アクション! | 10月の蝉

10月の蝉

取り残されても、どこにも届かなくても、最後まで蝉らしく鳴き続けよう

今朝の「王様のブランチ」の映画紹介のコーナーで、「マッハ!弐」の予告編を見ました。CGなし、スタントなしのガチンコ勝負。ドラマなしのオールアクション、というとても楽しそうな内容。「象の背渡り」という危険なアクションの映像を見たときざあっと総毛立ちました。

これ、見たいですねえ。こっちで映画館にかかったら観に行くかもしれません。


何度も書いてますけど、ジャッキー・チェンの「プロジェクトA」はほんとに面白かったんです。ストーリーじゃなく、ジャッキーのアクションにやられた感じ。

なんで、どこが、そんなに好きなんだろうと、ちょっと考えてみました。


ジャッキーのアクションの一番の特徴は、本人が本当にやってる、ということですよね。そしてそのアクションの内容が、人間の限界ギリギリである。なんでそんなすごいことができちゃうんだ!という驚きがあるんです。

自分の肉体一つで、いろんなことができる。その単純さが好きなのかもしれない。

敵と戦うシーンでも、縦横無尽に飛び回り跳ね回り、そのへんにある道具を巧みに使って攻撃する。もちろん本物の戦闘ではないので、段取りがあるわけですけど、段取りがあるならあるで、その流れが絶妙である。


同じように肉体一つで行うものでも、格闘技というのがあまり好きではないんです。

年末に放送される格闘技とか、ボクシング、プロレスこのあたりはなぜかあまり見たいとは思わない。ほんとに戦っているところは見たくないんでしょうね。またプロレスはいまだにどういうスタンスで見ればいいのかよくわかりません。段取りとも違うし、本当に戦っているわけでもないし。


息子が仮面ライダーを見ているとき、ドラマ部分にはほとんど興味を持ちません。幼すぎて理解できないから、だと思うんですが、でもライダーと敵との戦闘シーンになると夢中になってみています。

私はさすがに仮面ライダーの戦闘シーンには夢中になれませんけど、ジャッキーの映画で、似たような感じになります。ドラマ部分はさほど真剣に見なくて、アクションシーンを一生懸命見る、というような。

ジャッキーのアクションシーンは一種の完成された舞踏に近いものがあるような気がします。様式美、とでもいうべきもの。そしてその中にものすごく難しい動きが入っていて、それを成功させることが重要なポイントになっています。高いところから落ちるとか、動いているものに飛び移るとか。その「できるかできないか」というところにハラハラさせられてしまうんですね。


私がSASUKE好きなのもきっとそのへんに理由があるんだと思います。

サスケは、すべてのステージで「できるかできないか」がはっきり問われています。腕力、指の力、握力、脚力、そういったすべての筋肉をいかにうまく制御していくか。トレーニングももちろん大切なんですけど、慎重さと同時に大胆さも必要だし、緊張感の継続という精神力も必要になってくるんです。

以前、似たような企画で「バイキング」とかいうのを別の局でやったことがありました。でも、これはあんまり面白くなかった(私にとっては、です)。なぜなら途中で完全に運頼みの部分があったり、運動能力と関係ない部門があったりしたからです。そんなふうに混合されてしまうと、純粋に運動能力だけで測れなくなってしまう。あの長野さんがつまんない計算問題エリアでリタイアしたときは、心底がっかりしたものです。そんなものどうだってよかったのに。

今年の元日決戦はほんとに手に汗握りました。長野さんがジャンピングスパイダーでまさかの落下を喫したり、漆原さんが驚異の快進撃を見せたり。

競技の一つ一つが、人間の限界に挑戦せざるを得ないようなつくりになっているんですよね。常連の人達は軽々クリアしているので簡単そうに見えてしまうんですが、番組の最初の方は普通の人達が挑戦してて、それを見ると思った以上に大変なのだということがよくわかります。ジャンプするにしてもけっこうな距離があるし、小さな突起をいくつもいくつも指や手の力だけで渡っていくのは並大抵のことではないんです。そういう、不可能に近いことを成し遂げていくのを見ている、という興奮。それがサスケの醍醐味だと思います。


そういう意味では先日放送された、モンスターボックスも同じような興奮を味わえますね。もとは「筋肉番付」という企画だったんですよね。あれも好きでよく見てましたけど、競技によって好き嫌いがありました。巨大ボールの押し合いとか、走るだけとかいうのはあんまり面白くなかったなあ。ボタンを押してボールにタッチする(名前忘れちゃった)やつとか、寝そべった状態から起き上がって旗をとりにいく(なんとかフラッグ)やつは大好きでした。そして中でも一番好きだったのがモンスターボックス。

つまりは跳び箱なんですけどねえ。15段あたりから常人の域を越えてくるんです。

今回は17段まで行った人が多かったですね。サスケオールスターズの竹田さんも17段クリアでしたっけ。あんな見上げるような高さの跳び箱が飛べる、というだけでもわくわくしますね。

数年前に横浜でマッスルミュージカルを見たときに、会場の外に22(23?)段の跳び箱が置いてありました。ものすごい高さでしたよ。こんなのを飛ぶんだ、と改めて感動したものです。

単純だからこそ、その技量や実力がはっきり出る。そういうものを見るのが私は好きみたいです。


今映画は3Dが流行のようで、「アバター」は大人気みたいですね。他にもCGがすごい映画がたくさんあるんですけど、たしかにCGは綺麗だしいろんな可能性があるし、すごいとは思いますが、「結局機械がやってんじゃん」という思いが抜けないんです。幼稚な言い方をするなら「それってつまりは嘘じゃん」ということです。どれだけすごいことをしようともCGであるならなんだってできる。要するにお絵かきなんですから。CGの技術そのものはすごいと思うし、その手間は大層なものだとは思いますが、それが描き出しているものに関しては感動のしようがない。

たとえばジャッキーがハイキックをするとしましょう。本人がしたなら、その上がった足の高さや、ジャンプの高さ、キックの破壊力は本人のものですから、「ジャッキースゲエ」ということになります。

これをCGでやった場合は、ジャッキーではなく、その「CG技術」がすごいということになってしまうわけです。


それが悪いわけじゃないですよ、もちろん。そういった技術の進化には敬意を払いますが、私が感動するのは単純な肉体の行使なんだな、ということです。



私自身が運動音痴で、体力も筋力もなく、精神力も弱いからこそ、真逆のものにあこがれてしまうんでしょうね。まるで自分がやっているかのごとく、入り込んで見ています。サスケなんて見終わるとぐったりですよ(笑) また春に放送があるみたいなので楽しみです。「マッハ弐」も観に行きたいなあ。


気分はアクションスター(σ・∀・)σにひひ