放送は終了しましたが、ねたばれOKの方のみ、お進みください。お願い

 

■ Episode14 その人である理由

 

(前回のおさらい)

私、こんなことを言うと、馬鹿みたいだってわかってるけど、ここに来たのは、私のためじゃなくて、公主のためだったの?

 

私、あなたを見ると、胸が痛くなる。こんなふうに、あなたを見ているときでさえ、会いたくて気が狂いそうになる。でも、あなたは私を見ても何も感じないの?平気なの?

 

「俺のせいだ。お前のせいじゃない。俺のせいだ。」

アロの腕の傷をみるソヌ。

「猛烈に自分に腹がたって、申し訳なくて、お前を見れなかった。」

「それじゃ、わたしのこと、会いたいと思ってくれてた?」

「自分が嫌になった。でも、お前に会いたくて仕方なくて・・・苦しかった。」

抱きしめるソヌ。ようやく、ほっとできたアロ。

 

そこへ 突然、松明や農機具を片手に、大挙して押し寄せる村人。

「中に入ってろ」

「でも・・・」

「いいから、中で待ってろ」

異様な雰囲気の中、アロを下がらせるソヌ。

村人たちを前に、スホ、パルリュも駆けつけてきました。

「なんだ、こいつらは?」

「新手の暗殺者か?」

「何者かわからん。だが、多すぎる」

 

「盗賊の一団が外にいます。」

公主に報告するアロ。

「危険です。外に出てはなりません」

 

スホ「こいつら なにがしたいんだ。」

パル「知るかよ」

スホ「俺たちの首には、そんなに価値があるか?」

ソヌが気づきました。

「物資だ! 向こうには、王室への貢物もある」

ソヌたちを取り囲む村人たち。

「くそ、奪われるわけにはいかないぞ」

スホは激高し、剣を抜き、応戦しようとするのを、それを、サムメクチョンが身体を楯にして、とめました。

「何するんだ。」

「彼らは、本格的な武器などもっていないだろ? 俺たちは、傷つけるわけにはいかない。」

 

ソヌ「彼らは一日中、飢えているんだ。そして、夜は盗賊になる・・・」

彼らの様子を確認しながら、独り言のようにつぶやく。

 

スホ「お前、本気か?あの貢物のもつ意味を分かってないのか?」

サム「それでも、俺たちは、彼らを殺してはならない。」

突然、潮が引いたように、さ~っといなくなる村人たち。

パル「このまま、行かせていいのか?」

スホ「お前、なんだよ」

サムメクチョンを殴るスホ。

スホ「こんなことをして、もし、太后殿下や王が危険な目にあったら・・・おまえ、ただじゃすまないぞ。」

サム「民がどんなふうに生きているかわかっても、まだ、王を守れると言えるか?」

スホ「なんだと。」

サム「無能で、馬鹿で、臆病者な王を・・・。」

スホ「お前、ほんとに!」

 

ソヌ「やめろ!」

ずっと 黙って聞いていたソヌがスホをとめる。サムメクチョンが立ち去る。

 

翌朝、空っぽになった荷車を、呆然と見る花郎たち。

パルリュ「なんで、あいつらは、俺たちがここを通ることを知ってたんだ?(ルートは極秘だったのに。)」

スホ「あいつらは 地元の盗賊みたいだったぞ」

ソヌ「あいつらは ただの百姓だ」

パル「百姓?」

ソヌ「国境周辺に住む飢えた百姓たちが、盗賊になったんだ」

パル「お前は、普通の民が 盗賊になったと言ってるのか?」

 

公主がやってくる。

「南扶余の王室への献上品だけでなく、この旅に必要な物資も全て盗まれたというのは、本当か?」

 

スホ「申し訳ありません。彼らをみつけて、捕まえてきます」

ソヌ「無駄だ。もう食べ物に変えようと、売り払ってるころだ。」

それを聞き、無言で戻っていく公主。

スホ「お前がいなければ、こんなことにはならなかった」

怒りが収まらず、言い捨てて、その場を離れるスホ。パルリュもあとに続く。

 

