武蔵國一之宮・小野神社(東京都多摩市) | ゴシュインデイズ

武蔵國一之宮・小野神社(東京都多摩市)

小野神社(おのじんじゃ)。


ゴシュイン☆デイズ -まったり御朱印あつめの日々-


東京都多摩市に鎮座。


御祭神は、

・天乃下春命(アメノシタハルノミコト)

・瀬織津比咩大神(セオリツヒメノオオカミ)

・伊弉冉尊(イザナミノミコト)

・素盞嗚尊(スサノオノミコト)

・大己貴大神(オオナムチノオオカミ)

瓊々杵尊(ニニギノミコト)

・彦火火出見尊(ヒコホホデミノミコト)

・倉稲魂命(ウカノミタマノミコト)


社格は明治六年、郷社に列格。

延喜式神名帳に『武蔵國多磨郡 小野神社』と名前の残る延喜式内社で、武蔵國一の宮。




「ん?武蔵國一の宮といえば、大宮の氷川神社 なんじゃないの?」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、こちらの小野神社もれっきとした武蔵國一の宮。

武蔵國総社の大国魂神社では、武蔵國一の宮から六の宮までの御祭神を勧請して合祀しているんですが、その大国魂神社の記録では以下のようになっているんです。


一ノ宮 小野神社 (東京都多摩市一ノ宮)

二ノ宮 小河神社 (東京都あきる野市)

三ノ宮 氷川神社  (埼玉県さいたま市)

四ノ宮 秩父神社  (埼玉県秩父市)

五ノ宮 金鑚神社 (埼玉県児玉郡神川町)

六ノ宮 杉山神社 (神奈川県横浜市緑区)



……というわけで。

昔は武蔵國一の宮はこの小野神社で、時代が下っていくに従って氷川神社の勢力が大きくなり、そちらが一の宮になったのではないか、という解釈が一般的なようですね。

室町時代に成立した『大日本一宮記』では氷川神社が一の宮とされているものの、中世までは氷川神社を一の宮とする資料は見つかっていないのだとか。



社伝によると、安寧天皇十八年(紀元前532年)の創建。

多摩川をはさんで向かいの岸の府中市にも小野神社があるんだけども、こちらも同じく延喜式神名帳の論社になっている。

多摩川の両岸に小野神社が二つある理由としては、諸説ある。


いずれか一方が本宮でもう一方は分祀されたものだという説。

多摩川の氾濫で遷座を繰り返した結果、二社になったという説。


……などなど、いろんな説があるものの、確固たる資料があるというわけではなく、不明な点は多いようだ。




さてさてさて。

小野神社にお参りしたこの時はちょっと東京に用事がありまして。

ふぐすまくんだりに住んでると、なかなか東京までお参りに行く機会って無いんですよねえ。

しかも今は、福島ナンバーで都内に入ると大人気格闘ゲーム『ストリートファイターⅡ』のボーナスステージ状態(※)


※)ストⅡのボーナスステージ
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になるという噂を聞いていたのでなかなか行けませんでした。

結局この時は自分の車ではなく、迷わず高速バスを選択したんですけどね(;´・ω・)



で、東京に行くにあたって、この小野神社だけはどうしてもお参りしたかった神社なんです。

それというのも、こちらの神社の御祭神に瀬織津姫大神が祀られているから。

瀬織津姫大神は祓戸四神の一柱で、穢れを祓い流してくださる神。


御存知の通り、福島県は未曽有の大事故によって穢されてしまいました。

今もなお、穢され続けています。

そして、あの事故以前の福島は戻ってこない。

おそらく、政府や電力会社は一部だけ除染して、福島県すべての除染まではしてはくれないでしょう。

責任を負うべき人がやらないのならば、そこに住まう者が各々の手で、福島に降り注いだ穢れを清めなければならない。

小野神社にお参りすることで、瀬織津姫の御神徳をいただけたなら……と思ったわけです。



ところで、この小野神社。

一の宮巡拝者には有名なんですが、実は神職さんが常駐しない神社なんですよね。

なので、御朱印をいただくには宮司さんが神社にいらっしゃる用事がある時か、祭礼・年始の時期にお参りをしないといけない。

ちょうどこの時期は祭礼でも年始でも無いので、宮司さんが神社にいる用事だけが頼り。


そんなわけで半分諦めつつも宮司さんのご予定を確認するべく、お参りの数日前に電話で連絡を取っていたんですね。

そしたら……



「その日でしたら、午前中なら……」


という奥さまの御返答が!

その日なら朝の早い時間帯でもOKとのことで、朝7時半にお参りに行く約束をしました(`・ω・´)




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     【 神社全景 】

んで。

小野神社にお参りしたこの日はあいにくの土砂降り(´・ω:;.:...

