特集は、「所得再分配が当たり前の社会に」。


  で。


  医師や歯科医師は、平均よりも所得が高い、という前提でこの雑誌も書かれていると思うのですが。


  今、統計上、歯科医師の5人に1人は年収300万以下のワープアとされており。


  とすると。


  イケメンの歯医者さんと合コンで知り合ったとしても、はしゃぐのはちょっと待った!


  「開業するお金はあるの?開業資金、銀行が貸してくれないらしいじゃん」と、何気なく訊いてから、彼との結婚を考えましょうってことかしら。


  ま、何気なく訊ける質問じゃないけどね。


  ふっ・・。


  日本ではいい大学出た男でも、民間企業では終身雇用じゃないみたいよ。


  という現実が歯医者さんを増やし、器用でもないのに歯医者さんになっちゃって患者さんがつかない、という現実を生み出してるのかも。


  で。


  この号では、社会保障が専門の法学者が記事を書いているのですが。


  ● 所得税は、ピーク時(1991年度)の26.7兆円から2015年度の16,4兆円と減少し、法人税収もピーク時(1989年)の19兆円から2015年度の11兆円と激減。消費税は2014年4月から税率8%となり、2015年度で17.1兆円と、ついに法人税、所得税を抜いて税収のトップとなった。


  ● 日本の所得税は1986年まで15段階、最高税率70%(住民税の最高税率18%)、2007年以降は6段階、最高税率40%(住民税は最高税率10%)と累進性が緩和。少なくとも最高税率の水準を1986年まで戻せば相当な税収になる。


  ● 社会保障のすべてを消費税収で賄うのは不可能で、そうしている国は存在しない。2015年度予算ではオスプレイ5機購入に610億円(契約ベース)を超え、介護報酬削減分(国庫負担分)600億円に匹敵する。予算の配分を変えれば、社会保障の費用は十分確保できるはず。


  と、9ページの記事をこれだけにまとめるのは無理があるのですが。


  まあ、個人的に、所得税率が2007年度から最高で40%になっていたとは知りませんでした。


  私、高額所得者でもなく、所得税払ってなかったんで。


  で。


  この雑誌は医者や歯医者を対象に発行されており。


  「高額所得者からもっと税金取れ、社会保障のために」という主張に、医者や歯医者は納得するかなあ。


  と、私は思うのですが。


  北欧の国は社会保障が厚い、だからいい国だ。


  と思う日本人も多いとおもいますが。


  腕のいい医者、稼げる医者は、「高額所得者からたくさん税金取る」という国のシステムに嫌気がさしてアメリカに行ってしまうケースが多くて、「盲腸の手術ができる医者を探すのさえ、8人目でやっと」という現実があるから。


  って話を聞いたことがあり。


  うちのご近所のアメリカ人は、NYの富豪の娘で大学の先生でしたが、「日本では世帯年収2000万を超えると所得税率が最高になり、7割くらい取られるよ」と私が言ったら。


  嘘でしょ。アメリカにいる私の親戚は皆、年収が億を超えているけど、最高税率の人はいない。最高税率になるのは、マイケル・ジャクソンやマドンナみたいな人たちじゃないの?


  と、彼女はホントにびっくりしていて。


  彼女曰く、「日本の資本主義は社会主義に近いよね」。


  日本で所得税が高かったのは、戦後、アメリカの人が「日本が戦争をしたのは特定の財閥のせい。特別なお金持ちが生まれないように、お金持ちからたくさん税金を取りましょう」という考えで税制を決めたからです。


  で。


  バブル期がこうだったから、と学者に言われても。


  あれは特殊な時期ですから。


  確かに私が20代半ばのころ、世の中は浮かれていて、金回りがいい人も多かっただろうし。


  今回、この雑誌を読んで興味深かったのは、日本では「会社が儲かってる」のピークの3年後に、「個人が儲かってる」が来たこと。


  会社は儲かってから3年後に、個人に還元したってこと?


  私は経済の専門家じゃないから分からないけど。


  それにしても。


  防衛や外交に費やすお金を国内の社会保障に回せばいいじゃない。


  と学者が言ったとしても。


  じゃあ、その学者がアメリカと交渉してみて。


  防衛も外交も外国という相手あってのこと。


  日本国内の都合だけでは決められないよ。


  日米同盟があるってそういうこと。