Fri 120720 済々黌vs鳴門の戦いに感激 古い古い校歌を熱唱 62年目の再会だ | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Fri 120720 済々黌vs鳴門の戦いに感激 古い古い校歌を熱唱 62年目の再会だ

 8月10日で、夏のお仕事はひとまず滞りなく全て終了した。ただし、忙しいオトナには「残務処理」というものも残っている。11日の午後は「領収書チェック」と「旅費精算」で費やした。
 何しろ6月から2ヶ月間、北海道から沖縄まで全国を飛び回ったり、合宿だったりスタジオ収録だったり、予習に追われたり祝勝会が相次いだり、毎日毎日がヘトヘトで、とても「交通費を精算しておかなきゃ」という几帳面な気持ちにはならなかった。
夏のおもいで1
(今日もまた「夏の思ひ出」 あやしいクマどん1)

 しかし諸君、こういう雑務をキチンとやるこそ社会人の模範であって、ひいては受験生の模範にもなる。細かいことを着々と積み上げられないようなヒトが、超ビッグマウスな態度をとってばかりいるのは、滑稽以外の何ものでもないのである。
 ビッグマウスって、カピバラさん? →それはBIG MOUSEでござるよ。今井君が言っているのはBIG MOUTHであって、巨大ネズミさんのことではございませぬ。なお、「大口をたたく」はtalk big。有名な映画「12 ANGRY MEN」の中で、12人のうちの1人が「Large mouth!!」と悪態をつく場面があるから、ぜひ見てみてくれたまえ。
夏のおもいで2
(今日もまた「夏の思ひ出」 あやしいクマどん2)

 そういう雑用も完了した12日~13日の2日間は、「お疲れさま」ということで、テレビざんまい&YouTubeざんまいの怠惰な日々を過ごすことに決めた。大忙しで駆け回っているうちにオリンピックは終わってしまったが、大好きな高校野球はまさに最高潮を迎えようとしている。
 13日朝、1時間半の長風呂で汗という汗を全部流し、テレビの前に「よっこらしょ」と座ると、熊本の済々黌高校と徳島の鳴門高校の対戦が始まった。こりゃ、どうしても観戦しなきゃなんねぇべ。今大会屈指の文武両道の両校の対戦である。
 講演会で8年間も全国を歩き回ると、いつの間にか日本中のいろんな高校にシンパシーを覚えるようになる。もちろんsympathyと言っても「同情」ではなくて「共感」「共鳴」であって、むしろ「愛情」に近いものである。
夏のおもいで3
(今日もまた「夏の思ひ出」 あやしいクマどん3)

 昔々バブル日本の全盛期、宮沢喜一という素敵なオジサマが、得意の英語でアメリカ人向けに演説したことがあった。その中の「日本の首相として、アメリカにシンパシーを感じる」の一言が、「同情」と受け取られ、アメリカマスコミの総スカンを食うハメになった。いやはや、彼ほどの英語達人でも、失敗することはあるでござるね。
 なお、「総スカン」とはモトモト「総・好かん」であって、みんなに「好かん」「好かん」と言われて孤立し、味方が誰もいなくなってしまうこと。東京コトバでは「好かん」とは言わないから、チョイと調べてみると、「大阪コトバ、京都コトバ、下関コトバ」と辞書には出ているようである。
 「あの先生、好かーん!!」という例文まで掲載されている。おやおや、「好かん」と言われる代表は、どうやら教師であるらしい。九州のヒトが「好かん」と口にするのも聞いたことがあるから、もともと「総好かん」は西日本の言葉遣いなのであるね。
久々のナデシコ1
(久々のナデシコ 1)

 さて、話がどこまでもそれていくのが、今井君の悪いクセである。こんなことを続けていると「好かん」「好かん」→「総スカン!!」という結果になりかねないから、早く本題に戻るべきである。ところで、本題って何だっけ?
 というわけで、話がそれ放題にそれまくっているうちに、本題を見失う。いつものクセであるが、もちろん「全国を歩き回っているうちに、いろいろな高校に『共感』『愛情』の意味のシンパシーを感じる」という話だったことぐらいはチャンと覚えている。
久々のニャゴロワ1
(久々のニャゴロワ 1)

 例えば、3日前には徳島にいた。すると「3日前に徳島にいた」「飛行機から鳴門大橋が見えた」「数年前、鳴門大橋から鳴門の渦潮を眺めた」、それだけのことで、鳴門高校を応援したくてたまらない。ましてやユニフォームの袖に鳴門の渦潮をあしらった校章を見れば、どうしたって「鳴門高校、頑張れよ!!」の一言が抑えきれない。
 しかし、熊本もまた余りにも馴染み深い。東進に移籍して以来、一番数多く講演に出かけた街は、おそらく熊本である。済々黌の生徒も多かった。熊本城にも出かけたし、熊本の市電にも乗った。熊本市内以外にも、玉名、宇土、八代、様々な街で講演会をした。
 熊本で済々黌の生徒に会うと、「済々黌が20年ほど前に甲子園に出たのを知ってるか?」「どれほど激しい大応援か、知ってるか?」と必ず尋ねることにしている。それほど前回に出場したときの印象が強い。迫力で、スタンドが地響きを立てるほどだ。
久々のナデシコ2
(久々のナデシコ 2)

