一億人がみんな活躍する。
と言っても。
どういう状態を「活躍している」と称するのか。
みんなが納得いくだけの所得を手にすることか?
みんなが望む仕事に就くことか?
みんなが好きな人と付き合えることか?
ありえねえ。
いつからか、日本人は「カネさえあれば欲しい物が手に入るはず」と思うようになり、でも、「カネを積んでも手に入らない物が確実にある」ということも、「そもそも自分は欲しいだけのカネが手に入らない」とも分かる日が来て。
貧乏だったときは、「今よりも金持ちになりさえすれば幸せ」、と思えるのですが。
ある程度、金持ちになると、「世の中には私よりももっと金持ちがいて、そいつは私から見ると理不尽な手段でカネを簡単に手にしているような気がする」と分かってくるので。
私よりも金持ちに対して、嫉妬しちゃってどうしようもない。
これはどうしようもない。
他人と比べればキリがないもん。
で。
私、今日は翻訳の仕事、25枚やりました。
あまりにも仕事が楽しすぎて、夜、寝る時間も惜しくて、今朝だっていつもどおり6時に起きたいのをこらえて7時になって我慢できずに起きて、それから25枚、やりました。
幸せ。
ああ。
私、今、日本で一番、幸せかも。
いや、一番じゃなくても何番でもいいの、比べようがないの他人様とは。
ですが。
今日の分、翻訳料がいくらか知りません。
ホントにその仕事が楽しいと、お金は後からついてくるんですよね。
というのは、単にきれいごとで。
私は近所の歯科医院で毎月、お給料をいただいているので、翻訳の仕事がホントに道楽でできるんですね、だから翻訳料はどうでもいいんですね。
といっても、月に10万は欲しいな。
翻訳という仕事で月に10万の黒を出すのは大変なの。
で。
翻訳の仕事、「この仕事で本当によかった」と思うまで20年かかり、「苦にならない、道楽でできる」と言えるまで30年かかり。
簡単に手に入るものなんて価値がない。
30年かけて手に入れたからこそ、道楽でできることが本当に嬉しくて。
ああ、神様、ありがとう。
仏様かキリストかアラーの神か知らないけど。
なんの神様でもいいや。
で。
これまでやった仕事で一番、苦労したのは「インド国防省年次報告書」で、この翻訳料が20万。
安すぎ・・・。
で、このお金で1台目の二胡を買い。
認知症で弾けなくなった友達からもらった二胡があまりにもすばらしいので、1台目は先生にお返しして。
今、翻訳料で何を買おうか、と思っても、これ以上、欲しい物がないんですね。
ヤフオクでアンティークのショットグラスを買ったら、これはすばらしくて。
で。
同じ業者さんが出しているアンティークグラス、毎日、素敵なのが出ているのですが。
買う?
買わない。
だって、簡単に手に入ったら価値がない。
本当に本当に欲しいもの、にめぐり合ったら買いましょう。