ソヌ「なんで、そこまでしたんだ? お前にはなんの関係もない奴らだろう?彼らの命を助けようと逃がしたのは、なぜだ?」

ソヌは、サムメクチョンが彼らの正体に気づいていたことが 気になります。

サム「普通の百姓だ。彼らは、民だ。新羅の民を救うのに、理由などない。」

 

今後のついて協議する一行。

公主「王京には戻らない」

スホ「ですが、我々は親善のためにいくのです。手ぶらで行くというわけにはまいりません。それに、我々の食べ物など、必要な物資もなくなり、このまま進むのは難しいかと」

公主「三日後には、聖王(百済の王)の誕生日だ。太子は好戦的な性格で、それを理由に神国を攻撃することもある。我々は、それを防がねばならない。急いで 準備をするのだ」

 

太后に会いにくるアンジ公。

「なぜ、そんなところにおるのだ? わらわの脈を診にきたのでは?」

「もう殿下の脈をとることはできないと申し上げにきました」

「なぜだ」

「賤民村に疫病が出て、彼らを治療しに行かねばなりません」

「ほかの医者を使わそう。賤民のために、わらわを診られないなど、馬鹿げている」

「違います。殿下の脈をみる医者は、ここにはたくさんおりますが、彼らを見ることができる医者は、わたししかおりません」

「他の医者など 信じられない。言ったはずだぞ。」

「私には、関係のないはなしです」

「畏れ多くも、太后の命令に 逆らうというのか」

「結構です。それでは、私を殺しますか?」

「まだ、わらわを責めるのか。」

「あなたは、なにかを期待して誰かを責めるのですね。私は、責めても、なにかが変わるわけもなく、期待しておりません。ただ、殿下にお会いしたくないだけです。」

「今は・・・だめだ。もし、そなたまで私を見捨てたら、誰もいなくなってしまう」

「なにか、思い違いをされていらっしゃるようですが、私は去るのではありません。最初から、殿下のおそばにいた覚えはありませんから。それから・・・一度はあなたの言葉で、私の世界が乱れたこともありましたが、今は、あなたの涙を見ている間でさえ、心は冷え切っています。」

アンジ公が去っても、涙がとまらない太后。

 

物資がない一行、河原で、野営することになる。

「仕方がないが、今日は、ここに野宿するしかない。」

驚くパルリュ。

「こんなところにか? 公主様がいらっしゃるのに?」

スホ「周辺に 役人もおらず、泊まれるようなところもない。それに路銀もないのだ 」

ソヌ「お前たちは薪にする木を探してきてくれ。俺は、少しでも野営のための囲いか何かを作ってみる」

周囲を見回し、馬のところにいた武官を呼ぶ。

ソヌ「申し訳ないが、武官さん、なにか食べ物をさがしてきてくれ。」

武官「かしこまりました。」

ソヌの命に おとなしくいうことを聞く武官たち。

パ「なんで、お前が指示してるんだ?」

ス「お前に、なんか 別の考えがあるのかよ。いいから、ついてこい」

パルリュをひっぱっていくスホ。

 

周囲を見回すソヌと それを見つめるサムメクチョン。

 

一計を案じたアロも行動をおこしてました。

村人の農作業の合間に、脈をみてあげたり、世話をやいたり、そして・・・お得意の××話。(笑い)

 

農作業そっちのけで、固唾をのんで、アロの言葉を待つ一同。

アロ「-そなたと口づけをしたときの話だが・・・。

   -お願いですから、私の許可なく口づけしたり、それ以上のことをしたら・・・。

   -俺にどうしろと?」

例のごとく、周辺の農民たちも、アロお得意の恋バナに、わ~きゃ~大騒ぎ。

一同「続きは? ねぇ、続きは?」

アロ「-謝罪がいいか? それとも 告白してほしいのか?

