美形のレンの車の中は、外装と合わせてワインレッドのシートに改造されていた。
タバコの香りに混じって、車内には女の子の香りが充満している。
クールを気取って、目つきなんかもキリッとしちゃったりした俺は、エンジンをかけたレンに向かって、「今日は、ありがとね。ほんとに助かったよ」と言った。
レンはニコリと笑うと、「どーいたまして」と言った。
「どういたしまして、だよね」俺が返した。
「そうなのぉ!?」
「たぶん、どういたしまして、かな」
「えー!ずっとどういたましてって使ってたよぉ!」
か、かわいい…
「いや、俺も今日からどういたましてにするわ」
「えー、だって間違ってるんでしょ?」
「間違うなら一緒に間違ってたほうが寂しくないじゃん」俺はデタラメな理論を展開した。
「達也おもしろいね」
「どういたまして」
俺がそう言うと、レンはクスっと笑った。
かわいい…。
なんだか、車内の空気が和んだ。
エンジンをかけるまでは車内に若干の緊張感を感じたが、打ち解けたようだ。
そして車は動き出した。
「ご飯食べてバイバイって、ちょっと寂しいね」俺が言った。
「達也は不良やってるのにさみしんぼなの?」
「さみしんぼだよ」
「かわいいじゃん」
「かわいいよ」
「自分で言う?」レンは可愛く笑った。
「レンちゃんもかわいいけど、俺も結構かわいいよ」
今度はレンは声を出して笑った。
おし、俺のペースだと確信した。
その後俺の薄っぺらいトークはさらに続き、終始笑いっぱなしの10分だった。
レンとマイは俺やあっちゃんの2歳上だという事、そして、マイは俺の事を嫌っている事、あっちゃんに一目ぼれしていること、レンは彼氏が居ないという事、マイには勿論居ないという事等々の情報を仕入れた。
そして、この後、どうにかあっちゃんとマイをくっつけようという悪巧みを決行する事で話はまとまった。
秘密の共有や、何か共同で成し遂げる事は一気に関係を深める。
俺は、あっちゃんに犠牲になってもらう事で、レンと心のつながりを得た。
こうなればこの後の俺とレンの関係に希望が出てくる。
そしてファミレスに到着したのだった。
~つづく~
井口達也
※最後の最後まで、原点の「書く」という事にこだわれてよかった。
今年も皆からの応援があってブログを続ける事が出来たよ。
チキン、アウトに加えて、新連載「マリア」も始まった2014年だった。
俺達の進撃は止まらない。
止めてなるものか!
俺達が時代を切り開いていくんだ。
そう思いながら続けられた一年だった。
今年も皆、本当にありがとう。
来年も、よろしくね。
皆の健康を祈って、今年を締めくくろうと思う。
来年は、そうきたかー!!の一年にしよう。
約束な。
ではでは、よいお年を!
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