福島から傘を持って行って無かったので、ずぶ濡れになりながらコンビニを探しました (´・ω・`)

学生時代に八王子に住んでて京王線ヘビーユーザーだったおいらも、聖蹟桜ヶ丘で降りたことは数えるほどしか無かったもので……

高幡不動ではよく降りてたんですが……


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     【 鳥居 】

石造りの明神鳥居。

鳥居の中心には御神紋である菊紋が輝いております。


神社に到着したのは朝7時。

土砂降りの雨にも関わらず、何人か地域の人が朝の散歩に来ておりました。



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     【 随神門前の狛犬 】

雨脚が強すぎて、レンズに水滴がつきまくり (;´・ω・)

硬質的な毛の流れの狛犬。

右側の狛犬の口の開き具合の威嚇っぷりがちょっと怖い。


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     【 随神門 】

繊細な彫刻が多く施された随神門。

屋根がとても大きくて立派。

なお、こちらの門に納められた木造随身倚像は鎌倉時代・元応元年(1319年)因幡法橋応円らにより奉納されたもの。

東京都内では室町時代以前の随身像は少ないそうで、東京都指定の有形文化財になっている。



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     【 参道 】

石畳が雨でしっとりと濡れた参道。

境内は広々としていて気持ちがいい。

これで晴れていたら最高だろうねえ。


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     【 手水舎 】

参道右手にある手水舎。

ただ、お参りした時は木の蓋のようなものがかけられていて、手水が出来ませんでした。


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     【 拝殿前の狛犬 】

苔が生えているところと生えていないところがくっきり分かれていて、まるで模様のようになっている狛犬。

ちなみに、左側の狛犬の後ろに見えている建物が境内社なんですが……

境内社単体の画像は撮り逃してしまいました (;´・ω・)


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     【 拝殿 】

朱塗りが木々の緑に映えて、目にも鮮やかな拝殿。

賽銭箱にも御神紋の菊紋が堂々と。

朱塗りの鮮やかな一の宮というのはなかなか無いので新鮮な気分で参拝しました。


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     【 扁額 】

金色で『武蔵國一之宮』と書かれた、拝殿に掲げられた扁額。

躍動感のある龍の縁取りの彫刻も素晴らしいですねえ。


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拝殿を斜めから見た様子。

差し込む光が木の緑と朱塗りの拝殿を照らしていて美しい。


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で、こちらは同じ場所からの撮影だけど、デジカメの機能で朱色を強調した形。

うん……これはちょっと強調されすぎか。綺麗は綺麗なんだけどね。

使いどころが難しい機能ですね (´・ω・`)


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     【 本殿 】

三間社流造りの本殿。

こちらも朱塗りが鮮やかで美しいね。



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本殿を撮影するために拝殿の横に回り込むと、なんだか黒い塊が。

なんだこれ……?と、近寄ってみると、


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ングッギャアアアアアア!

ね、ねこ!ねこですよ!

相馬神社相馬中村神社 でもそうでしたけど、神社でねこを見かけるとついつい撮影してしまうおいらなんです。

ただこの日は雨が強かったので、近付いて逃げたりしたらせっかくの雨宿り場所を無くしてしまうな……と思って、近付いての撮影はできませんでした (´・ω・`)


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     【 境内社 】


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    【 境内社脇の御祭神などの案内板 】

(↑この画像はクリックで大きく表示されます)


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     【 社務所の前あたりから見た拝殿 】


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     【 社務所 】

二階建てでかなり立派な社務所。

ただ、小野神社は兼務社ということで、宮司さんは常駐していないんです。

今回は事前に連絡をしてOKということだったので宮司さんに来ていただけたんですが。

何も連絡せずにお参りすると、ほぼ100%に近い確率で無人なのではないかと思われます (´・ω・`)



で、宮司さんに来て頂きまして、いただいた御朱印がこちら。


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     (通常の御朱印帳)


こちらの小野神社は全国一の宮会には所属していないものの、由緒からも分かるように、明らかに武蔵國一の宮ですので、『全国一の宮御朱印帳』にもいただきました。

それがこちら。


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     (全国一の宮御朱印帳)




御朱印を頂いたあと、宮司さんと少し世間話をしたんですが。

『どちらからお参りに?』といういつもの会話で、「福島からなんです」『大変ですねえ』というやりとりの後、宮司さんの言葉に驚いたんです。


『東北は今大変ですよね、ちょっと前に岩木山神社と駒形神社にお参りしてきたんですけど』

『福島には去年の夏ごろ行ったんですよ、伊佐須美神社と都々古別神社と』



……!?


え、ひょっとして……と思って、

「もしかして、宮司さんも全国一の宮巡拝をされてるんですか?」と尋ねてみたら、

『そうなんです。早く全国お参りしたいんですけどね』とのこと。



いやあ、びっくりしました。

武蔵國一の宮の宮司さんが全国一の宮を巡拝してるとは。

お参りに行った先の宮司さんとどんな会話をしているんだろう……と想像すると、ワクワクしてきちゃうよね(`・ω・´)

もしかすると宮司さんも御朱印帳を持ってお参りしてるのかなあ。

もしそうだとすると、一の宮巡拝者の気持ちを慮って下さって時間をとって小野神社の社務所に来て下さったのかも……。



あの日の雨の中、わざわざ時間をとって来ていただけて、本当にありがたいことでした。

こんなブログで書いても御本人には伝わらないかもしれないですけど、感謝の気持ちを伝えたいですね。







■ 小野神社への地図



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◆ 神社の情報



小野神社     おのじんじゃ


御祭神 : 天乃下春命、瀬織津比咩大神

       伊弉冉尊、素盞嗚尊、大己貴大神、瓊々杵尊、彦火火出見尊、倉稲魂命

社格等 : 武蔵國一之宮、延喜式内社(論社)、郷社

鎮座地 : 東京都多摩市一ノ宮一丁目18-8