医学ニュースの深層 -42ページ目

新型インフル、死者8768人に ハイペースの増加

 【ジュネーブ共同】

 世界保健機関(WHO)が4日発表した11月29日現在の新型インフルエンザの感染状況まとめによると、世界全体の死者は前週比942人増の少なくとも8768人となった。2週連続で千人前後のハイペースの増加が続いた。

 増加した死者の大半は米州地域で518人。次いで欧州の268人で、日本が属する西太平洋地域は62人の増加だった。


コメント:


 11月8日の段階で「12月末あたりで、死亡者は1万人を超えそうな勢いだな」と書いた。想定内だが、若干、前倒しになるかもしれないな(12月中旬)。

 最終的に、この「第1波」で世界規模ならば2万人前後に達するくらいになるだろう。ただ、そのうちの30%程度は、医療体制がしっかりしていれば、助けられていたかもしれないと、後年、指摘されそうだけど・・・。


 さて、日本の場合、この年末から年明けで、一気に3桁に達しないように願いたいが、すでに、新型インフルワクチン接種後の死亡者も併せれば、「新型インフル関連の犠牲者」は3桁を超過している・・・。

 しかも、新型インフルワクチン接種後の死亡者の増加ペースの方が、新型インフル死亡者の増加ペースよりも速いのが、日本の特徴である。

 こんな情況は、薬害認定されてもおかしくないと思うのだが・・・。

接種後の死亡、計53人に 新型インフルワクチン

 厚生労働省は4日、3日までに新型インフルエンザの国産ワクチン接種後の死亡者が新たに22人報告され、計53人になったと発表した。いずれも重い基礎疾患(持病)があり、接種と死亡に明確な関連がある人はいないという。

 同省は引き続き専門家の意見を聞き、関連について詳しく評価する。

 同省によると、これまでに国内で接種を受けた人は最大で約602万人(推定)。接種との関連の有無にかかわらず1337人の副作用報告があり、このうち重い症状として報告されたのは死亡の53人を含む154人。(共同)



コメント:


 前から書いているように、基礎疾患のある高齢の患者さんが服用されている、複数の医薬品と新型ワクチンとの「相互作用」の可能性があるので、さっさと、まずは、細胞レベル、動物実験レベルで確認して、データを公表してくれ。


 今でさえ、すでに、新型インフルワクチン接種後死亡率は、約 0.0009%と、増加傾向にあり、新型インフルエンザでの死亡率である約 0.0007%(最新の厚生労働省公表データ)を超えてしまっているではないか。。。


 私は、前から「高齢者・基礎疾患あり」の新型インフルワクチンは、中断しろといっているが、政府は、どうしても、そういう判断を避けたいようですな・・・。


 いや、ここまで、変な国になるとわね。。。

サッカーW杯の組み合わせ・・・

日本のグループはと・・・


 ランダ
 メルーン
 マーク
JAPAN


・・・


まあ、世界を驚かせてくれ、岡田Japan・・・。


何が起こるかわからないゾ。


そもそも、ちゃんと開催されるか否かすら、わからないケド。

インフル患者3週連続の増加 大半が新型、減少の自治体も

国立感染症研究所は4日、11月29日までの1週間に新たに医療機関を受診したインフルエンザ患者は推計約189万人で、3週連続で増加したと発表した。7月上旬(6日)以降の累計は約1264万人。患者の大半は新型とみられる。

 感染研によると、この1週間に全国約5千の定点医療機関から報告された患者は19万801人、1機関当たり39・63人。全国的には前週(18万6117人、38・89人)より増加したが、減少した自治体も19都道府県あった。

 都道府県別で報告数が最も多いのは福井で1機関当たり95・44人。次いで大分(75・22人)、宮崎(69・08人)、山口(63・59人)、福岡(63・35人)、鹿児島(61・95人)、長崎(59・14人)、石川(59・06人)、香川(54・87人)、愛媛(52・87人)の順。(共同)


コメント:


 私の提供する情報は、「国の研究所」あるいは「最も速いMedia」よりも1日速いでしょ(笑)。


 で、こういう情況ですから、今後の方向性は3日の記事に書いたとおりです。

対策などは、更に過去記事をどうぞ。


・・・午前中は、特許の打ち合わせだったため、今、遅い、昼ごはん中。



米政府、ES細胞研究助成を解禁

 米国立衛生研究所(NIH)は2日、さまざまな組織や臓器に成長する胚(はい)性幹細胞(ES細胞)13株について、連邦政府予算を使って研究することを認可した。

前政権下で停滞していた米国のES細胞研究が再始動する。

ES細胞はパーキンソン病などの難病の治療や研究に役立つと期待されるが、受精卵を壊して作るため、キリスト教保守派が反発。

ブッシュ前政権の8年間は、ES細胞研究への助成が禁止され、連邦予算による研究が扱えるのはすでに作製されていた21株に限定されていた。

オバマ大統領が3月に方針を転換、助成を解禁した。

新たに認可されたのはボストン子供病院の11株と、ロックフェラー大の2株で、不妊治療クリニックで余った受精卵から作られた。このほか96株が申請されており、近く20株が認可される。
(読売新聞)



コメント:


 ボストン子供病院の11株・・・ここはハーバード大学医学部の教育病院。

世界最高の小児病院であり、最近は、iPS細胞研究の世界的な拠点でもある。

 当然、ES細胞とiPS細胞の研究が加速する。


 一方、日本は、ヒトES細胞使用の規制緩和をするといいながら、まだまだで、しかも、研究費まで削減だ。

 日本でのiPS細胞研究は、相対的には「まだ庇護」されているといった状態。


日本では「Winner takes all.」の本質が理解されていないようだな。科学者ですら。

特許戦略の面で、米国の恐ろしさを来年、味わうことになるだろう!

