ホッピー酒場 亀屋@板橋区役所前 | ぼくはグラスのふちをまわる

ぼくはグラスのふちをまわる

昭和40年代の思い出や、酒場についてゆる~く語ります。


ぼくはグラスのふちをまわる 僕が始めて一人暮らしをした町は、板橋4丁目、当時はJRではなくて、E電なんて呼ばせようとしていた旧国電の板橋駅から、歩いて15分位の当時でも古いアパートでしたね。

そこは2階建てで、廊下を挟んで左右に6室づつ全部で24室の比較的大きなアパートで、すべて6畳一間なのに、一家6人で生活しているものすごい家族から、僕のように一人暮らしの学生や若い夫婦まで、バラエティに富んだ住人が住んでいるアパートでした(笑)

当然お風呂なんかないし、トイレだって共同でドアも窓枠も木製、壁と柱の間には1ミリ位の隙間が空いていて、深夜に隣の住人が帰宅すると、その隙間から光が洩れてくるような建物だったんです。

部屋の鍵は、海賊の宝箱の鍵みたいな真鍮製でね、狭い玄関が台所を兼ねていて、タイルでできた流し台に古い湯沸かし器が付いてました。

当時で既に築40年以上は優に経っているような、戦災を逃れたような超優良物件だったわけです。

それで、今日ふらっと23年ぶりに訪れてみたんだけれど、駅舎も、街の風景も、ほとんど変わっていないんじゃないですかね、この街は。


ぼくはグラスのふちをまわる 18年前に住んでいた、中目黒は、あの頃とまったく違う街に変わってしまったけれど、板橋駅周辺は、やっぱり変わっていないような気がします。

ロータリーを左に曲がったら、明星があの頃のままで残っていますね。当時は酒よりも、めしだった僕は、この店に入るなんて考えたこともなかったけれど、今思うと、随分もったいないことをしたものだと今更ながら後悔しています。

 

都営三田線の新板橋駅に向かって歩く道も、当時とあまり変わっていないような感じですね。

首都高速の下を走る、中山道を渡るとよく買い物をしたスーパーのライフが看板が変わっただけで、今も残っています。

その脇の坂道を下って行くと、僕が毎日のように通っていた古本屋さんがあったはずなんだけれど残念なことに既に廃業したみたいで、シャッターが閉まったままでした。

 

 


 


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それでも、町並みは変わっていなくて、今でも当時のままのアパートや住宅や建物はほとんど残っているみたい。それって、なんか凄いですよね。

 

でも、残念ながら僕の住んでいたボロアパートは、キレイなマンションに変わっていて、あの頃の面影はまったく無くなっていました。

 

それでも、板橋区役所前に向かって上って行く坂道の左右は、少し寂れてはいるものの、古いアパートや長屋が今も路地の間に残っている。

変わっていたのは、当時よく買い物に行った食料品店が、コンビニに変わっていたことくらいで、町並みは、まるで昭和のテーマパークですよ。

あのバブル期をどう乗り越えたのか分からないけれど、ここまで変わらない町並みっていうのは、もう奇跡的なことかもしれませんよ。

 


坂を上りきって、仲宿商店街を久しぶりに歩いたけれど、このご時世に、なかなか活気のある商店街で人通りも多いのにはちょっと驚きましたね。
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ああ、グリルふじでまったりとした午後を過ごすのもいいだろうな。


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それに、この路地。それにしても、この辺りの中華屋さんは、なんで、みんな北京料理屋なんだろう、屋号も違うのに、ちょっと不思議だ。

今日も、お昼抜きで歩きまわっているので、もうお腹が空いてしかたがない。

でも、また中休みや連休で、今日もまた入れるお店が見つからないんです。


 

その時、商店街にものすごい風情満点の屋台を見つけちゃった。

よ~し、今日は、たこ焼きに缶ビールだ。この後行かなくちゃいけない所があるので、あまりお腹を一杯にしたくなかったので、これはちょうどよかったね。
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たこ焼きが10ヶで200円目 これってめちゃくちゃ安くないですか!


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早速買いましたよ。それで、近くの広場のベンチで開いてみたら、なんと12ヶも入っているじゃないですか。それでね、1ヶ食べてみたんです。???う~ん、2ヶ、3ヶと食べてみたんですけど、なにかこう、糊を食べているような感じで美味しくないんですね。でもね、ここでビビッと脳髄に電気が流れたんです、ハイ。そう味覚の記憶っていうんですかね、それがこうビビッとね蘇ってきたんですね。

 

この味はね、僕らが小さかった頃の屋台やお好み焼き屋さんで食べた味なんですよ。もう間違いなく40年近く前の味なんですね。それも、あの頃は美味しいと思って食べていた味なんです。今やすっかり贅沢になって忘れていたけれど、あの頃のこども達は、みんなこれを美味しいって食べていたんですね。

