ネタバレOKの方のみ、おすすみください。お願い

 

■     切ないロマンス(じれったいロマンス) エピソード5(1):私の心をもて遊ぶ

 

書斎に残されていたうさぎのぬいぐるみ(ねこ似)と、宝石箱をもって、ユミの自宅まで怒鳴り込んできたジヌク。

 

「遠回しじゃなく、はっきり言え。君はそこに何を見た?」

観念し、謝りながら、紙袋を差し出すユミ。

 

ユミの脳裏には、巨大なダイヤのネックレス、ジヌクの脳裏には豊胸パッド。サイズ感の話になると、通じているようで、とことん食い違っていきます(笑)。

 

言い争う2人の背後から・・・「やめてください」

「こいつは誰だ?」

ユミの肩を抱き、自分に引き寄せるヒョンテ。

驚くジヌクをにらみつける。

 

前回はここまで。

 

「言わなくてもわかるだろ」

どこからどう見ても、彼氏です。

「イ・ユミ、それは本当か?」

首を振るユミを押さえつけるヒョンテ。

「あなたは、ユミの会社の本部長のはずですよね。この状況がどういうことか理解できませんが、話が済んだなら、お帰りください。」

ユミの肩を抱いたまま、強引に連れ去るヒョンテ。

「行くぞ」

何度もジヌクをふりかえるユミ。

 

混乱と嫉妬と、いろんな感情でぐちゃぐちゃになりながらも、運転するジヌク。

なんとか冷静になろうと、「リラックス。リラックス。」と唱えています。

なんとかご帰還。また持ち帰ることになってしまったぬいぐるみと宝石箱。

 

~店の中~

「あ、あった。見つけた。そうだ、ここに置いておいたんだ」

「ゲーム機のために戻ってきたの?」

「うん」

「以前にそんなことしたことあった?」

ヒョンテの行動に、違和感を感じているユミ。

「俺・・・ちょっとかっこよかっただろ?ドラマの中の主人公かと間違えそうだっただろ?」

結構、ためらいました。

微笑みながら、ヒョンテの腕を殴るユミ、

「どうかしちゃったのかと思ったよ」

「でも、つきまとわれてた。これからも、うるさくつきまとうようなら、もう一度、彼氏がいるってあいつに言ってやれ。俺、いつでも協力してやる。」

「大丈夫。そんなんじゃないから。ああ、疲れたな。お休み。行くね」

「うん、気をつけてね」

 

~ジヌク自宅~

「そうだ、まぁ、彼女がずっと1人だったなんて理由は、どこにもないんだよな」

激しく落ち込むジヌク。

 

~アパートの外階段~

こっちも考え事のユミ。

「彼女のこと、単なる元教師の娘だと思ってた。彼だって、誤解するなと言ったし。」

~回想~

<遠回しじゃなく、はっきり言え。君はそこに何を見た?>

 

「待ってよ。私の何がいけないのよ。私と彼との関係はそういうんじゃないわ。チュ・ヘリならお似合いだし、三食野郎がよく食べて、そして、彼らが一緒に良い人生を送れるように願ってるわ」

そして、ヒョンテのことは、よぎりもしない(涙)

 

「乾杯。」

飲みながら、ディレクターたちと打ち合わせしているチュ・ヘリ。

噂話を聞きながら、ジヌクに迎えに来て欲しいとメールするも、代行運転を呼べと返事が・・・。


ミーティングの議題である、CEO(最高経営責任者)へのインタビューの人選が難航中。

ハンサムで、才能があり、そして放送向きにしゃべりのうまい人物となると難しいというディレクターたち。

自分にあてがあると、画策するチュ・ヘリ。

 

「お休み、イ・ユミ」

ヒョンテがユミの部屋を眺めて、バイクで帰ろうとしてるその頃、ユミもまた、布団に入っても眠れず・・・

<“大丈夫か”って、聞いてくれたの、あなたが初めてだった。>

<俺のために泣いた最初の女性じゃないが、“大丈夫か”と尋ねて泣かれたのは初めてだ。>

<それに、泣いた顔が可愛く見えたのも初めてだ>

その頃、ジヌクもずっとユミのことを考えている。

 

~本部長室~

8時ジャストに、ノックの音。

「どうぞ」

ユミがバスケットをさげて入ってきました。

「朝食のためのサケのステーキを用意しました。」

「これ、持って帰ってください」

ぬいぐるみを取り出すジヌク。

「はい。」

「では、こちらも受け取ってください」

宝石箱の代用品(これはこれで可愛いけどね)を差し出すユミ。

その手を抑え、「いますぐ、これを持って帰ってくれ」

お約束のしゃっくり。

立ち上がるジヌク。

「そして、二度と私の前にこのことについて話さないでくれ。いいな?」

「はい、分かりました。手を離してください。・・失礼します」

 

おお、とうとう本題!

