Sat 100313 つくば竹園での講演会 つかんだら離すな 大逆転で勝利 爽快な疾走感 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Sat 100313 つくば竹園での講演会 つかんだら離すな 大逆転で勝利 爽快な疾走感

 3月13日、こんなつらい状況で(すみません、昨日の続きです)講演会場に入った。「つくばカピオホール」、クラシックやジャズのコンサートなどもたくさん行われる大きなコンサートホールで、1時間前に下見したところでは、満員なら300名収容。事前にもらったレポートによれば「出席予定者255名、動員人数が多くなっています」とある。事前申し込みが255名もいて、この時期には当日の駆け込み参加も多いから、まず「ほぼ満員」は確実。「ガラガラ」で恥をかくようなことはなさそうである。
 控え室で1時間ほど、著書や色紙にたくさんサインしながら開始時刻を待った。コンサートホールだから、控え室はたいへん立派な楽屋である。昨年3月にも同じ校舎の主催で、高校入試の発表を待つばかりの中3生とそのご両親を対象にした講演会を行い、約700名のたいへんな人数の出席で大盛況になったことを記憶しているし、あの日のブログで写真を確認すると(Mon 090309参照)、間違いなく恐るべき人数である。
 19時開始、20時半終了、出席者115名。は♨? 事前のレポートと全然違うのでは? 255名の予定で115名ということは、出席率は0.45倍。予定の4割ちょっとということである。うにゃにゃ。300名収容の大ホールに115名では、登壇した今井カニ蔵が思わず濃厚な目を見開き、海老蔵に負けないほどの見栄をきりそうになるほどの「超ガラガラ」状態である。「さあ、今井先生の登場です。大きな拍手でお迎えください」と司会者が絶叫してみせても、恥ずかしそうな拍手が遠慮がちにパラパラ起こるだけ。講師の今井君も、会場の前列に固まった疎らな聴衆も、下を向いて苦笑するしかないのだった。
竹園1
(竹園講演会。驚きと苦笑の中で、ちょっと重苦しく始まった。写真をお願いしたスタッフも、会場後方を写真に入れる勇気がなかったようである)

 こういう大失敗は、4~5年前は1年に1回ぐらいの割合であったが、このごろは2年に1回ぐらいにまで抑えられている。普通は、事前レポートより増えるのだ。この間の神戸が典型的であったが、400名のはずが560名の出席で「全員会場に収容できるのか?」という「嬉しい悲鳴」が一般的。事前レポートの報告に比較して1.2倍~1.5倍ぐらいになるのが通常の姿である。昔よくあった「予定の0.8倍ぐらいくれば御の字」という意地けた考えは、この2~3年すっかり消滅したものと思っていた。
 大失敗は油断のせいで起こる。地元の高校の「体育祭と重なった」「文化祭の日だった」「高校生全員が英検の受験日だった」「期末テストの前の日だった」とか、油断が激しいものになると「中3生対象にしたのに、翌日が県立高校入試だった」などというバカなことも、可能性はゼロではない。
 最低でも1ヶ月まえ、出来れば2ヶ月以上前にそういうスケジュールをチャンと綿密に調査して、出席予定者全員にキチンとした申込書を提出させるようにしないと、どこに突発事故が発生するか、一切の予断を許さないのである。「どうせ集まるんじゃん」というドンブリ勘定はフィアスコ(fiasco)の元になる。2009年には「新型インフルエンザが大流行して臨時休校の真っ最中だった」などという不可抗力も働くことがあったが、幸い今井どんはこの3年ほど「予定の1.2倍以上」が連続していて、「ありゃりゃ、ガラガラだ」という事態はホントに久しぶりだった。
竹園2
(15分後のクマどん。すでにノリノリの状態である)

 しかし、この3年でカニ蔵くんは著しい成長を遂げた。たとえ今の代ゼミの春期講習並みにガラガラでも、逆にガラガラを話題あるいはツカミにして、受講生諸君をグッとこちらに引きつけて「もう絶対に離さない」根性とワザとを、自家薬籠中のものとしたのである。
 電通「鬼十則」の中に「つかんだら離すな、殺されても離すな」という恐るべき一則がある。ガラガラとか言っても、「300名も入る大ホールに1/3ちょっとしか入っていないから」「予定の45%だから」、それでガラガラに見えるだけのことであって、実数はあくまで115名なのである。せっかく115名ものヒトに集まってもらって、そこでガッカリして意地けた講演になってしまったら、講師として2流3流である。ここは電通「鬼十則」を厳守。せっかくの115名を完全に味方につけてしまうべく、苦笑を最高のツカミに、ツカミから一気にボルテージをあげて、わずか15分後にはほぼ全員を大ファンにした。
竹園3
(つかんだら、もう絶対に離さない。恐ろしいウワバミの逆襲)

 しかも幸いなことに、この日の115名には父母の姿が圧倒的に多かった。父母の世代は、今井カニ蔵くんと同世代であって、いつでもあっという間に今井の味方になってくれるし、今井としても味方につける絶対の自信がある。おお。おお。この日の90分は、今井の東進移籍以来、おそらく最高にボルテージの上がった迫力満点の講演会になった。
 話していた今井くん自身、明らかに「これまでで最高」と断言できる仕上がりだったし、パパたちもママたちも、大きな会場がゆらゆらぐらぐら揺れ出すほどの爆笑の連続で答えてくれた。というか、笑いすぎて涙を拭うのに懸命なヒト、思わず夫婦で肩をたたきあう姿、笑い転げることができないので身体を激しく揺すってごまかしているパパ、要するに「何でこんなに楽しいの?」と115人+1名(カニ蔵)が不思議になるような90分であった。
 こういう場合、話している側や演じている人間の感覚を最も適切に表現すれば「爽快な疾走感がある」ということになる。90分を終わって、90分前の遠慮がちな拍手とは別次元の止まらない大喝采を背中に退場した時、疾走感は最大に達して、爽快この上ない大きな息をついた。
竹園4
(疾走する今井くん)