    -私に謝って・・・ください」

さらに、大騒ぎ。

男「おお~なんてこった。まだ、可愛いこと言うんだな。俺たちだったら、こうはいかない」

笑い合う一同。

男「なぁ、その娘は 彼を受け入れるべきだよ。彼らは、戦いに行く禁軍の武士なんだろう? なんで、振ったりするだよ?」

首をふるアロ。

「ところで、その女性と武官様ってどんな感じなの? ほら、あの綺麗で高貴な感じの御嬢さんと、あそこのイケメン公子さんみたい?」

話をきいていた女性が、スクミョン公主を指差す。

「ううん、たしかに、公子は合ってるけど、その娘は、ここにいるわ」

自分に似ているのだと主張するアロに、え?まさか~と大笑いする一同。

「ほんとなんだから。彼女は私に似てるのよ。」

 

薪用の木々を拾うスホ。

ついてくるパルリュ。もちきれなさそうなスホをみて。ついお手伝い。

「そっちも貸せよ」

バランスをくずして、川に落ちるパルリュ。

「まったく、あほだな」

お決まりの水かけっこ。 小学生かって(笑)

 

岩の上で、靴をかわかす二人。

スヨンの巾着を懐に大事にしまうパルリュ。

「それと似たようなの見たぞ」

「なに言ってんだ?」

「スヨンは、もしかして、お前が好きなのか?」

咳払いするパルリュ。

「そんなことないよな。もしそうだとしても、あいつを受け入れるなよ。俺たちは、ようやく近づけたところだけど、また、気まずくなりたくないんだ。」

自分たちの関係だけではなく、家同士のことも含まれているのよね。優しいね、スホは。

考え込むパルリュ。

もう、Kissしちゃいましたけど、遅くないですか? でも、まだ、腹を割って話すまでにはいかないよね。。。

石の上に寝転ぶスホ。

「ああ、気持ちいいな」

 

「大丈夫ですか? 公主さま」

夜になり、スクミョンを気遣う女官。

 

せっかく 丁寧にソヌが起こしていたたき火に、考えなしに、木をくべるサムメクチョン。

「おい、やめろってば」

「なんだ?だめだったか?」

「今晩は、交替で夜通し、警護する必要があるな。盗賊もくるかもしれない」

そこへ、武官さんたちが、すごすごと戻ってきました。

「申し訳ありません。」

食べ物を見つけてくることができなかったみたいです。

「仕方ない、今日は、飯抜きだな」

「いや、俺はそうは思わないぞ」

サムメクチョンの視線の先には、重そうに食料を抱えてきたアロの姿が。

 

お得意の恋バナで、食べ物をゲットしてきたアロ。結構な量と種類に、一同、驚きを隠せない。

「すごい!」

「こんな山の中で、どうやって見つけてきたんだ?」

「どこにでも、情け深い人たちっているんですよ。いい人は、こうして分け与えてくれるんです。わかります? どうしたの? 早く食べましょうよ。」

 

公主に食べ物を持っていくアロ。

「どうぞ、お召し上がりください。私が調達してきました。」

「わらわのことを、お前を殺そうとしたと思っているのだろう? それなのに、なぜ、わらわの世話をするのだ?」

「公主様たちのような世界はよく知りませんが、この世には、おひとよしって言われる人たちっているんですよ。あなたが嫌っても、食べ物を分け与えてくれるんです。それに、私は、あなたの主治医です。自分の患者の面倒を見るのは、私の仕事です。」

複雑そうな面持ちで、アロを見つめる公主。

 

「さ、ゆっくり動かしてみて。」

針治療で、武官さんの首の痛みをとってあげるアロ。

「お、これは不思議だ。動かしても痛くないぞ。あなたは、すごい名医だ」

「そんなことないわよ」

「ほんと、すごい名医だと思うわ。」

公主様付の女官も 感心してます。

「ほんとにそう思います? みんなもそう?」

みんなに好かれるアロ。

 

