2014年05月01日(木)

Mon 140407 のど自慢・サザエさん・大河ドラマ ローマ2日目(ヨーロッパ40日の旅24)

テーマ:ブログ
 どんなことでも同じだけれども、「ずっと楽しみに待っていた」類いの事柄が一番楽しいのは、実はそれが始まる前である。実際に始まってしまえば、そこに待っているのは、やがてくる倦怠の予感であり、または早くも訪れた倦怠そのものである。
 ましてやそれが「折返点を過ぎた」「今日から後半戦だ」ということになれば、倦怠は悲哀に変わり、やがて悲哀は高まって絶望を予感させる。その絶望が余りに切ないものなので、感受性が強いヒトなどは、中間点を過ぎた段階で早くも「涙をこらえるのがやっと」というアリサマになりかねない。
 何も難しいことを言っているのではなくて、例えばゴールデンウィークだって同じことだ。一番嬉しいのは4月27日あたり。「さあ始まるぞ」であり「あれもやろうこれもやろう」であって、ダラしない人なら前夜祭と称してバカ騒ぎをやらかし、連休前半を2日酔いで台無しにしてしまったりする。
 ところが諸君、5月1日・2日ともなれば、国民全体を悲哀のコロモが覆いはじめる。3日☞4日☞5日と過ぎていけば、「また退屈な日常が始まっちゃう」と思っただけでフテくされ、余りの悲しさに「フテ寝さえできない」という状況に陥る。
コロッセオ1
(ローマ、コロッセオ 1)

 若き日の今井君は、代わり映えのしない日常が大キライ。その類いの感受性が人一倍強かったから、大型連休どころか、毎週日曜日の午後には無闇にフテくされた挙句、夕暮れになると泣きそうになった。「サザエさん」が始まる頃の悲しみが一番大きくて、だから「サザエさん」は絶対に見なかった。
 それが嵩じて、「NHKのど自慢」への嫌悪が生まれた。中学生の頃の日曜お昼、今井君んちの昼食は、インスタントラーメンにキャベツをタップリ入れたのが定番。キャベツと明星チャルメラの絡まりあった独特な味を思い出すと、今もなおあの頃のフテくされた気分が蘇る。
 何しろ田舎だから、日曜昼の楽しみは「のど自慢」ぐらいしかない。「見た」というより、「無理やり見させられた」というのが現実。「あんなに楽しみに待った日曜日が、あと半日しか残っていない」という悲哀と焦りのせいで、気のいいヒトビトが大活躍する国民的番組への嫌悪が生まれたのだと思う。
 大河ドラマの始まる時間帯には、さすがにもう覚悟ができている。考えてみれば「日曜夜8時」というのは、平日の夜8時と全く同じことであって、泣いても笑ってもあと4時間で次の日がやってくる。最終盤に入れば、悲しさよりも諦めが先に立つものである。
コロッセオ2
(ローマ、コロッセオ 2)

 夏休みだって同じじゃないか。一番楽しいのは7月15日から20日にかけて。学校の授業は半日で終わり、午後からは部活の大会だったり、野球の全校応援だったり、水泳大会や球技大会だったりする。
 「現実に夏休みに入ったら、あれもやろう&これもやろう」であって、計画表を作るだけで、もう全てをやり遂げたような高揚感に、何だか酔っぱらったみたいなアリサマになる。
 ところが、7月は夢のように過ぎて8月に入り、甲子園では高校野球が始まり、登校日を過ぎ、気がつくと甲子園は「ベスト16が出そろいました」などということになっている。その時ふと「ベスト16が決まれば、残りは5日じゃないか」と気づいて、慄然とするのである。
 一気に高まる悲哀と、絶望の予感。残り15日は「のど自慢」な感じ、残り10日が「サザエさん」な感じであって、大河ドラマにあたるのが8月25日。ここで「しゃあない」と諦めの声を上げてコブシで宙を打ち、ヒトはまたマトモな意識を取り戻すのだ。
フォロロマーノ
(フォロ・ロマーノ全景)

