こんにちは。血液内科スタッフKです。

今回から2回にわたり、内科認定医試験の予想問題をお送りしようと思っております。よろしくお願いいたします。

さて、第1回目のテーマは「血液領域の新薬」についてです。

内科学会ホームページに認定医試験の出題基準と範囲は明記されておりますが、正直メチャクチャ範囲広いですよね(これだけ出来れば血液専門医になれそう…)。正直範囲が広すぎて予想は難しいのですが、出題する側からすると出しやすそうなのが新薬の話題です。もちろん出題範囲にも含まれています。

血液領域は新しい分子標的薬が次々に発売されていますが、2010年以降に限定して、新しく日本でも処方可能になった薬剤をざっとご紹介したいと思います!

★慢性骨髄性白血病(CML)、Ph陽性急性リンパ性白血病(PhALL)
2012年に第二世代のチロシンキナーゼ阻害剤(TKI)であるニロチニブ、2015年に第三世代のボスチニブが発売になりました(注)。

★骨髄増殖性腫瘍(MPN)
JAK2チロシンキナーゼ阻害薬であるルキソリチニブが2014年に発売されました。

★慢性リンパ性白血病(CLL)
2013年に抗CD20抗体であるオファツムマブが、2014年には抗CD52抗体のアレムツズマブが発売されました。

★成人T細胞性白血病/リンパ腫(ATLL)、末梢性T細胞性リンパ腫(PTCL)
抗CCR4抗体であるモガムリズマブがATLLに対して2012年に発売されました。さらに2014年にCCR4陽性のPTCLに適応追加されました。これは日本発の薬剤なので、注目かもしれません!

★ホジキンリンパ腫、未分化大細胞リンパ腫(ALCL)
抗CD30抗体にモノメチルアウリスタチンE(微小管阻害剤)を結合させた、ブレンツキシマブ ベドチンが2014年に発売されました。

★発作性夜間血色素尿症(PNH)、atypical HUS (aHUS)
抗C5(補体)抗体のエクリズマブがPNHに対し2010年に発売されました。2013年にはatypical HUSに適応追加されました。

以上です。たった5年間でもこれだけの新薬が出ていたのかと驚かされました。飯塚病院でも上記の薬はほぼ全てお世話になっていますね。そう考えると、この5年でも血液医療はずいぶん変わったんだなぁと感じました。一つくらい出題…されないですかね?

試験まであと少しですが、追い込み頑張ってください!

注) ダサチニブという第二世代TKIもありますが、2009年発売のため除外しました。