宗教は生活の体系(1)

  我われは同様にして、宗教は社会生活の性質を決定する哲学的なよりどころとして機能するという意味で、生活の体系は宗教である、と主張する。その体系が神聖なイデオロギーの理念から枝分かれしているのであれば、その社会は神聖な宗教を信奉している。それが支配者、部族、人民によって制度化されていれば、すなわち人間の理念、概念、哲学から枝分かれしているのであれば、その社会は支配者の宗教、一族の宗教、あるいは人民の宗教を実践している。  
 現代のイデオロギー、理論、哲学の提唱者は、ためらうことなく、彼らのイメージに基づいて、人間の生活スタイルの鋳型となる信条を組成していると主張する。そうすることによって彼らは、神聖な宗教を、彼らの個人主義的、社会主義的、愛国的、国家的なイデオロギーに代えるのである。 
 
 共産主義は単に社会のシステムではない。それは「弁証法的唯物論」という言葉で表現され、現世の物質的な側面と、世界的な革新、革命の原因となっている物質的な矛盾に基づいているイデオロギーの理念である。