 だから一番いけないのは、「中間点を過ぎた」「後半戦に入った」という意識なのだ。「1年間を受験勉強にかけよう」と決意した浪人生や高3生にとって、最も危険なのは「夏期講習が終わった日」である。
 予備校の授業は夢のように楽しいから、4月・5月・夏期講習と、まるで海水浴の小学生みたいに、キャッキャ&キャッキャ大騒ぎしているうちに過ぎていく。金曜夜のまどろみ、土曜日の解放感、そういうものとソックリである。
 ところが諸君、秋になって「さあいよいよ後半戦だ」「折返点を過ぎたよ」ということになってみたまえ。ほとんどの受験生が現実に気づき、背中に冷たい風を感じ、顔は青ざめ、手はワナワナと震えはじめる。悲哀☞絶望の流れ、のど自慢☞サザエさんの流れと全く同じことであって、やがて訪れる大河ドラマ≒冬期直前講習を待つしかない。
 こういうことは、もっと大きなタイムスパンで考えてもほとんど変わらないので、大学生活とか、社会でのキャリアとか、長い人生そのものでも、「危険なのは折返点を過ぎたあたり」という意識はなくさないほうがいいんじゃなかろうか。日本人男性の平均寿命が80歳ぐらいで、男の厄年が42歳。ほら見ろ、そ辺が最も危険なのだ。
テヴェレ
(ローマ、テヴェレ河)

 というわけで、「40日の疑似放浪」を企画した今井君としても、一番楽しかったのは出発を控えた1月下旬の頃。実際に旅に出た後も、ベルリン☞ミュンヘン☞ウィーンは夢のように楽しく過ごしていたが、アルプスを越えてイタリア入りしてから、何となくツラくなってきた。
 「どんなに楽しいことでも、必ず終わりがくる」という悲哀が、岩盤の裂け目からジワジワと滲み出してきて、ヴェネツィアの今井君は不機嫌だったし、フィレンツェ☞ローマと旅程が進むと、滲み出してくる水滴が次第に大きく頻繁になってきた。
 「ジワジワ」から「チョロチョロ」へ。悲哀の泉から溢れ出した水はやがて小川を形成し、雪解け水が集まって下流に向かうように勢いよく流れはじめた。以前書いた通り、放浪は「終わりを設定しない」けれども、旅は「終わりの設定が不可欠」。今井君がやっているのはあくまで「疑似」の放浪だから、終わりの意識が高まってくるのは致し方ないことである。
 やがてイタリアから地中海岸を通ってフランス入りする頃には、旅の終わりの意識はいよいよ大きくなって、「のど自慢からサザエさんへ」「上流から中流へ」「もうハッキリ泣き出しそう」というレベルに達したのであった。
サンピエトロ内部
(サンピエトロ寺院で。このあたりでメガネが壊れた)

 3月2日のローマ散策は、そういう暗い気分で始まった。コロッセオからフォロロマーノ、テベレ河を渡ってサンピエトロ大聖堂への道はもうすっかりお馴染みだから、あんまり大きな感動とか感激もないし、思わぬ出会いや事件も発生しない。確認作業というか、義務的散策というか、まあそんなところであった。
 だからこそ、「予定にはなかったが、明日はナポリ日帰りを敢行」と決めた。「のど自慢」で悲しくなったときには、「これからでもいい、予定外のこともやって、残った時間を目いっぱい楽しもう!!」と、ガラリと気持ちを切り替えるのがいいのだ。
 その瞬間、マコトに些細だが事件が起こった。事件とは、諸君、余りのクダらなさに笑いこけてもらって構わない。サンピエトロ寺院の中で、メガネが壊れたのである。ネジが1本抜けてどこかに転がってしまい、片方のレンズを抑えることが出来なくなった。
 こりゃ困った。レンズが転がって割れちゃったりしたら、旅の後半はどうすればいいのだ? この程度の事件でも、気分が緩みはじめた旅のアクセント、旅の塩コショー、旅のタバスコ、旅のワサビに唐辛子、そういうものには十分になってくれるのである。

1E(Cd) Incognito:100°AND RISING
2E(Cd) Bobby Coldwell:AUGUST MOON
3E(Cd) Bobby Coldwell:CARRY ON
4E(Cd) Michael Davis:MIDNIGHT CROSSING
5E(Cd) Bobby Coldwell:COME RAIN OR COME SHINE
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