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■     切ないロマンス(じれったいロマンス) エピソード3(1):私の内部は、チヂミのように反転

 

いままで、メールだけのやり取りにすぎなかった宿敵:本部長が、あのときの“ワンナイトラブ”の相手だとわかったユミ。

ガーンガーンガーン

他人のふり。しらないふり。

なんとか気力だけで持ちこたえ、そそくさと退室する。

おもしろいことになったな、と呟くジヌク。

 

退勤時間になり、社屋から出てくるユミ。

「そうよ、こんなのおかしいわ。話にならないわ。だって、あの広い肩幅の男・・・彼はリゾートホテルのベルボーイだったじゃないの」

会社の前に停められていた車のドアが開く。

ジヌク待ち伏せです。反射的に逃げようとするユミの腕を掴む。

「君は変わってないな。頭のてっぺんからつま先まで。俺はより魅力的になっただろう」

(私は誰ですか?私はどこ?)

(わかってる?今、私は私の心を失ってるのよ)

(私は誰ですか?しっかりするのよ、イ・ユミ)

「あの、私はあなたが何をおっしゃっているのかわかりません。」

しゃっくりが出た段階で、アウト~~(笑)

「俺を覚えてないって?」

「ええ、よく分かりません。あなたは、当社の本部長じゃありませんか」

「そうじゃなくて、個人的に。」

「よく分かりません。」

他人のふり。しらないふり。

さすがに、人目が気になる2人。

「一旦、車に・・」

「え?」

ジヌクの手を振り解くユミ。

「私は、よく知らない男性の車にすぐ乗るような女じゃありません」

どの口が言う(笑)

そう言って駆け出すユミ。

「逃げ出したな。それで、これからどうするつもりだ?」

つい微笑むジヌク。

 

~ヒョンテの店~

「お帰り」

「おかしくなりそう・・・ホント。なんであんなところに立ってたの?もう、どうしたらいいのよ」

「どうした?誰かが、お前にキスしようとでもしたか?」

にらむユミ。

「おい、お前に贈り物があるんだ。じゃじゃん!『ノーブルマン(高潔な君)』」

「私が、気高くあんたを殴る前に、視界から消えて」

「なんだよ。お前が探してくれって頼んだんじゃないか。俺がこれを見つけるのに、どれだけ多くの書店を回ったかわかるか?」

「いつ頼んだのよ。え?いつ頼んだのよ。人を欲求不満扱いして!」

やっぱり、ソンフンってそういう扱い?(笑)

 

~ユミの部屋~

あの日のジヌクの言葉を思い出すユミ。

<君は俺が誰か分からないと思うけど、普通の人間じゃないんだ>

<言うつもりはなかったが、テバクリゾートの会長の息子・・・>

<まさか、あなた、会長の息子の車を盗んだの?>

 

「彼はベルボーイじゃなくて、会長の息子だったの?」

 

<君は変わってないな。頭のてっぺんからつま先まで。俺はより魅力的になっただろう>

「ああ、どうしよう・・・」

 

ジヌクも、やっぱりユミのことを考えてます。

<一旦、車に・・>

<え?>

<私は、よく知らない男性の車にすぐ乗るような女じゃありません>

「どのくらい、とぼけられるか、見てやろう」

 

一方、ユミは・・・。

「世の中には、こんなにたくさんの企業やレストランがあるのに、なぜここに?おしまいよ。おしまいだわ」

 

翌日

「ええ?チャン秘書さん。私に、自分自身で届けるように言ってます?」

本部長室への食事の配達も依頼するチャン秘書。

多忙でトイレにも行けないことを訴えるユミに対して、けんもほろろ。

「本部長が望んでいることです」

解雇されても構わないなら、この業務を拒否できると言われ、了承するしかない。

「いつからですか?」

「もちろん。今すぐ!」

 

とうとう本部長室まであがってきたユミ。

「どうぞ」

ホワイトボードにまとめられている資料。

 [Daebokリゾート改造計画]

ユミが転んだ浴室や客室の写真が・・・わざとらしい(笑)

