Sat 160910 朝食が苦手/朝食会場はガーラガラ/お風呂はジャグージ(シチリア物語3)
8月29日、この日が実質的にシチリア滞在の初日になるのであるが、まあとりあえず、朝食ぐらいワシワシやりたいじゃないか。何しろ「朝食ビュッフェ無料」のプランで5つ星ホテルに7連泊するのだ。その豪華♡朝食を満喫しない手はない。
こういう楽しみを、この10年ほど無視してきた。ホテルの多くで「えっ? せっかくの朝食なのに、無視すんの?」と、驚きの表情で対応されるのであるが、諸君、ワタクシは朝食が苦手なのである。
朝起きて、いきなりの玉子焼き。朝目覚めて、いきなりの納豆に明太子、カマボコに焼き鮭。もうもうと湯気の立つ熱々ゴハンに、超すっぱい梅干。和風旅館なら「湯豆腐でございます」。そんなに「これでもか?」と責めたてられたら、普通の中年男子はムカムカ♨反感しか感じない。
世の中の中年男子を、少しはいたわってくれたまえ。ワタクシを含めて、中年男子というものは日々激烈なストレスの中で生きている。呼吸する空気さえストレス、スマホもPCもタブレットも、同僚や後輩との会話や飲み会さえ、全てストレス。せめてもの救いは、飲み会の最初のビール1杯だけである。
朝の光を浴びて、いやいやベッドから起き上がる。この段階で「あーあ、また激しい1日が始まるんだな」と、頭蓋骨の中で鐘か銅鑼がガンガン鳴り響いているような気分である。今日もまた達成すべきノルマがあり、プレゼンがあり、または授業が5つもある。
「だから、モリモリ♨朝御飯」ということになるんだろうけれども、諸君、ハッキリ言って「だからこそ静かにソッとしておいてほしい」のだ。会社に行けば、デスク上のPCには、対処しなければならないメールが50通も届いている。それだけでお腹いっぱいだ。
要するに、朝起きた段階でもうアップアップな感じ。ハミガキしながら吐き気を感じるのは、別に胃や腸が荒れているからではなくて、お仕事満載でアップアップ、ストレスがパンパンでアップアップなのだ。
そんな状況で「タップリ♡朝御飯」「朝からモーリモリ♡」なんかやってみたまえ。通勤電車の中で、すでに吐き気と下痢の発作に耐えられなくなってしまう。そんなに「朝御飯&朝御飯」と中年男子を責めたてないでいただきたい。
もっとも、じゃあ今井君が典型的中年男子なのかといえば、どうもその栄誉にはあずかれそうにない。ストレスもなければ、ノルマもプレゼンもない。いやはや、「気楽な稼業ときたもんだ」であって、こうして暢気に「シチリアに2週間♡」などという冒険に出たわけである。
(山盛りベーコン、チーズ&ソーセージ)
それでもやっぱり中年は朝食が苦手。諸君どうだい、「中年は朝食がニガテ」というタイトルで、芝居の台本でも書いてみないかね。「朝食は苦手だっちゅうねん」でもいい。「朝食は苦手だっ中年」で、中年の所に「ちゅーねん」とルビをふればOKだ。
朝食の場で巻き起こる、家族のケンカと和解。社員旅行の朝食で発生する仲間割れと和解。上司や同僚との朝食会議、同窓会の一泊旅行の朝食、出張先のホテルの朝食会場。男盛りな中年の悲哀と夢と希望を描くのに、朝食のテーブルは格好の舞台になり得るじゃないか。
さて、そんなクダランことを思いつつ、パレルモ初日の今井君はエレベーターでホテル最上階に上がった。「朝食こそ、館内で最も爽やかな場所で」。さすが自称5つ星ホテル、なかなか素晴らしい発想である。
しかし午前8時、まさに朝食のピーク時間帯なのに、他のお客は誰一人見当たらない。待ち受けていたホテルマン2名も「お、珍しいな、お客がきたぜ」というビックリ顔。ピカピカ磨き上げられた床が、かえって痛々しいほどのガラガラぶりである。
席に着いたのが8時、部屋に帰ったのが8時半。ごく短時間で済ませた朝食だったが、他のお客が現れる気配すら全く感じない。「あらら、もしかして、宿泊しているお客がほとんど存在しないのかも」と、何だかホテルの経営さえ心配になってくるアリサマだ。
思い出すのは、コモ湖畔「ヴィラ・デステ」の朝食レストランである。「ベランダ」という命名は若干ナゲヤリな感じであるが、さすが「ジョージ・クルーニーが自家用ジェットでやってくる」というウワサのある豪華ホテル。朝食ビュッフェのテーブルで、シャンパンがキリリと冷えていた。
