お客さんのいない劇場は、この季節、とても寒いです。
市民会館などの公共施設のホールは、古い建物だったりすると、空調の効きがよくなくて、足元に冷たい空気が流れていることが多いです。
普通の稽古だと衣装などは身に着けないし、照明もまだありません。
そうするとやっぱり、待ち時間が寒いんですね。
ところが、これが、本番が近づき、ゲネプロの段階までくると感覚が変わってくるのがわかります。
衣装をつけて舞台に向かったとたんに、寒さを(夏なら暑さを)感じなくなるのです。
いや、知覚としてはわかってるんですよ。冷たい空気が流れてるなとかそういうことは。
でもそれを、感覚としての「寒さ」に結び付けることがないのです。
あれはなんなんだろうなあと思っていたのですが、今日ふと気づきました。
あれは「舞台に立つという緊張と興奮を身にまとっている状態」なのだということに。
自分の外側に膜ができてすっぽりくるまれているみたい。
それくらい、非日常的な空間であり、時間であるということなんだなあと思います。
そして今日、無事にゲネプロも終わり、いよいよ明日は本番です。
今日は空っぽだった客席に、お客さんが座るのです。
ドキドキします。
劇団で公演をうつときはまた違った緊張と喜びがあります。
お客さんが楽しんでくれるといいな。
がんばります。