そう思ったら、何故か急にこのたこ焼きが愛おしくなってですね、食べられるんですよ。だってそう思ったら、小学校のグランドの傍にあった、たこ焼き屋のおばあちゃんの作っていたたこ焼きと同じ味になってたんですもの。

まさに郷愁の味ってやつだったんです。胸にしみる味だった訳ですね。
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さてと、いつまでも昔を偲んでいるわけにもいきませんのでね、本日の目的地に向かいましょうね。

 

 

 

それでね、本日の目的地がここです。
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いいでしょう、ホッピー酒場 亀屋


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もちろん、あの方 は、ご訪問済みです。

まだ、のれんが出ていないんですが、白髪の紳士(近所のおっちゃん)が躊躇なく入っていかれるので、続いてあたくしもお邪魔してしまいます。

あっ、いつの間にか、僕から、あたくしに変わってますけど、気にしないで流して下さいね。あんまり細かいことを気にしていると、将来大物になれませんからね。


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白髪の紳士は、瓶ビール。

 

あたくしは、さっき缶ビールをいただいちゃってますんで、レモンハイをいただきます。

 

壁の時計が5時10分を指していますよね、これをよ~く覚えておいて下さいね。


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紫色のアルマイトの灰皿が、なんとも色っぽいっすね。

 


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レモンハイをお代わりしたらですね、大将が「あれれ、全部まぜて飲んじゃったの」
「炭酸半分残して、焼酎だけお代わりすれば安いんだよ」なんてアドバイスしてくださるんですが、「それじゃあ、あたくしには濃すぎるんです」と答えると、お代りに持ってきてくれた焼酎の量が最初より明らかに増えているんですけど(笑)


ぼくはグラスのふちをまわる それで、ソース焼きそばなんて頼んじゃうとですねこれが、具も何も入っていない、正真正銘のソース焼きそばなんですよ。

 

ただ、焼きそばの下には、レタスの細切りが敷いてあって、これが焼きそばの熱でしんなりして旨いんですね。

 

技あり一本で、300円でした。
 



 

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壁に掛っている古い写真ですが、これお店の常連さんの親睦会なんですね。

あたくしのこどもの時も、父が行きつけの角打ち酒屋の仲間で行ったバス旅行なんてえのに、着いていった思い出がありまして、なんだか懐かしくなっちゃいましたね。

 

開店して1時間ほど経ちますと、常連さんが集まってにぎやかになってきました。

あたくしも、お仲間に入れていただいて、カウンターを挟んで盛り上がります。

ぼくはグラスのふちをまわる 粋なおじさん達と話してますとね、皆さん小学校からの同級生で、もう60歳なんですって。

皆さんとてもそんなお年には見えなくて、若々しくてね、話しがむちゃくちゃ面白いんですね。

特に黄色いTシャツのK氏は、お洒落で、話が面白くて、あたくしは板橋のマハトマ・ガンジーなんて勝手に呼ばさせてもらうことにしましたよ。

あたくし、どこの飲み屋さんでも言われるんですが、今夜も、「あんた、2回目だよな」なんてK氏から聞かれましたけど、いえいえ、初訪でございます。

 

さて、レモンハイも4っいただいて、7時になったので、そろそろお暇しようと思ったら、元ガキ大将風のYさんが、「おにいさん、強いね~」「オレがもう一杯ごちそうするから、飲んでってよ」と声をかけて下さいました。

それじゃあ、せっかくなので、レモンハイをゴチになってから帰りますね。


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このお方達は、寶焼酎の500mℓ瓶を2本くらい簡単にやっつけちゃう猛者らしいんですが、昨晩も痛飲されたみたいで、「今日はあんまり飲めねえよな」とか言い合いながら、それでもガンガン飲まれてます(笑)

幼馴染が飲み友達なんて~のがいいですね~。

さて、そろそろお暇しますか。現在午後の7時30分です、右手の写真ですが、もうお気づきだと思いますが、時計は未だに、5時10分なのでした。

いや、ただそれだけですけど、なにか・・・。

 

さて、すっかりご馳走になってしまいました。皆さんにご挨拶すると、「また来てくれよな」などとお声がけいただきます。ありがたいことですが、もちろん呼ばれなくったってまた来ちゃいますから、その時はまたよろしくお願いしますね。


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外に出ますと、白地の夏のれんにホッピーの提灯がなんともいいですね~。


ぼくはグラスのふちをまわる その上、こんな屋台がこれからご出勤です。

板橋って、意外と侮れないかも。

 

おい、なんか忘れてやしないかって、

 

はてなんでしょうかね?

 

ああ、ホッピー酒場に来たのに、肝心のホッピーを飲んでね~じゃないかって。

 

それは、次回の訪問の時のお楽しみってことで。


皆さん、ごちそうさまでした。