韓国弟子訓練の旅2016・その22(週報のコラムから) | いこいのみぎわ

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牧師であり家庭教師である摩周遍里の、ときにまじめに聖書的、ときに脱線して、飼い犬のユテコくんも笑い出す、つれづれブログです。

5月16日から20日まで、韓国ソウルで行われた「第五回主の弟子訓練コンベンション」に参加するため、私たち夫婦は韓国に行ってきました。啓と加奈の共同執筆で、その旅行記を書かせていただいています。

4日目、堤岩里教会と独立記念館を見学しました。前回は、堤岩里教会のすぐ隣にある三一運動殉国記念館に、若き日の尾山令仁先生の写真が飾られていたところまでお話ししました。記念館見学のあと、堤岩里教会の先代の牧師先生のお話しも教会堂で伺うことができました。私たち日本人を温かく受けとめて、お時間をくださった牧師先生に心から感謝します。

 


 

そして次に向かったのが独立記念館です。バスを降りて記念館に向かう道が実に長い……この日は5月とはいえ25度を超える夏日で、水分を補給しながらでないとキツい距離でした。案内してくださった、ソウル日本人教会牧師の吉田耕三先生いわく「この距離、このキツさが、韓国独立までの長い道のりをあらわしているのです」……このおことばは重かった……。
 


 

全部で6館からなるこの記念館の1館目は、中に入ると石器時代からの遺物がまず並んでいて、韓国の歴史を勉強するよいチャンス、と思って進んで行ったのですが……2館目に入ると、日本では決して見られないジオラマがあったのです。机を隔てて、日本と韓国の代表が向かい合い、日本側には護衛の兵、そして奥に伊藤博文が座っています。これは、日露戦争終結のポーツマス条約によって韓国への優越権をロシアから手に入れたことを受けて、日本が韓国の外交権を奪い取る条約を締結させる場面のジオラマです。さらにその奥には、日本軍の「慰安所」の再現模型があり、さらに三一独立運動で活動した者を拷問するジオラマもありました。4館目には、先に行った堤岩里教会の焼打ち事件の焼け跡の模型もありました。

ここまで人間は残酷になれるのか……しかも、私たち日本人の先祖がやったことで……言いようのない、深い心のうめきを覚えました。

最近、クリスチャンの中にさえ、こうした日本が行ってきた蛮行を「そんなのはでっちあげだ、そうした蛮行を信じることは韓国・中国の陰謀にまんまと乗せられていることだ」と言ってはばからない方がいます。心が痛みます。どんなに国際法的に合法であったとしても、道路などを整備して韓国の近代化を日本が推進したとしても、被害を受けた人々の心には深い傷が残っています。「もし兄弟に恨まれていることをそこで思い出したなら、……出て行って、まずあなたの兄弟と仲直りをしなさい。」(マタイ5:23,24)日本人はその傷の深さをもっと重く受けとめなければならないでしょう。

そして、こうした蛮行をしてきた日本を赦し、キリストの愛によって、日本に宣教しようとやってこられる韓国のクリスチャンの方々には、ただただ頭が下がる思いです。(つづく)