あれはもう8年も前のことであるが、もしもシャンパンが冷えていたら、冷えたシャンパンにはチャンと挨拶しなきゃイカン。冷え冷えシャンパンを無視するのは、失礼というより「高慢ちき」というものである。
せっかく冷やしてくれたのに、何で無視すんの? 今井君は遠慮なくグラスに注いで、早速グビグビやりはじめた。まるまる1本、ほとんどワタクシ1人でカラッポにした頃、店の奥で新しく1本「シュポッ!!」と開ける音が鳴り響いたものである。
あの時の「ベランダ」は、ほぼ満席の大盛況。ボローニャでもストレーザでも、ロンドンでもマドリードでも、朝食の苦手なワタクシが頑張って出かけた朝食会場は、記憶するかぎりみんな大繁盛だったものである。
(7連泊するワタクシのお部屋。なかなか豪華である)
それなのに、今回のパレルモはホントにホントにガーラガラ。偶然だったのか、シチリアが流行っていないのか、朝食というものが不人気なのか、原因は全く分からないが、とにかく最初から最後までひたすら孤独。ベーコンにソーセージを貪っている自分が恥ずかしくなるぐらいだった。
「炭水化物は食べないの?」であるが、諸君、朝食に炭水化物なんか食べはじめたら、もうキリがないのである。ワタクシは、ソーセージやハムやベーコンをパンにはさんで食べるのが大好きなのだ。
そういう単純きわまる食事こそ「極楽&極楽」であって、パンにハム、お茶漬けに焼きタラコ、お茶漬けに塩の強めな焼き鮭、そんなものを与えられたら、食パン5枚、ゴハンなら茶碗に5杯でも6杯でもあっという間に食べ尽くす。
だから諸君、「朝食バイキング」などというものに出かけたら、そりゃもうたいへんなことになる。お茶漬けは「サクサク」なんてものじゃ済まない。はっきり「ジャブジャブ」な世界。「パンにハム」も、いつ果てるとも知れなくなってしまう。
とりあえず写真にはベーコンとチーズとソーセージだけ載せておいたが、これを全部フランスパンにはさんでワシワシやったのだ。シャンパンもビールもないから、グビグビやったのは炭酸水、イタリア語でガッサータないしフリザンテである。
(バスルーム風景。お風呂は豪華ジャグージ付きである)
そのワシワシぶりは、30分で大っきなパンが5個、お腹の奥にに消え去るほどの勢い。ただしこれにはいろいろ苦い思い出があって、こういう朝食の食べ過ぎは、パルマで1度、フェラーラで1度、ポンポン系の大ピンチにつながった。
パルマのピンチは大聖堂脇の土産物屋でしのぎ、フェラーラの危機はマクドナルドのトイレで何とかやり過ごした。しかし諸君、イタリアの男子トイレには、「ベンザ」というセーフティネットが存在しない。BIGなものを排出する時も、「立ち腰で」という準アクロバットを強いられる。
だから一番望ましいのは、そういうピンチに立ち至らないことである。朝食パンは5個まで。チーズはガマンして、パンにはさむのはハムとベーコンとソーセージに留めておくこと。お部屋に帰ったら、排出すべきBIG君はしっかり排出する努力に努めなければならない。
お部屋は、スーペリア・スイートにアップグレードされていた。お願いしたわけでもないのに、ベッドルームとリビングスペースがチャンと仕切られた広大な部屋であり、バスタブはジャグージつきの豪華な世界なのだった。
うにゃにゃ、たとえ朝食会場はガーラガラでも、やっぱり旅の今井君は豪華な扱いをしてもらえる。ならばこちらも普段以上に努力して、たっぷりシチリアの旅を楽しみたいじゃないか。
こういうふうで、初日からパンパンに張り切って、目いっぱいパレルモを満喫することにした。午後にはモンレアーレまで遠出するのだが、その詳細はまた明日の記事に詳述することにする。
E(Cd) Ashkenazy(p) Müller & Berlin:SCRIABIN SYMPHONIES 1/3
E(Cd) Ashkenazy(p) Müller & Berlin:SCRIABIN SYMPHONIES 2/3
