Mon 130415 帰国して10日 そろそろ仕事の準備だ いろんな誘いがかかり始めた | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Mon 130415 帰国して10日 そろそろ仕事の準備だ いろんな誘いがかかり始めた

 4月29日の夜10時半にアメリカから帰国し、早いものでもう10日も経過した。その後の大型連休のさなか、ブログには「帰国しました」とも「東京に帰ってきています」とも挨拶せずに、知らんぷりで「東海岸お花見旅」を書き続けていた。
 いろんなヒトから「リス君と桜の写真に癒されています」というメールをもらったりもしたが、やっぱり知らんぷりを続け、記事を書きながらアメリカの思い出に浸っていた。2週間あんまり楽しかったから、旅行記はどんどん長くなり、まだアメリカ到着5日目までしか書いていないのに、昨日でもう17回目になってしまった。
 このままだと「東海岸お花見旅」の記録は、6月どころか7月までかかってしまいそうだが、まあ諸君、許してくれたまえ。5年前に開始したときにもお断りした通り、今井君はこのブログを「予備校講師の身辺雑記」にするつもりはカケラもないのだし、「受験生のみんなぁー、最後まであきめちゃダメだぜぇ!!」みたいな激励ばかり書くつもりも、最初からサラサラないのである。
なでしこ1
(病気から回復したナデシコ。すっかり元気になった 1)

 しかしさすがにいつまでも知らんぷりを続けているわけにはいかなくて、そろそろ関係各所から、
①「そろそろ帰国なさいましたか」
②「もう東京に帰っているんですか?」
という質問や連絡が入るようになった。連休が明けて世の中が再び動き出すのは、マコトに悲しいことである。
 ①の「そろそろ帰国なさいましたか?」の後には、もちろん「ところでお仕事のお話でございますが…」と続くことになっている。そりゃそうだ、そろそろ新年度の授業収録を始めなきゃいけない。今井君の肩書きはあくまで「予備校講師」であって、「旅行家」でも「冒険家」でも「旅行記作家」でもない。
なでしこ2
(病気から回復したナデシコ。すっかり元気になった 2)

 「遠い将来、肩書きを変えちゃってもいいな」と思うこともある。「放浪サトイモ」なんてのもいいだろうし、「旅行記グマ」も悪くない。しかしそれは5~6年先でいいだろう。少なくとも5年前に「予備校講師としてブログを10年続ける」と宣言して始めた以上、そんなに単純に肩書きを変えちゃうんじゃ、「オマエ、浮かれすぎなんじゃネ?」のソシリを免れない。
 そこで、大いに張り切って「仕事=授業収録+公開授業」の準備を開始している。授業収録のためには、テキストを自分で作成しなくちゃいけないし、誰か他の人が作成したテキストを使うなら、自作テキストのときの5倍ぐらい丁寧に予習する必要がある。
にゃご1
(ニャゴロワ。ナデシコと同じ箱の争奪戦を繰り返す 1)

 以前から何度も書いている通り、今井君の予習とは「何を削り、何を省くか」の検討である。言いたいことや説明したいことを100%授業に詰め込んだら、授業の90分に到底入りきらないし、何よりも生徒が混乱する。削り+省き+整理することを、昔から「精選する」と言うが、予習とは要するに「精選」の努力である。
 6月から本格的に収録や講演会に入るなら、5月上旬から精選の努力を始めなければならない。お外はせっかく清々しい五月晴れなのに、クマどんは穴の中で精選作業に努め、里芋サト次郎としても、暗い地中でネットリ里芋に成長する努力に、地味に地味に励んでいる。
にゃご2
(ニャゴロワ。ナデシコと同じ箱の争奪戦を繰り返す 2)

 一方、②「もう東京にいるのかい?」の後ろには、「じゃ、飲みに行きませんか?」「飲みに行こうぜ」「飲もうよ&飲もうよ」という悪いお誘いが続く。今井君は仕事のお誘いももちろん大好きだが、「飲もうぜ」「飲みまひょ」「飲みませう」のお誘いはチョー大好き。これなしには、人生は人生の名に値しないのである。
岩牡蠣1
(お蕎麦屋で、旨い岩牡蠣に出会った 1)

