こんにちは。血液内科スタッフKです。

突然ですけど、タブレット型コンピューターの普及ってすごいですよね。私はあんまり機械は得意じゃないので使っていませんけど(新品のiPadが箱の中で眠ってます(笑))、使いこなしている人を見ると「おおっ!」と思います。

iPadもいいですけど、iPatientって便利ですよね。私、毎日使ってます。「これがないと仕事にならない!」って感じです。皆さんどうですか?今回はみんな大好きiPatientの文献をご紹介したいと思います。

Culture Shock — Patient as Icon, Icon as Patient
Abraham Verghese, M.D. N engl J med 359;26

…何かもったいぶってすみません。iPatientというのはこのコラムで触れられている、電子カルテ上に存在するアイコンとしてのバーチャルな患者さんのことです。

今は比較的大きな病院では昔のような紙カルテはなくなり、電子カルテが主流となってきています。飯塚病院も電子カルテが導入されています。

紙カルテのころは、オーダーを出そうと思ったら、まずその病棟に行って(大きな病院だと歩いていくだけで大変!)、伝票を書いて、指示簿に記入して、看護師さんに伝えて…と、薬や検査ひとつを出すにしても多大な労力が必要でした。検査データを見るにしても病棟まで行ってカルテやフィルムを手に取って見ないといけませんでした。

昔はレントゲンのフィルムを取りに行くのが研修医の仕事でしたね~。テクテク歩いて行ったのにフィルムが出来てなかった時や、カルテフィルムが他科受診で病棟になかった時の絶望感って半端なかったですよね~(アラフォー以上の医師は分かってくれるはず(笑)!)。

今は全部クリック一つです。世の中変わったなぁと感じますが、医療は何が変わったんでしょうか。日がな一日パソコンの前に座ってオーダーばかり入れていると「何だかなぁ」という気持ちになります。気が付いたら外来で画面ばかり見て患者さんの顔を見てなかったり・・・。医療の質は間違いなく向上していると思うのですが、何か失ったものも大きいなと感じる今日この頃です。

結局「道具は使っても使われるな」的な、当たり前の結論になってしまうのですが(何かオチがあると思ってここまで読んでいただいた方には大変申し訳ありません)、iPatientを便利に使いつつ、やっぱりリアルの患者さんをきちんと診ていかないといけないですね。以前お世話になった先生が「白血病やリンパ腫がベッドに寝ているわけじゃない」とよく仰っていたのを思い出しました。

半分グチみたいになってしまいましたが、面白いコラムなので興味があったら読んでみてください。