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こういう楽しみを、この10年ほど無視してきた。ホテルの多くで「えっ? せっかくの朝食なのに、無視すんの?」と、驚きの表情で対応されるのであるが、諸君、ワタクシは朝食が苦手なのである。
朝起きて、いきなりの玉子焼き。朝目覚めて、いきなりの納豆に明太子、カマボコに焼き鮭。もうもうと湯気の立つ熱々ゴハンに、超すっぱい梅干。和風旅館なら「湯豆腐でございます」。そんなに「これでもか?」と責めたてられたら、普通の中年男子はムカムカ♨反感しか感じない。
世の中の中年男子を、少しはいたわってくれたまえ。ワタクシを含めて、中年男子というものは日々激烈なストレスの中で生きている。呼吸する空気さえストレス、スマホもPCもタブレットも、同僚や後輩との会話や飲み会さえ、全てストレス。せめてもの救いは、飲み会の最初のビール1杯だけである。
(パレルモ、グランドホテル・ワグナーの朝食レストラン。床はピカピカに磨き上げているのに、悲しくなるほどガーラガラ、他にお客は1人もいない)
朝の光を浴びて、いやいやベッドから起き上がる。この段階で「あーあ、また激しい1日が始まるんだな」と、頭蓋骨の中で鐘か銅鑼がガンガン鳴り響いているような気分である。今日もまた達成すべきノルマがあり、プレゼンがあり、または授業が5つもある。
「だから、モリモリ♨朝御飯」ということになるんだろうけれども、諸君、ハッキリ言って「だからこそ静かにソッとしておいてほしい」のだ。会社に行けば、デスク上のPCには、対処しなければならないメールが50通も届いている。それだけでお腹いっぱいだ。
要するに、朝起きた段階でもうアップアップな感じ。ハミガキしながら吐き気を感じるのは、別に胃や腸が荒れているからではなくて、お仕事満載でアップアップ、ストレスがパンパンでアップアップなのだ。
そんな状況で「タップリ♡朝御飯」「朝からモーリモリ♡」なんかやってみたまえ。通勤電車の中で、すでに吐き気と下痢の発作に耐えられなくなってしまう。そんなに「朝御飯&朝御飯」と中年男子を責めたてないでいただきたい。
もっとも、じゃあ今井君が典型的中年男子なのかといえば、どうもその栄誉にはあずかれそうにない。ストレスもなければ、ノルマもプレゼンもない。いやはや、「気楽な稼業ときたもんだ」であって、こうして暢気に「シチリアに2週間♡」などという冒険に出たわけである。
(山盛りベーコン、チーズ&ソーセージ)
それでもやっぱり中年は朝食が苦手。諸君どうだい、「中年は朝食がニガテ」というタイトルで、芝居の台本でも書いてみないかね。「朝食は苦手だっちゅうねん」でもいい。「朝食は苦手だっ中年」で、中年の所に「ちゅーねん」とルビをふればOKだ。
朝食の場で巻き起こる、家族のケンカと和解。社員旅行の朝食で発生する仲間割れと和解。上司や同僚との朝食会議、同窓会の一泊旅行の朝食、出張先のホテルの朝食会場。男盛りな中年の悲哀と夢と希望を描くのに、朝食のテーブルは格好の舞台になり得るじゃないか。
さて、そんなクダランことを思いつつ、パレルモ初日の今井君はエレベーターでホテル最上階に上がった。「朝食こそ、館内で最も爽やかな場所で」。さすが自称5つ星ホテル、なかなか素晴らしい発想である。
しかし午前8時、まさに朝食のピーク時間帯なのに、他のお客は誰一人見当たらない。待ち受けていたホテルマン2名も「お、珍しいな、お客がきたぜ」というビックリ顔。ピカピカ磨き上げられた床が、かえって痛々しいほどのガラガラぶりである。
席に着いたのが8時、部屋に帰ったのが8時半。ごく短時間で済ませた朝食だったが、他のお客が現れる気配すら全く感じない。「あらら、もしかして、宿泊しているお客がほとんど存在しないのかも」と、何だかホテルの経営さえ心配になってくるアリサマだ。
(最上階、朝食レストランからのパレルモ風景。やっぱり相当ワイルドである)
思い出すのは、コモ湖畔「ヴィラ・デステ」の朝食レストランである。「ベランダ」という命名は若干ナゲヤリな感じであるが、さすが「ジョージ・クルーニーが自家用ジェットでやってくる」というウワサのある豪華ホテル。朝食ビュッフェのテーブルで、シャンパンがキリリと冷えていた。