日本が、今の制度のままならば。


腐った日本を買い叩く!買い叩く!買い叩く!

・・・本当に、こうされるぞ・・・。


ということで、新型インフルネタを書いている場合でもないのだが。。。

でも、あんた方、そのネタが好きなのよね・・・。


たばこ税増税「やむを得ない」 官房長官

 平野博文官房長官は3日午前の記者会見で、2010年度税制改正の焦点の一つであるたばこ税の税率引き上げについて「議論の土俵として出てくるのは当然だ。個人的にはやむを得ないと思う」と述べ、増税に前向きな考えを示した。

 たばこ税を巡る議論に関しては「(課税の)趣旨が生産者や産業への対策で、健康問題が抱き合わされた議論になっている。トータルに考えているのだろう」と述べた。鳩山由紀夫首相もたばこ税の引き上げに理解を示している。(日経)



コメント:


 まあ、1本につき2から3円くらいの「税金」があがるのだろう。


 まあ、たばこ1箱の「値段」だと、どうなんだろう、ざっと、60から70円くらいは、上げそうだな。このくらいの中途半端さなら、あんまり、何の効果もないけどな。

 まあ、少々、財務官僚達が喜ぶだけのことだ。


 昨日の記事の厚生労働省のがん対策推進協議会からの提案だと、たばこ1箱1000円にということだった。しかし、いきなり、そこまでいかずとも、とりあえず1本につき少なくとも10円くらいの「税金」上げにしたかったようだけど・・・その場合、1箱 500円超になるけどな。


 いずれにせよ、上げたものは、きっちり全て、国民(患者さん)に還元してください。

なんのために上げるか、上げた分が、どこにいくのか、えらーーーーい人々の懐にのみ入るのか否かを、しっかり見せてくださいませ。

たばこ1箱1000円程度に がん対策協が提言

 がん患者や専門家らでつくる厚生労働省のがん対策推進協議会(垣添忠生会長)は2日、都内で開かれた会合で、がん対策として喫煙率を減少させるため、たばこ価格を一箱千円程度に引き上げるよう求める緊急提言を長妻昭厚労相に手渡した。

 緊急提言では、価格引き上げに伴って増える税収入を、がんや生活習慣病などの予防対策に活用するよう合わせて求めた。

 また、同協議会の患者関係委員有志らも同日、たばこ税の引き上げを要望した。

 たばこ税をめぐっては、11日の税制改正大綱決定に向け、政府税制調査会で詰めの議論が行われている。〔共同〕 


コメント:


この提言は、「日本医事新報」という医師が読む、長い歴史のある週刊誌の「巻頭言」で、確か、2年ほど前に、私が行った提言だけどな・・・。ちゃんと引用してよ、会長(笑)。


 まあ、1箱1000円とは書かなかったけど・・・経済学的に、意味が無いので。

まあ、たばこ代をあげても、500円が上限だろう。(簡単に書いてるけど、ちゃんと計量経済の専門家と分析したんだよ)。


 まあ、それでも「手遅れ」になる患者さんらのためのクスリを創るために、タバコ関連の癌で強く発現する分子を見つけたのも、われわれのチームだけどな。


 その分子を減らせるような物質を見つければいいわけだが、いい候補物質を見つけて、それの開発をしてるよ。

都道府県別の新型インフル動向

 11月最終週までデータを見てたら、都道府県別では、北海道、東北では、北海道が4週連続で減少した。秋田県は3週連続で、岩手県は2週連続でそれぞれ減少した。ただし、山形県の増加が顕著で、青森県、宮城県、福島県も増加している。


