8月6日 広島 もう一つの碑文(ラダ・ビノード・パール博士) | .

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極東国際軍事裁判(東京裁判)インド代表判事パール博士 は1952年に来日し、次の原爆慰霊碑の碑文を見て「原爆を落としたのは日本人ではない。この過ちが、もし太平洋戦争を意味しているというなら、これまた日本の責任ではない」と碑文を批判した。そして、「この碑はホワイトハウスに置くべきだ」と。また、ルバング島から帰ってきた小野田寛郎さんは「この文章はアメリカ人が書いたのか」と質問した。

  

安らかに眠ってください

 

過ちは繰り返しませぬから


そして、パール博士は大亜細亜悲願之碑を広島市の本照寺 の境内に残した。


原爆投下は戦時国際法の「攻撃目標は敵の戦闘員 (Combatants) か軍事目標 (military objectives) に定められる」に明らかに違反している。その前に行われた東京大空襲もそうである。終戦までに66都市が無差別爆撃され、40万人もの非戦闘員が殺戮された。

だから、パール博士は自らの碑文の中で、「万斛(ばんこく)の想いを抱いて死んでいった」と述べているのであろう。

戦時国際法に違反した行為に対して、「過ちは繰り返しませぬから」と反省するようでは、反省が足りぬ、と再び反省を強いられる可能性がある。日本は戦争に敗れたとはいえ、アメリカの戦時国際法違反行為を堂々と訴えるべきであると思う。そうしないと、同じ過ちが繰り返されてしまう。現に世界各地で、このような過ちが起きている。


万斛:《「斛」は石(こく)の意で、10斗》はかりきれないほど多い分量

 

パール博士は東京裁判の中で、ただ一人の国際法学者であった。そして、博士は日本人被告の全員無罪を主張した。

                                                             土井和士


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追記

パラオにも広島県知事の名で「安らかに眠ってください 過ちは繰り返しませぬから」という碑があるそうだ。碑文には石が投げつけられた痕が多数あるそうだ。つまり、この碑文は海外では受け入れられぬと言うことだ。