「昨日の夜の、あの男は誰なんだ?彼は君の彼氏か?」

<うるさくつきまとうようなら、もう一度、彼氏がいるってあいつに言ってやれ。>

「私の個人的な生活をご紹介する義務がありますか?」

「まさか、君たちは、一緒に暮らしているのか?」

「それもまた、個人的な質問ですので、それに答える義務はないですよね?」

「君は、俺に答える義務はないが、あれが彼氏なら随分低レベルだな、イ・ユミさん。俺には、怠け者のように見えた。」

おもわず、カチンときたユミ。

「ヒョンテは、私たちの近所では、かっこよくて人気があります。それに、彼はすごく寛大で、外面のいい特定の誰かさんとは、まったく異なるレベルです」

「誰だって?外面のいい?」

「忙しいので、失礼します」

出て行くユミ。

「彼女・・・俺のことじゃないよな?彼女は、外面のいいと言った。あの女・・・」

追いかけようとしてなんとか思いとどまる。

バスケットをあけて、料理を確認する。

「なぜ、食事はこんなに、可愛くて・・・可愛いのに?」

またまた写真コレクション入り。

 

「なんで、あえて、彼は私の親友のルックスを判断するの?彼は、もっと自分の彼女のことを気にかければいいのに!」

「何をぶつぶつ言ってるの?やる気ないの?・・・やることは、たくさんあるのよ!」

おお、久しぶりの調理長の鉄槌。

「本部長の食事を届けた後、すぐに戻ってこないのはなぜ? 会社は、本部長とデートしに来るところじゃないでしょ。」

「ここのオフィスのロマンスがあって、エキサイティングだわ」

「本部長は私のものですぅ~。」

 

「すみません」

調理長に謝るユミ。

 

食パンを口で咥えているシンファ。

「それ、何?」

 「ああ、これ?」

「チュ・ヘリが、「清潭洞の一番弟子」(=TV番組)上で、これを紹介してたんだ。先生も試してみたい?引き裂いたらおしまい」

「けっこうよ」

「おしゃべりをやめなさい!食品中に唾が入るでしょ。何してるの?」

「申し訳ありません」

 

チャン秘書のスーツを見たジヌク。

「パターンが派手になってるな」

「私は賛辞としてそれを取っておきます。」

「その本は何だ?」

「ああ、これ?お待ちしている間、読むつもりなんです」

「ミス・グッドモーニング・・・ではなく、ある人が、私にそれを勧めてくれまして・・・」

『ヨーロッパへの道』

裏表紙には、ヒョンテの写真が載っていて驚くジヌク。

<あなたは、ユミの職場の本部長のはずですよね>

<お帰りください>

<ヒョンテは、私たちの近所では、かっこよくて人気があります。>

「たいした作家だな」

「本部長、彼をご存知ですか?」

本を見まわし、答えないジヌク。

「会議のあと、VIPフロアーでの夕食の予約をしました。」

「予約はキャンセルしろ」

「え?」

「俺は会議の後。会社に戻って、弁当を食べる」

「本部長、私の本を返してください・・・」

「畜生。」

本を投げ捨てるジヌク(笑)

あわてて拾いながら、ジヌクを追いかけるチャン秘書。

 

「え?今夜は、本部長の夕食はいらないって言ったのに?どうしたのよ?」

メールでの指示に、あわてるユミ。

「夕食は、彼の本当の目的を達成するための口実よ。」

「イ栄養士、お先に失礼します」

「お疲れ様」

「今日も、キュウリのキムチがなくなったっていうクレームが提出されたわ。あなたの注意力は、最近どうなってるの?」

怒って帰る調理長。

 

「私は、これを聞くと疲れるの」

「調理長、どこか悪いのかな。」

「また彼女、持病の椎間板ヘルニアじゃないかな」

「椎間板? 」

「長い時間放置するほど、悪化するんだ。彼女は、俺たちのリーダーだから仕事は辞められないし、でも仕事を辞めない限り、手術を受けられない。だから、理解してやってください。じゃ、お先に」

帰っていく調理師たち。

 

1人残ったユミ。慌てて、ジヌクの夕食作りに取りかかる。

 

「これは、韓国風のナシゴレンです。好みに合わせて、香草を取り除き、改良しました。」

ユミを無視して、仕事を続けるジヌク。視線を感じ、ようやく「お疲れ。もう行ってよい」とだけ伝える。

「はい。」

ユミがいなくなると、猛然と食べ始めるジヌク。

 

もどってくると、ヒョンテからメール。

<今夜、ドングと漢江に行かない?>

「コール。すぐに支度するね・・・」と入力している途中で、ジヌクからメール。

 

<なぜ、今日はこんなに少ないんだ?たった今、別の夕食を準備しろ>

「え?.今?」

 

「困ったわ。十分な食材だってないし・・・」

 

「ひき肉入りのライスボールです。突然のことで材料も・・・」

「わかった。もうさがっていい」

カラッポになったナシゴレンの器を回収するユミ。

今度もまた、ユミがいなくなると、ドリンク剤を飲み干し、猛然と食べ始めるジヌク。

 

