栗林あや(いがぐりこ)です

 

認知症治療病床のある

精神科へ入院した母のこと。

 

 

 

 

昨日、入院から一晩経って

母のことが気になって気になって

私もほとんど眠れなかった。

 

お母さんも

きっと眠れなかっただろう。

 

 

子供の頃から

ずっと母のお世話役をしてきて、

 

母と自分を

同一視してしまっているのだと思う。

 

 

 

前の日、病棟まで行った時。

 

精神科なので

まあ当然なんだけど、

一般社会とは違う

独特の世界が広がっている。

 

 

認知症の老人ホームを

閉鎖的にしたような感じ。

 

でもここには年寄りだけじゃなく、

若い人もいる。

 

 

 

新しく連れられて来た母に

ものめずらしく近づいて来て

べたべた触ろうとしてしまう患者さんや、

 

大声をあげたり

うーうー叫び声をあげてるお兄さん。

 

ぼーっと一点をみつめて

突っ立っている女性。

 

妙に明るくやたらと

職員さんに話しかけている

体と声の大きな男性。

 

じろじろじーーーっと見つめてくる

お婆さんやお爺さん。

 

ただ座っているだけで

ピクリとも動かない

お婆さんなどがいた。

 

 

 

実はこの病院は

私の亡くなった祖母が生前、

アルツハイマー型認知症で

徘徊したり暴れたりの

自傷他害があって入院した病院だ。

 

 

だから、中の雰囲気や

周りの患者のだいたいの様子などは

あらかじめわかってる。

 

そして、母ももちろん

「ばあちゃんが昔連れてこられた病院だ」

とわかっている。

 

「私、ばあちゃんのために

何度もここに通ったやぁ。

あの時が一番大変でつらかった。」

 

と母は言っていた。

 

 

 

慣れない環境で

母は眠れただろうか。

 

きっと夜中に騒ぐ患者さんもいるだろうから

普段と違う環境に

怖い思いをしたかもしれない。

 

 

 

精神科の入院は

揃える用品や院内のルールも

通常の病院と違って、独特のものがある。

 

 

例えば、紐のついた靴や

ウエストに紐のついたズボンやパーカー

細長い手拭いはNGだ。

(首をくくってしまう可能性があるため)

 

手提げバックも

頭の入る長さの

持ち手がついているものや

ショルダーバッグはNG。

 

刃物はもちろん、

尖ったものや

人体に害のあるような薬品など、

凶器になるようなものはすべてNGだ。

(自殺・事故防止の観点から)

 

 

母は持っていないのだが

携帯電話や

通信機器などもダメらしい。

 

 

あとは、小銭や本などは

個人の症状によって

制限の内容が変わる。

 

先生の判断でダメな人はダメだし、

OKが出れば

持っていって良いそうだ。

 

 

持っていくものは

危険なものが含まれていないか

すべて職員の方がチェックしてくれる。

手紙などは検閲が入る。

 

 

一旦入院すると

もう面会は基本できないから

母の様子はわからない。

 

 

 

夜になって

急に罪悪感が湧いて来た。

 

昨晩届けた荷物で

足りるだろうか。

 

 

あそこにいれば

衣食住の補償はあるし、

 

安全な環境で

母もいられる。

 

近所の方に母の問題行動で

迷惑をかけてしまうこともない。

 

 

母は

 

「あやさんにもう迷惑かけないように

お母さん、このわけかわらなくなっちゃう精神を治すでね。

あやさんのために頑張るでね。」

 

そう言っていた。

 

 

私は、自分の安心のために

母をおそろしい環境に置いてしまったようで、

急に胸が痛み出した。

 

 

 

「あやさんのために」

「あやさんに迷惑かけないように」

 

いつもそうだ。

子供の頃から。

母は、いつもそう言う。

 

 

「あやさんのために」

「あやさんに迷惑かけないように」

 

世間一般には

一見、感動的な親のセリフのように

聞こえるかもしれないが、

 

子供の私にとって

この言葉は呪いの言葉だった。

 

 

「わたしのせいでおかあさんが苦労を強いられている」

 

子供の頃から

母に罪悪感を抱いていた。

 

「私は邪魔者」

 

わたしがそう信じるようになった

その原因となった言葉。

 

 

「あやさんのために」

「あやさんに迷惑かけないように」

 

そして、結果的に母には

ものすごい迷惑をかけられる。

 

 

 

 

複雑な思いが交錯して

眠れない一夜を過ごし、

 

夜が開けた昨日の朝。

 

 

公衆電話から

わたしの携帯に電話があった。

 

何かと思って出たら、

母からだった。

 

 

 

どうやら、母は

小銭の管理を自分ですることと、

病棟の公衆電話の使用許可が出たらしい。

 

 

 

 

わたしが

「おかあさん?寝れた?どう??」って聞いたら

 

母が

「寝れなかった。それはそれはすごい所だよ(←悪い意味で)」って言っていた。

 

 

その言葉を聞いて

わたしはまた

罪悪感が増幅して

怖くなった。

 

 

母は、「飴が欲しい」と言っていた。

 

母はヘビースモーカーで

入院でタバコを吸えなくなったので

きっと禁断症状が出て

口寂しいのだろう。

 

 

週明けに提出する書類があるので

一緒に届けにいってみようと思う。

 

他にもいくつか欲しいものを言われたのだけど、

上に書いたような病院の規則的に

持ち込みが不可なようだ。

 

 

「妖怪お母さんかわいそう」が出てしまっている。

 

 

 

今日の母の声色の様子だと、

そのうち母が泣きながら

 

「あやさん・・・お母さん、もうここから帰りたいです。」

 

って電話が来そうで

怖くなっちゃってる。

 

 

確かに、

叫んだりわめいたりするような人たちと

一緒にいきなり相部屋にされたら

恐いだろうなあと思う。

 

 

罪悪感が出てくる。

 

 

 

そして、今朝6時半ごろ

また電話があった。

 

これから朝食らしい。

 

届けた靴が硬くて痛いので

もうすこし柔らかい靴が欲しいそうだ。

 

あと、口寂しくて

お菓子がほしいようだ。

 

 

ずうずうしいから

大丈夫なのか???

 

 

入院して安心したら安心したで

次の恐怖が湧いてくる。

 

今は、先のことを考えるのがとてもこわい。

 

 

わたしは恐怖が好きなのだろうか。

 

よくわからなくなる。

 

 

 

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