「どうしました?驚くべきものを見たような顔だな?」

「いいえ、私は何も見てません」

他人のふり。しらないふり。

「今日のメニューは何ですか?」

「あの、これは、揚げ豆腐に梅干を挟んだもので、こちらは葉をご飯で包んだもので、こっちは葉で包んだご飯です。すべて同時に食べやすくて、ボリュームたっぷりです。」

交わし続けるユミから視線を逸らさないジヌク。

「すごく期待してるよ」

「本部長の期待を満たすために懸命に働いています・・・いえ、一生懸命働きます、という意味です」

「俺たち、今後しばらくは、毎日毎日会うことになるな」

「お召し上がりください」

また、ユミのしゃっくりが出るくらい、接近するジヌク。

 

「あああああ、私は、一日三回もこんなことをしなければならないわけ?」

トイレに逃げ込み、涙ぐむユミ。

 

~車での移動中~

自分の顔は、他人から見て、忘れられがちな顔なのか、チャン秘書に尋ねるジヌク。

そう簡単に忘れるなんてないと思ってたのに、ユミの反応が半信半疑のようです。

「私は、あなたの顔は、世界で上位5%にランクだと思います。」

「上位5%ではなく、1%だ。とにかく・・・金魚でない限り、私の顔は、簡単に忘れることができないよな?・・・責任逃れなんてさせないからな」

「あなたの周りの誰かが、責任逃れをしようとしていますか?」

「ああ、予測可能な誰かがな」

 

「ワンナイトラブだって?」

ヒョンテの言葉にうなづくユミ。

「女性従業員とそのろくでなしの間で?おい、面白いよ、それ」

「そうかな?・・・そうだよね?」

ユミの一瞬の間が気になるヒョンテ。

「ああ、そうだよ。ちょっと待って。忘れる前に、書き留めておこう」

「ねえ!あんた、死にたいの?これを公開したら、まじで殺すからね」

ユミの剣幕に驚くヒョンテ。

もちろん、自分のことだとは伏せて、ヒョンテに話を聞いてもらったみたいだけど、かえって、混乱が深まったユミ。

急に席を立つユミの態度に、

「ええい、まさか、彼女にかぎって・・・」と全否定するヒョンテ。

 

翌朝、3年前のオープンカーで現れたジヌクをみて、思いっきり動揺するユミ。

 

<今夜の夕食・・・このワインとよく合う料理にしてくれ>

ご丁寧に、あのときのワインの写真まで送られてくる。だいぶ追い詰められてるユミ。

 

 [ "酔った勢いで While Drunk  " - ウン・ジウォン] をやめて(笑)、 [ "Je T'aime" - ヘイ] にするジヌク。

浜辺で歌われてた歌ね。

 

 

ジウォンの歌、最後まで聴きたい方はどうぞ。

1theK (원더케이) ありがとうございます。

 

 

ちなみに、ジウォンは、

 

Lee su hyun, Kim eunbe と一緒に、OSTにも参加してます。

この曲もけっこう、可愛いので、ついつい口ずさんでます。

1theK (원더케이) こちらもありがとうございます。

 

恐る恐る本部長室に入るユミ。

「このワインには完全にこの曲だな」

 

「これ好きだろ?」

「いいえ、私、あまりお酒飲めないので」

「なんで?君は、たくさん飲めるように見えるけど」

「失礼します」

逃げ帰るユミ。

 

~ヒョンテの店~

なぜか、ここでも "Je T'aime" - ヘイが流れていて・・・

「それ、やめて!」

「いやだね~~」

ふざけるヒョンテに、黙ってきびすを返し、店を出るユミ。

 

栄養士仲間とお茶しているユミ。

「ねえ、大学のカフェテリアも、そう悪くないわよ。多くの学生に囲まれてると、私まで若くなってるような気がするっていうか、それにね、魅力的な若い教授とかも、けっこうたくさんいるのよ。毎日、ときめいてるわ」