帰り支度をして、くたびれ果てて社員食堂のイスに座り込むユミ。

ヒョンテからの電話。

「もしもし」

「おい。まだ来ないのか」

「三食野郎の非常識のせいよ。何度も追加の食事の注文してきたのよ。すでに夕食を2回も食べてるくせに。これってどんな意味があるの?彼は人間?信じられない・・・。とにかく、彼の食欲のせいで遅くなっちゃった。漢江に行くのはキャンセルね」

「じゃ、これから迎えにいこうか?」

「本当に?迎えに来てくれる?」

突然、殺気、いや視線を感じると、ジヌクが、覗いている。

「ひっ! ・・・ねえ、後でかけなおすね」

 

「誰かが君を迎えにくるのか?」

「いいえ・・・でも、なぜ、ここに来たんですか?」

「腹が減った」

「ええ?」

「ラーメンが食べたい・・・」

席に腰を下ろすジヌクが信じられないユミ。

 

ユミからのコールバックがなく、落ち込むヒョンテ。

「ユミはまだ帰ってこないの?私はあなたと外出だと思ってたのに」

「ユミは、今日忙しいみたいです」

「本当?じゃあ、ヒョンテや。店を閉じた後に、ちょっと飲む?」

「は?」

「寒いときは、なぜか、もの悲しい感じにならない?」

「ごめんなさい。私は私の友人と、昨晩かなり飲みすぎて・・・すこし、新鮮な空気を吸いに出てきますよ。」

「そう」

ヒョンテの後姿を見ながら「あの2人、できてるのかしら?」と呟くオンマ。

 

バスケのコートで、1人黙々とシュートし続けるジョンテ。

「ジョン・ヒョンテ、なぜ、お前は昨晩、あんなことした?友人が嫌がらせを受けてたら、隠れて見てるべきじゃないだろ!本当にそれだけか?・・・わからないよ。」

えええ?まさか、ヒョンテ、自覚なし?それとも、好きなのに、今一歩、強く出られない自分の気持ちが、モルゲッソなの?

 

ぶつぶつ文句を言いながら、ラーメンを作るユミ。

 

ラーメン鍋を持って、あらわれたユミ。

「今日は、大変なお仕事があったみたいですね。今夜は、すごい食欲ですね」

「俺には、多くの仕事があってやることも多いが、空腹が原因で集中できなかった」

「あ、鍋敷を忘れてしまいました。ちょっと待ってください。」

「いや、鍋敷ならここにある」

テーブルにヒョンテの本を置くジヌク。・

「どうした?はやく置いて・・・」

ユミの手を取り、強引に鍋を本の上に。

「これ、この本・・・もしかしてヒョンテの・・」

「・・・ではありません、この本は、私の秘書のものだが、この厚み、鍋敷としての使用に最適なんだ。座って。俺が食べ終わるまで待ってて」

「いいえ、もう家に帰る準備ができてますから、すぐ帰ります。食べ終わったら、返却口にこの鍋を返却してください。」

「いいから座って!」

しかたなく、座るユミ。時計を見て、時間を確認する。

 

「今夜、デートの計画があったように聞こえたが、俺が邪魔したか?」

「本部長。念のため、お聞きします。今夜、3回も夕食を依頼されたのは、まさか、この鍋敷を書いた人のせいですか?」

「イ・ユミさん。理由もなく、こんなことをすると思いますか」

「いいえ。」

ユミを凝視するジヌク。

「麺がのびますよ」

「イ・ユミさん。俺も、確認したいことがある」

「なんですか?」

いきなり立ち上がり、ユミに顔を近づけるジヌク。

視線を反らそうと必死になるが、意に反してしゃっくりが・・・。

 

「あの、お水をもってきます」と立ち上がるユミの腕をとるジヌク。

「君のこれらの常習しゃっくり・・・これが何を意味するか知っているよ」

「私は、何を意味するかわかりませんけど・・・」

一歩、また一歩、ユミに近づき、両腕を押さえるジヌク。

「これらのしゃっくり・・・たしかに、俺だけのためのものだろ?どうした?なにをそんなに神経質になってる?」

ジヌクの手を振り払うユミ。

「私のしゃっくり・・・は、私の横隔膜の痙攣によるただの生理現象です。賢い人なら、人々がなぜしゃっくりをするのか、知るべきです」

「俺が聞いているのは、そうじゃない」

「私は緊張してるんじゃなくて、不快だからです。」

「不・・不快?何のせいで?俺のせいで?」

「ええ。あなたは、私をどれだけ不快にさせるか、わかってます?私はあなたを見るたびに、忘れたい過去の記憶を思い出すんです。それは私にとって、本当に不快です」

「イ・ユミさん。」

「もう答えましたから、行きますよ。」

 

 

★切ないロマンス 5話(2) に続く★