 5月8日、久しぶりに穴蔵から這い出したクマ蔵は、「渋谷に旨い焼き肉屋があります」という情報に胸を躍らせ、夕暮れ迫る渋谷の集合場所に向かった。店の名前は言えないが、場所は道玄坂上。怪しいホテル群や脱法ハーブ店やワイルドなライブハウスが密集した、「ワイルドさでは日本で1番か2番」という裏町をつっきっていかなければならない。
 息を切らしながら道玄坂の険しい坂道を上がって、ほうほうの態で店にたどり着いてみると、ほほぉ、さすが「渋谷の旨い焼き肉屋」という情報に違わぬ、なかなかオシャレなお店。席はほとんどが個室で、近くの会社員と思われる7~8人ずつの集団が2組、早くも焼き肉パーティーを開始していた。
岩牡蠣2
(お蕎麦屋で、旨い岩牡蠣に出会った 2)

 焼き肉の場合、今井君はどこまでも「赤身派」。余計なアブラは大嫌いだし、アブラでデロデロしたお肉だと、どんな高級肉でもアタマが痛くなるタイプである。ケーハクが売り物の芸能人諸君が「アブラがアマ—い!!」みたいに絶叫する軟弱アブラ肉は、すべて敵と見なしている。
 だから初めての店では、お店のヒトに最初にその旨をしっかり告げる。
「赤身が好きでしてね」
「赤身肉こだわりがありましてね」
「スミマセンね、高級アブラ肉より、安い赤身が好きなんです」
「高級アブラ肉だと、50グラムでも無理。安い赤身の肉なら、500グラムいけます。実際にアルゼンチンのブエノスアイレスで、毎日500グラムずつ1週間も食べつづけました」
「焼き肉は、どうしてもタレで食べたいんです。『塩で食べた方が、肉そのものの味が引き立ちます』みたいな、メンドイことは言わないでください」
という意味のことを、出来るだけ角が立たないように伝えるわけである。
岩牡蠣3
(岩牡蠣の裏側はなかなかワイルドだ)

 ところが諸君、昨日の渋谷のお店のヒトは、以上のように懇切丁寧な「サトイモ取扱説明」をしたにも関わらず、そのほとんどを聞き流してしまった。運ばれてくるのは「アブラがアマーい」の類いばかり。中でも「ヒレ」が一番ダメで、こんなのヒレでも何でもない。白いサシが一面に入って、網の上で焼いているうちに、サシのところでお肉が裂けてしまうほどである。
 一切れ食べて、早速アタマがグワングワン痛くなってしまった今井君は、その一切れでもう
「さ、この店はすぐに出ちゃいましょう」
「早く別の店さ行くべ」
「早く勘定すましちゃうべ」
と、ワガママの言い放題になった。
 結局、せっかく予約までして入りこんだ個室で、今井君が口にしたお肉は4切れほど。そのくせカクテキは1鉢ぜんぶ1人で平らげ、いつもは飲まない「黒ウーロンハイ」を30分で3杯カラッポにして、とにかく胃の壁に付着した余計なアブラを流すことだけに専念した。「店の名前を書くわけにはいきません」とは、以上のような悪口しか書けないので、どうしても匿名にしておきたかったのである。
なすび
(お蕎麦屋で、〆。かけ蕎麦に可愛いナスビが入っていた)

 こうなると、「口直しに、もう1軒」は必須である。「口直し」ほど失敗の許されないシチュエーションはないから、ここで今井君が選択したのは三軒茶屋のお蕎麦屋である。大昔、某芸能人の行きつけの店として紹介されたことがあるが、三軒茶屋から茶沢通りの坂を下北沢方面に上がって、バス停「太子堂」のすぐ近くである。
 この店でサトイモ君は何故か「先生」と呼ばれている。自分が予備校講師であると正体を明かしたことは一度もないのだが、店主も店員さんたちも、いつもたいへん丁重に扱ってくれて
「先生に『そば湯割』を1丁!!」
「先生の『ノドグロ一夜干し』、上がったよ」
「岩牡蠣3つ、先生にお持ちしてくださーい」
という具合である。周囲のお客がみんなジロジロ注目するので、この「先生」の連発はホンの少し恥ずかしいけれども、とにかくアブラだらけの高級肉の口直しなら、このお蕎麦屋さんに座れば、まず間違いないのである。

1E(Cd) Bobby Coldwell:AUGUST MOON
2E(Cd) Joe Sample:SWING SWEET CAFE
3E(Cd) Joe Sample & Lalah Hathaway:THE SONG LIVES ON
13G(α) 塩野七生:ローマ人の物語29 終わりの始まり(上):新潮文庫
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