ひぐらしのなく頃に語咄し編レビュー 続き | 満目蕭条(まんもくしょうじょう)

ひぐらしのなく頃に語咄し編レビュー 続き

このレビューは前回の続き です。

いやー、リクエスト来ちゃいましたねー。
誰もこんなの読んでないだろうと思ってたんですが、甘かったですねえ。
まさか作者様に目をつけられてしまうとは、これだからネットは面白い。
というわけでレビュー後編いってみましょうか。

・アニメイト賞「罰ゲームは特効薬。」 らな
えーと、これはまた非常にコメントしにくい作品ですね。
というのもこの作品、良いとか悪いとか以前に俺が非常に苦手とするジャンルでして、えーと、その、端的に言いますと…ケツがかゆくなります。
読んでるこっちが赤面というか、いやほんとリアクションに困ってしまいます。
こういうマシュマロを練乳にどっぷり漬けて食べるような甘~いのも需要があるのは大いに理解しますが、俺は体質的にそういうのは受け付けないのです。
レビューになってなくてすいませんね、ほんと。

・ゲーマーズ賞「皆愛し編」 月
皆殺し編のif作品。というか皆殺し編と祭囃し編の中間って感じかな。
話の展開も盛り上げ方もいまひとつで、キャラも動いていないというか、ものにできていない印象をうけました。なーんかぎこちないんですよね。
にべもない言い方をしてしまうと面白くない作品です。
が、つまらないというよりは未熟という表現のほうがしっくりくる感じ。
まだ若いな、という印象を受ける文体だったのでこれは作者ののびしろに期待といったところでしょうか。

・選考委員特別賞「リトル・デーモン」 長門千尋
舞台は戦時中、主人公は米軍のパイロットです。
この設定が既にひぐらしにふさわしいおあつらえむきの舞台といった趣でグッとくるものがあります。
それだけにオチの読めてしまう展開は非常に勿体無いですね。
主人公は途中で気付かないと。
自分の脚は動かず敵地のど真ん中で、しかしその困難な状況から脱出しなければならないというシチュエーションの方がよりひぐらしっぽくないですか?
もうひとひねりで大化けする可能性を秘めている作品なだけに残念です。

・選考委員特別賞「野菜炒めの憂鬱」 ユウヒツ
これは切り口がまずいいですね。「お弁当」を軸に沙都子視点で話は進みます。
後書きに「きっかけは『どうして圭一の母親は野菜炒めを作らないのだろう』というものでした」と書いてありましたが、それだけの些細な疑問を作品に育てられるその手腕に脱帽です。
小さくまとまったお話ではありますが、ストーリーはうまく練ってあって話を紡ぐセンスは完成されています。
たかがお弁当、されどお弁当。水面下で行われる熾烈な闘いこそ、「ひぐらし的」と俺が認識するものに他なりません。
「部活」も「鬼隠し」も描かれませんが実にひぐらし的な作品だったと思います。

・選考委員特別賞「鬼騙し編」 藤木和明
わかんなかったんですよね、これ。
もう一回読んだらわかるかな、と思って再読してみたんですがやっぱりだめ。
後書きには「『あれ?』と首を傾げていただければ、本望です。」と書いてあるんで作者の思惑通りなんでしょうか。
誰が望んだ世界なのか、羽生はどこにいったのか、なんか他にもいろいろとよくわからんです。
なんで圭一、魅音、レナの年齢が下がってるのかもわかんなかったし、わからないものは解説のしようがないっすね。
うん、諦めました。


えーと、以上です。
一応全体通しての感想も簡単に。
10作品収録されてるんですが、アベレージはやや低め。
同じ1000円出すなら漫画2冊買うほうがコストパフォーマンスはいい気がします。
ただ、同人好きだったり、自分も何かSSとか書いてるというような人だったら読む価値はあるでしょうね。
俺的には「示豆壊し編」で元はとれたと思っております。
第二回も今から結果が楽しみですね。
次はどんなのがでてくるのかワクワクテカテカしながら待ってます。

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 (0゚・∀・)   ワクワクテカテカ
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 と__)__) +