あれはもう8年も前のことであるが、もしもシャンパンが冷えていたら、冷えたシャンパンにはチャンと挨拶しなきゃイカン。冷え冷えシャンパンを無視するのは、失礼というより「高慢ちき」というものである。
せっかく冷やしてくれたのに、何で無視すんの? 今井君は遠慮なくグラスに注いで、早速グビグビやりはじめた。まるまる1本、ほとんどワタクシ1人でカラッポにした頃、店の奥で新しく1本「シュポッ!!」と開ける音が鳴り響いたものである。
あの時の「ベランダ」は、ほぼ満席の大盛況。ボローニャでもストレーザでも、ロンドンでもマドリードでも、朝食の苦手なワタクシが頑張って出かけた朝食会場は、記憶するかぎりみんな大繁盛だったものである。
(7連泊するワタクシのお部屋。なかなか豪華である)
それなのに、今回のパレルモはホントにホントにガーラガラ。偶然だったのか、シチリアが流行っていないのか、朝食というものが不人気なのか、原因は全く分からないが、とにかく最初から最後までひたすら孤独。ベーコンにソーセージを貪っている自分が恥ずかしくなるぐらいだった。
「炭水化物は食べないの?」であるが、諸君、朝食に炭水化物なんか食べはじめたら、もうキリがないのである。ワタクシは、ソーセージやハムやベーコンをパンにはさんで食べるのが大好きなのだ。
そういう単純きわまる食事こそ「極楽&極楽」であって、パンにハム、お茶漬けに焼きタラコ、お茶漬けに塩の強めな焼き鮭、そんなものを与えられたら、食パン5枚、ゴハンなら茶碗に5杯でも6杯でもあっという間に食べ尽くす。
だから諸君、「朝食バイキング」などというものに出かけたら、そりゃもうたいへんなことになる。お茶漬けは「サクサク」なんてものじゃ済まない。はっきり「ジャブジャブ」な世界。「パンにハム」も、いつ果てるとも知れなくなってしまう。
とりあえず写真にはベーコンとチーズとソーセージだけ載せておいたが、これを全部フランスパンにはさんでワシワシやったのだ。シャンパンもビールもないから、グビグビやったのは炭酸水、イタリア語でガッサータないしフリザンテである。
(バスルーム風景。お風呂は豪華ジャグージ付きである)
そのワシワシぶりは、30分で大っきなパンが5個、お腹の奥にに消え去るほどの勢い。ただしこれにはいろいろ苦い思い出があって、こういう朝食の食べ過ぎは、パルマで1度、フェラーラで1度、ポンポン系の大ピンチにつながった。
パルマのピンチは大聖堂脇の土産物屋でしのぎ、フェラーラの危機はマクドナルドのトイレで何とかやり過ごした。しかし諸君、イタリアの男子トイレには、「ベンザ」というセーフティネットが存在しない。BIGなものを排出する時も、「立ち腰で」という準アクロバットを強いられる。
だから一番望ましいのは、そういうピンチに立ち至らないことである。朝食パンは5個まで。チーズはガマンして、パンにはさむのはハムとベーコンとソーセージに留めておくこと。お部屋に帰ったら、排出すべきBIG君はしっかり排出する努力に努めなければならない。
お部屋は、スーペリア・スイートにアップグレードされていた。お願いしたわけでもないのに、ベッドルームとリビングスペースがチャンと仕切られた広大な部屋であり、バスタブはジャグージつきの豪華な世界なのだった。
うにゃにゃ、たとえ朝食会場はガーラガラでも、やっぱり旅の今井君は豪華な扱いをしてもらえる。ならばこちらも普段以上に努力して、たっぷりシチリアの旅を楽しみたいじゃないか。
こういうふうで、初日からパンパンに張り切って、目いっぱいパレルモを満喫することにした。午後にはモンレアーレまで遠出するのだが、その詳細はまた明日の記事に詳述することにする。
E(Cd) Ashkenazy(p) Müller & Berlin:SCRIABIN SYMPHONIES 1/3
E(Cd) Ashkenazy(p) Müller & Berlin:SCRIABIN SYMPHONIES 2/3
E(Cd) Ashkenazy(p) Müller & Berlin:SCRIABIN SYMPHONIES 3/3
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