心理カウンセラー・公認心理師の
栗林あや（いがぐりこ）です。
少し前に、ある邦画を見て、
素敵な俳優さん（男性）を見つけたんです。
主役じゃなくて、脇役なんだけど、
その俳優さんがいることで、
物語がグッと引き立つ。
その人の出演作を次々見ていくうちに、
私は、どんどんのめり込んでいきました。
…だけど……
最初は
「この人、演技うまいなぁ！」
と純粋に感動していたのに、
いつの間にか
「この役は合ってないんじゃないか？」とか、
「主演の女優アイドルのせいで、
薄っぺらい映画に見えちゃうなぁ…
彼の演技が引き立たずに、もったいない！」
…なんて考えが
浮かぶようになってきました。 
映画を見終わっても、
心に残るのは
モヤモヤとした気持ちばかり。
純粋に、物語を楽しめなくなってしまったのです。
ある夜、気づきました。
私はいつの間にか、
映画を「批評する目」で見ていたんだ、って。
振り返ってみると、
私は昔から、
目の前の出来事に不満を抱きがちでした。
子供の頃から、
不平不満ばかり言ってた奴なのです。
その後、そんな性格だから
生きづらさを感じるようになり、
自己啓発の本を読んだり、
心のことを学んだりして、
日常生活ではだいぶ穏やかになれたのに。
…映画の世界では、
評論家気取りで、ダメ出しばかり。
特に好きな俳優さんが出ていると、
つい肩入れしてしまって、
「彼にはもっと良い役を演じてほしいッ！」
なんて、余計なお世話まで
焼いてしまっていました。
映画を見るたびに、
世の中を批判的な目で見ている
自分がいることに気づき、
なんだか悲しくなりました。 
映画は、日常を忘れて、
別世界に連れて行ってくれる、
夢のようなひとときだったはずなのに…。
私はいつから、
そんなシンプルな楽しみ方を
忘れてちゃったんだろう。 
もしかしたら、私たちは、
完璧を求めすぎるあまり、
目の前のものを
素直に楽しめなくなっているのかもしれません。
映画の世界だけじゃなく
日常生活でも、
つい他人を評価したり、
批判したり、
理想と比べて落ち込んだり。
でも、そんな風に生きていたら、
きっと大切な何かを見失ってしまう。
そう思った私は、
もう一度、初心に帰ることにしました。
「映画は、ただ楽しむもの。」
俳優さんは、役を通して、
私たちに感動を与えてくれる存在。
そんな当たり前のことを、
もう一度、思い出したんです。
で、ここ最近、
私は、その大好きな俳優さんの出演作を
片っ端からネットで見てみました。
今度は、細かいことは気にせず、
ただ物語の世界に没頭することにしました。
映画が終わった後、
私の心には
温かいものが残っていました。
久しぶりに、
映画を純粋に楽しめた気がしています。
完璧じゃないからこそ、
美しいものもある。
そんなことに気づけた夜でした。
そうそう…
ちなみに、その後、魔が刺して(笑)
その俳優さんの名前を
YouTubeで検索（エゴサ）してしまったのです。
そしたら、
プライベートでも
仲の良い俳優さん仲間と、
フランクに対話している
YouTube動画がアップされてて…
だいぶ、イメージとちがった
（悪い意味で）
映画のイメージとだいぶ違った…
なんか……チャラいな。
勝手に、
映画の役どころのイメージで
寡黙な感じとか、
おとなしい感じをイメージしてたのに、
なんか撮影の裏話とか
女優さんとのことを
ベラベラしゃべってて、
チャラかった…
うん。もういいや。
短い恋であった。
グッバイ！
わたしの44歳の青春。
もしかしたら
「完璧」を求めることよりも、
「知らないまま」の方が
世の中、幸せなことも
あるのかもしれませんね。
おわり
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