 関東では、東京都は3週連続で減少しているが、茨城県で減少に転じた。ただし、特に群馬県、埼玉県が、栃木県、千葉県が増加中。


北陸、中部では、愛知県と新潟県で減少したほかは、すべての自治体で増加した。


 関西では、いったん減少した滋賀県は再び増加した。大阪府、兵庫県では、それぞれ3週連続で減少した。一方で、京都府、奈良県、和歌山県では2週連続で増加した。


 中国、四国、九州では、すべての自治体で増加している。


・・・と、まあ、こんな具合で、だいたい、私の事前予想(全国規模での動向)は、当たっているか・・・。全国的に1巡する時期は、やはり、少々ずれ込みそうだな・・・。


 でも、それまで、季節インフルは寝ていてほしいし、ベトナムで死者が出はじめたH5N1(高病原性の鳥インフル)も、すっこんでいてほしいけどな・・・(希望)。

 こんな具合なので、もう、(第1波の)新型ワクチンなんて、一体、なんの役に立つのでしょうね?ましてや、輸入ものなんて、いりませんよ。いっつも書いてるように。

新規の抗インフルエンザ薬・・・優先審査へ

 厚生労働省の薬事・食品衛生審議会部会は30日、

点滴する注射薬の抗インフルエンザ薬「ペラミビル」(塩野義製薬、本社・大阪市)について、

審査から承認までの期間を短くできる「優先審査」の対象にすることを決めた。

 現在の抗インフル薬は、飲み薬のタミフルと、口から吸い込むタイプのリレンザしかない。

せきがひどいなど、薬が口から飲めないような患者の治療に役立つとして、期待されている。

10月に承認申請されたが、同省は新型インフルエンザの拡大を受けて、審査を急ぐ方針だ。 (朝日新聞)



コメント:


 私が、ここでも、口やかましく早期の限定承認をと、言ってるクスリの1つが優先審査対象になった。ようやくだな。


 ただし、優先審査(=アメリカでいう、ファストトラック入り)対象になったからといって、臨床使用まで、半年から1年は、かかるのが、この国の「クオリテ」。



 だから、リスク・ベネフィットの秤をかけて、前から、まずは「限定的(暫定的)使用」という形で、進めろといっているわけです。それなら、かなり前倒しできるから。

 ましてや、今回、海外データ(患者)も利用可能なのだから余計に・・・。


 医学研究といっても、日本の大多数をしめる基礎研究しかやらない人々は、いい意味でも悪い意味でも慎重すぎてこういう発想はしない。日本では、本気で(ある意味、覚悟を決めて)臨床で使うことを念頭に「基礎ー臨床研究」をし、実績をあげている人間が欧米に比べて少ないのですよ、残念ながら。(おまけに、少々、能力とやる気があっても、つぶされる・・・この段階まで来たら、かなりお金がかかるのに資金面での援助も少ないし。ましてや「仕分け」の××が・・・)


 私は今まで、その種のことを2つ、国際的に実施して、「運良く」成功している。

医療事故も起こさずに(こう見えても(見えないか)、チキン・小心者なので、ちゃんと1例・1例、慎重にやってます)・・・。


 まあ、ハーバード大学では、そういうところを評価して(というか、「嗅覚」が鋭いというのか・・・)、ヒトiPS細胞研究関連で、いろいろ自由に、やらしてくれているわけですわ。なお、戦略的に、日米5分5分で「利益」を享受できるようにしていますから、その面でも、ご心配なく♪

殺人政策シリーズ 3:漢方薬の保険適用継続問題

 政府の行政刷新会議の事業仕分けで「公的医療保険の適用対象外にする」と評価された漢方薬など市販品類似薬について、漢方薬の使用患者や医師らが1日、厚生労働省を訪れ、保険適用の継続を求める要望書と約27万人分の署名を提出した。

 長妻昭厚労相は同日の記者会見で「漢方薬は医師が処方しており、いきなり保険から外すのは疑問。署名や要望を見て判断したい」と述べた。

 署名を取りまとめた日本東洋医学会の寺沢捷年会長は「漢方の使用で患者が早く回復し入院期間の短縮につながるなど、医療費節減でもメリットが高い」と訴えた。

 足の血流障害で4年間漢方薬の服用を続けている金子亨さん(76)は「保険外になったら月2千円の自己負担が10倍になってしまう」と不安を口にした。(共同)



コメント:


 この「殺人政策シリーズ」って、あんまり書きたくないけれど、これだけネタが、しかも、緊急性の高いネタが出てくるとね・・・。


 漢方薬は、西洋医学に基づく「医薬品」や「医療技術」に比べれば、エビデンス(証拠)能力の強度は、相対的には、低い。上記の会長さんは、その意味では「少々、言いすぎ」の感がある。

 しかし、ある程度の評価試験のもとで、緩やかな治療効果と安全性を示すから、承認されている。今後、更なる厳密な検証のうえで、保険適用の適否をあらためて考えるというなら、まともな漢方と似非漢方を明確に区別する点で反対はしない。が、それすら、しないで、漢方薬のみをすぐに標的にするのは大いに問題である。

 厚労相が言うべきことは、上記のようなことではなく、「人命に関わることなので、今後、お金・時間をかけて、厳格な検証をしたうえで、適時、判断することとしたい。」ということだ。


 緊急性から、言えば、前に書いたように、海外承認・日本未承認の「抗がん剤」承認のための予算を600億円、切ったことだろう。


 ここまで露骨に、根拠なく、人命を切ることを宣言するとは・・・。


 今回の一連の仕分けの最大の問題は、「切るための」根拠あるいは「増額するための」根拠が、仕分けする側、される側、双方とも、脆弱であることだ。

 まあ、前者の方が、問題になる点が多いけど。。。