 今井君は文武両道派だから、今日の対戦は嬉しかった。全国から野球エリートを集めてスイスイ勝ち上がるのも悪くないが、小倉、東筑、磐城、札幌南、高崎、前橋、静岡、そういう名門が活躍すると嬉しくてたまらない。今年は福井県予選で藤島が勝ち上がってきたのを聞いて、思わず小躍りしたものだ。
 こういうふうだから、鳴門vs済々黌という対戦となると、どっちを応援していいか迷いに迷うのである。ユニフォームを見ると、何から何まで早稲田ソックリの済々黌がいい。このままのユニフォームで1人ぐらい早大野球部に入り込んでも、誰も気づかないんじゃないか?
ポスター候補1
(今年のポスター候補だった写真より。こんなクマでも熱くなる)

 しかし、済々黌の応援には、早稲田のコンバットマーチもあるが、慶応タイプの応援も入る。「早稲田を倒せ早稲田を倒せ、早稲田をたおーせー」「勝つぞ、勝つぞ、ケイオー!!」の、「早稲田」を「鳴門」に代え、「ケイオー!!」が「セイセイコー!!」に変わるだけである。
 「勝つぞ、勝つぞ、セイセイコー!!」。その大合唱を聞くと、判官びいきの今井君は、済々黌の激しい大応援団を前に、どうしても劣勢に立ってしまう鳴門のほうを応援したくなるのである。
 済々黌には4万人の熱いOBOGがついている。おお、明治4年創立・第1回大会準優勝の我が秋田高校に、決してヒケをとらない熱さである。バンカラな大応援合戦の中、済々黌・大竹と鳴門・後藤田の、緊張感ある投げあいは見事だった。結果は済々黌の勝利になったが、ボクチンはまず鳴門の諸君の健闘を讃えたい。
ポスター候補2
(今年のポスターより。やっぱりこんなクマでも熱くなる)

 3塁側アルプススタンドをテッペンまで埋め尽くした応援団が、老いも若きも肩を組んで絶唱する済々黌校歌。正式には済々黌黌歌を聞きつつ、涙もろいクマ蔵はもう涙が止まらない。
  碧落仰げば偉なる哉 
 渦巻く煙幾百丈

  世界一てふ大火山
  我等の意気を示さずや

  銀杏城東龍山の
  翠を占むる済々黌

  滾々尽きぬ白川に
  宏壮偉大の影うつす

最後に「宏」の文字までくっついて、この馥郁たる明治のカホリは、我が秋田高校校歌(土井晩翠作詞)に勝るとも劣らない。
 済々黌の次の試合が楽しみである。相手は、超優勝候補・大阪桐蔭。地元だから、たいへんな応援合戦になるだろう。オッチョコチョイなクマ蔵どんは、思わず「こりゃ、甲子園に行くしかないかもな」と、ニヤニヤ自分の予定を確かめてみるほどである。
校歌を歌っていた頃
(秋田高校校歌を歌っていた頃。「天上遥かに太平山の 姿は気高し三千余尺 長江流れて六十位幾里 海にと馳せゆく雄物川波」である)

 最後に、見事な戦いぶりだった鳴門高校の栄誉を称えておきたい。だって諸君、鳴門高校の校歌となると♡ なんと「作曲者:不詳」なのである。こりゃスゴいや。どうしても聞いてみたいじゃないか。そこでYouTubeをいじっていたら、次から次へと輝かしい記録が現れて、クマ蔵のブログはどこまでも長くなる。
 1950年(32回大会)に出場。1回戦:明石高校に4-2。2回戦:新宮高校に10-9。準々決勝:米子東に8-7。ついに準決勝:済々黌に9-6で勝利。決勝まで進出したが、愛媛・松山東に8—12で敗れている。
 おやおや、このときの対戦相手は、まさに各県を代表する文武両道の名門ばかりだ。得点差だけみても、激闘と激戦が最初から最後まで続く。この迫力こそが、昭和の高度成長を支えたのであるね。
久々のニャゴロワ2
(久々のニャゴロワ 2)

  しかも諸君、準決勝に注目。「鳴門vs済々黌」、1950年以来、なんと今日の試合は62年ぶりの対戦だったのである。当時の高3生は、今や80歳。マゴたちの正々堂々の戦いを、九州でも四国でも、熱い涙を流しながら見つめたことであろう。
 ジーチャンたちもバーチャンたちも、勝ったほうも負けたほうも、みんなアカペラで、懐かしい校歌を熱く熱く歌い上げたことだろう。マコトに恥ずかしいことだが、こういうことを思いながら、今井君自身熱い涙が込み上げて、目の前のMac君画面が滲んで見えないアリサマである。
 鳴門高校は、1980年(62回大会)にも出場。群馬・前橋工に4-3で勝利したが、3回戦で横浜高校に0-1で敗れた。この時の横浜には、愛甲猛投手がいて、優勝。ということは、1年生エース荒木大輔を擁して、早稲田実業が準優勝した年でもあったのだ。

1E(Cd) Max Roach:DRUMS UNLIMITED
2E(Cd) Tommy Flanagan Trio:SEA CHANGES
3E(Cd) Art Blakey:NIGHT IN TUNISIA
4E(Cd) Walt Dickerson Trio:SERENDIPITY
7E(Cn) ファビオ・ルイジ:PMFオーケストラ東京公演:サントリーホール
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