旅するとき、その多くは巨大スーツケースを2つも3つも引きずって旅をする。友人4人組なら、4人が4人とも2つずつ。しかもその1つ1つが、日本人のスーツケースの1.5倍ぐらいの巨大さなのである。

 そんな巨大なものをナンボでも引きずって、通勤電車なみの混雑の中に分け入っていく。新大阪から京都まででも十分に重労働、ましてや「東京まで」なんてことになれば、煉獄を生き抜くほどの大きな試練だ。

 その辺は、ガイドブックに書いてもらった方がよくないか。
「年末年始とゴールデンウィーク、+お盆の新幹線自由席は、避けましょう」
「それでももし利用するなら、荷物はホテルからホテルへ宅配便で送りましょう」
そういうふうにキチンとお断りしておかないと、海外からのお客様に失礼だ。そのぐらい1月4日の新幹線ラッシュは激烈なものであった。
ソバキチ
(1月4日夕暮れの「ソバキチ」風景。オジサマたちの0次会がヒッソリと始まっていた)

 ま、そういうふうで、もちろんグリーン車も満員。15時、今井君は無事に東京駅に到着した。あんまり疲れたので、東京駅前新丸ビル「ソバキチ」で一休みして行くことにした。

 この日は多くの職場で仕事始めの日。まだ午後3時過ぎなのに、もうお蕎麦屋でオジサマたちの「新年会」が始まっている。ホンモノの新年会は午後6時ぐらいからなのだが、待ちきれずに0次会をはじめちゃった感じ。またはマイナス1次会か。オジサマたちがマコトに幸せそうである。

 ワタクシの新年会は、実は昨日の大阪で済ませてある。文楽を満喫したあと、まず難波のお蕎麦屋で1次会。続いて心斎橋の日本酒屋で2次会。大昔からの友人と2人で、日本酒をちょうど1升半ほど飲み干し、めでたく新年をお祝いした。

 だから諸君、この日の新幹線の旅は、ほぼ完全に二日酔い状態。ならば大キライな新幹線でも、うっとりウトウト居眠りしているうちに、いつの間にか東京駅に到着していた。年の初めは、こんな感じが一番おめでたいのだ。

1E(Cd) Richter & Borodin Quartet:SCHUBERT/”TROUT” “WANDERER”
2E(Cd) Lima:CHOPIN FAVORITE PIANO PIECES
3E(Cd) Argerich, Chailly & RSO Berlin:TCHAIKOVSKY/PIANO CONCERTO No.1 RACHMANINOV/PIANO CONCERTO No.3
4E(Cd) Alban Berg:BRAHMS/KLARINETTENQUINTETT & STREICHQUINTETT
5E(Cd) Alban Berg:SCHUBERT/STRING QUARTETS 12 & 15
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