「でも、Daebokに比べたら、そうでもないんじゃない?」

「え?」

「ねえ、ユミったら、なぜ今日はずっとそんななの?大丈夫?」

「ああ、ごめん。ちょっと最近、悩んでて・・・」

「どうして?仕事、大変なの?」

「仕事でうるさい男がいて、私はその男に一日三食を提供しなければならないの」

「それって最悪・・・」

 

「最近、非常にお元気なようですね。何かいいことでも?」

チャン秘書、いたって普通にジヌクにきいてます。

「そうか?」

「昔のあなたを見ているようでうれしいです。」

「何だよ?成熟したって誉めてただろ」

「時には、未熟だった昔が懐かしくなるんです」

「なんで?」

「あの栄養士が理由ですか?栄養士の料理は非常に効果的でなければないと・・」

「生きるために食べてるだけだよ!」

 

そこへ、ヘリから電話。

「なぜ、また電話してくるんだ?非常識だな・・・もしもし?」

「ねえ、オッパ。私は、もう仕事終わったの。あなたが暇なら、お弁当を持っていくわ」

「俺は忙しいんだ。出張の準備中だ」

「じゃ、夕食はどう?」

「今夜も残業だ」

「あなたの仕事が終わるまで待ってるわよ」

「待つな。そんなことしたら、どうなっても知らないぞ。もう行かなきゃ、じゃあな」

 

「もしもし?もしもし?彼ったら何なの?なぜ彼は、そんなに大変なの?あれだけのハンサムだもの、絶対つかまえるわよ」

ヘリとの会話を聞いてたチャン秘書。

「今夜、残業されるんですか?」

「ああ」

「(さきほどは)勤務時間を終えたとおっしゃいましたが・・・」

「夜食を食べなきゃ」

「あなたが残業することと言ってるのは、夜食を食べるということなんですか?」

「なぜ?だめなのか?」

「いいえ、いいです。気にしないでください。」

 

調理師4人&ユミも退勤時間です。

「ねえ、ちょっと待って!みんなで、チキンとビール、行こうよ。今日は本当に悲しいんだ。俺を慰めて、助けてください。」

シンファが皆を呼び止めます。

「またオーディションをダメだったの?」

「あんた、まだ歌手になろうとしてるの?」

みな口々に、予定があると断り、さっさとその場をあとにする。

残ったのはユミだけ。

「じゃ、先生はどうですか?」

「私は特に予定はないけど・・・あ、ちょっと待って。」

まるで、見通したかのようなジヌクからのメール。

<今夜残業する予定です。午後10時に夜食が食べられることを期待しています。>

「突然、今夜遅くに仕事をしなければならなくなりました。」

「仕事?」

セキュリティゲートを戻っていくユミ。

あわてて、皆を追いかける

「待ってよ!一緒に帰るよ」

 

泣く泣く調理場に戻ってきたユミ。

<ムール貝とエビのシーフードパスタ>

<(厨房には)どんな魚介類も残ってません>

<シー・フード・パ・ス・タ!>

「はいはい、かしこまりました。私はあなたのためにそれの準備しますよ。あなたの不吉なパスタを。」

買出しにいくユミ。

「考えてみれば、君は、俺の期待以上だ。今日こそ、食品の爆弾を現実に破壊してやる。」

 

ノックの音。

「どうぞ」

ワイシャツをまくった袖から出たジヌクの腕に一瞬、目を奪われるユミ。

「静脈パスタ・・・じゃなくて、シーフードパスタです。では、ごゆっくり・・・」

「待って」

「何か?」

「どれどれ。どこかに置いたかな。ああ、ここにあった。受け取って。あのときのガソリン代、利息つけて返済するよ」

どんどん近づくジヌク。

「何をおっしゃっているのか、わかりません。」

「受け取って」

「なぜ、こんなことをされるのか・・・」

他人のふり。しらないふり。

「理由は知っているはずだ」

「あなたのユーモアはかなり独特です。」

「さぁ、今、君も俺に返すものがあるだろ?俺の服。俺のコート。オーダーメイド、100%ウール、ベージュオーバー!君はあの日、俺の服を着て逃げた。」

「私はあなたが言っているのか理解できません。」

「まだ、とぼけるつもりか?いいだろう。それなら、なぜ君は、こんな遅い時間に俺に会いに来た?まさか、少額のガソリン代のために来たわけじゃないよな」

「私は、単純に、仕事のためにここに来ただけです」

ユミを抱き寄せるジヌク。

「信頼できないな。俺は君の言葉や料理を信頼できない。君は、俺のことをずっと、知らないふりをしている。どうして、俺は君の料理を信用できる?俺の食べ物に何をするか、だれがわかる?」

