僕らの八百屋チョンガンネ―野菜や楽しさ、売ってます。/イ ヨンソク
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韓国で裸一貫から八百屋を立ち上げ、いまや十数店舗のチェーンを広げた、若き億万長者の話。これ、はっきり言って、「読書のすすめ 」の韓国バージョンって感じ。そっくりです、商売のやり方が。途中で笑いがこみ上げて来てしょうがなかった。「生き方とか商売のコツ」がたっぷり入ってま

「好きなことには命をかけろ」

『ヨンソクがトラック行商をしていた頃、銀馬マンションの塀の下には、たくさんの露天商が陣取っていた。ずらりと並んだ露天商のいちばん端にトラックを停めて場所を確保したとき、初めの数日間は誰も彼のことなど相手にしなかった。しがない放浪者くらいにしか思っていなかったからだ。しかし、彼のトラックにだけ客が集まるようになると、4日目には露天商のなかでも体格が良く腕っぷしが強そうな男三人、ヨンソクの元へやって来た。

 

彼らは、手当たり次第にトラックに積まれた野菜だの果物だのを地面に投げつけはじめた。ヨンソクは、込み上げる怒りを抑え、だまって耐えた。翌日、それでも同じ場所に現れたヨンソクを見るや、男たちはとうとう、野菜や果物ではなく彼自身を殴りはじめた。


彼は、抵抗しなかった。殴られるままになっていた。その次の日も、そのまた次の日も、ヨンソクは、銀馬マンションの塀の下、露天商たちのいる場所へと向うのだった。

 

露天商たちは、若いくせにしぶといやつだと舌を巻いた。こうして何日間か耐え抜いた結果、もう誰も嫌がらせはしなくなった。』

しかし、それで終わったわけではなかった。

『彼らは、自分たちの手で解決できないとなると、区役所の取締り係に通報した。

ヨンソクははめられ、市役所に商品を没収されてしまう。しかし、彼はこれをお金を支払い市役所から取り戻し、再度銀馬マンションの塀の下で商売をする。

再び没収、また舞い戻る。もう一度没収、また舞い戻る。この繰り返しで区役所を降参させる。』

この執念がすごい。

しかし、ヨンソク一番恐れていることは、こういった外敵ではなく

「自分自身に負けてしまうことだった。」そして「心底惚れこんだ仕事だからこそ、勇気と度胸をもって命知らずの行動に出られたのだ」



これぐらいの気迫がなければ独立しても、成功はおぼつかないような気がします。


自己反省しきりの本でした(笑)






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