「ちょっと・・・私は栄養士です。私の周辺状況と料理を混同しないでください!」

「それなら、あれを、すこし食べてみて」

「え?」

「君の料理を試してみて」

一口食べてみせるユミ。

(大量のとうがらし粉をぶちまけようとして、ためらってたユミ(笑))

「満足ですか?もう、家に帰ってもよろしいですか?」

「ああ、君がそうしたいなら・・」

「あまりにも味気ないっていうのなら、塩少々を追加してください!」

部屋を出ていくユミ。

 

「ひどいヤツ」

 

ひと気のない階段のすみのほうで、誰かに電話しているユミ。

「チーム長。私たちって、他の仕事場所に異動したりしますか?」

<何だって?イ・ユミさん、あなた、3週間だけそこで働いただけでしょう?>

「しかし、私にも事情が・・・」

<Daebokグループだろ?誰もがそこで働きたくて死にかけてるっていうのに、何言ってんの?>

「その通りです。私は、本当にここで働きたい方と、切り替えたほうがいいんじゃないかなって・・・」

<ねえ、泣かないで。後悔するよ!よく聞いてください。ユミさん>

その会話を、上からチャン秘書が、鬼の形相で聞いていました。

「え、うそ!」

<もしもし、待って?ユミさん>

 

「イ・ユミさん、君はあまりにも無責任な人だ。君は、ちょっと扱い辛い何かが起こったら、常にこんなふうに逃げるのですか?背中を刺すみたいに?」

「私は、そんなことしません。」

「だったら、その話は何ですか?君の行動に正当な理由はあるとでも?」

「ええ。私は、この会社で一日300人以上の食事を供給し、食堂を管理する責任があるんです。そのうえで、毎日、本部長のための3回の全く異なる食事を準備することは容易ではありません。パートタイム従業員でさえ、休憩を取得できてるのに」

「だから、君の給料が低すぎると言いたいのか。そういうことか?」

「昇給?本当に、人を馬鹿にするのもいい加減にしてよ!」

「君は、俺にタメ口で話すのか?」

「あなたは、最初からこれを計画してたんでしょ?あなたは、とぼける私を責めたかったんでしょう。あなたがしつこくきくからよ。ええ、いいわ。私はすべてを覚えてます。うそをついてました。私は、リゾート、ワイン、私たちがビーチで何をしたかも!私はそれをすべて覚えてるわよ!そして、あなたのコート?ええ、私が持ってったわよ。取っておきたかったけど、私の母が捨てたから、お返しできません」

「ああ、よく聴いて。イ・ユミさん」

「これをしろ。あれをしろ。これはいやだ。あれはいやだ。雑種犬を訓練しているみたい。私はあなたの栄養士ではなく、あなたの家政婦です。私たちの個人的な事情と、私たちの仕事とは別にしましょう!私は栄養士で、あなたはビタミン欠乏の本部長よ!とにかく私が作ったものは、黙って食べなさい!」

言いたいことをぶちまけて、出て行こうとするユミ。

「待て。ちょっとそこで止まれ。俺からも質問がある。なぜ、君はあの日の朝、置き去りにした?」

「好奇心で聞いてるのですか?」

「いいから、その理由が何だったかを教えてくれ」

 

「一夜限りだったから・・・」

 

<初めてだったから、怖くなったの>

<忘れてしまいたかったのに・・・>

<でも、私の心はずっとドキドキのまま>

<少しも過去の状況にはならなかった。>

内心ではこんなに自分の気持ちがわかっているのに、まだジヌクには本音を言うことができないユミ。

 

「おわった・・・」

階段に座り込むユミ。

 

★切ないロマンス 3話(2) に続く★