「お前の妹は、どこでも生きていけるな。 だから好きなのかもしれないな。」

ソヌが不快そうに、サムメクチョンをみる。

「なんだよ。だから 好きだっていっただろ。」

「冗談もほどほどにしろ」

「あいつに関しては、冗談なんか言わない。 お前が羨ましいよ。いやだけどな。彼女みたいな妹がいて、羨ましくて。 なんで、お前の妹なんだろうな。」

「なんで、アロなんだよ。」

「あいつは、俺のたった一人の人だ。世界でたった一人。それが、彼女を切実に必要としている理由だ」

「アロのために、ここまで来たのか?」

「言っただろ?必死だって。」

「そうか、でも、あいつは俺にとってもすべてだ。彼女を望んでいるのでも、必要なのでもない。俺が、まだ生きて、息をしているただ一つの理由だからな。」

なんとなく、ソヌに微妙なものを感じたサムメクチョン。

静かに語っているだけに、二人の本気度が伝わってきました。

アロ~~~、あなたのどこに、そんな魅力が?(失礼)

 

~公主の即席テントにて~

「申し訳ありません。今夜は ここで、一緒に寝るしかなくて。明日には到着しますし、ご不快なのはわかっていますが、少しだけ我慢してくださいね。」

アロは、自分を連れてきたのは、ソヌを連れ出すためだったのか、尋ねる。(王だと噂がたった)ソヌ郎のことを 兄だと思っているのではないか、と心配し、それは間違いだと告げる。

「なにを馬鹿なことを。考えたこともない。あやつをここに来させるために、お前を利用したのは本当だ。私の傍におきたい人間だと思っておる。」

こっちは、こっちで、ソヌの取り合いです。

 

~たき火の前のソヌとサムメクチョン~

サム「人は、なにをもって 生まれてくるんだろうな?お前には、リーダーの資質があるようだな。お前のいうことなら、人は動く。」

ソヌ「お前は、違うのか。」

サム「お前から見てどう思う? 俺が 他人をリードできるように見えるか?もし、お前が王なら、神国をどんなふうに変える? 民が飢えから盗賊に変わり果てるような、今の神国をどうすべきだ?」

「おまえが、自分で王じゃないって言ったんだろ。なぜ、お前が悩む?」

「たしかにな。」

人は、火を見ながら話をすると、結構、深い話をしてしまうらしいです。

 

ウィファ公が釣りをしているところに、ピジュキ登場。

「こんなところで、何をなさってるんですか?また、釣りですか?」

「釣りをしていても、すこしもおもしろくないな。なぜだろう。時間がたつのが遅く感じるよ。」

「(あいつらがいないってだけで)空席が目立つ感じがするんですよ。」

「だから、妙に空虚で、やけに不安に感じていたのか? これはやはり・・・」

「それで、私が 米菓子をおもちしましたよ。」

「もう米菓子は焦げすぎだ。魚のえさにしてやろう」

「なにするんですか!!」

立ち上がるウィファ公。

「どこへ行かれますか?」

「酒でも飲んでくるよ。」

「こういうときは、一人でいかれますよね? まったく、釣りもやりっぱなしで・・・。」

 

兵法「六韜」の授業中。

ハンソン「ソヌたち、いつ戻るのかな?」

ヨウル「さあな。気になるか?」

ハ「会いたいよ」

ヨ「ケセが そんなに好きか?」「うん」即答

ヨ「おれは?」「嫌いだ。」即答

 

~川で洗濯中のパオさんとタンセ~

タンセ「お前、泣いてるのか」

パオ「泣いてなんかいない」慌てて、涙をふくパオさん(泣)

タンセ「なにがあったかしらないが、22の・・いや、いくつであっても、男なら、どんな場所でも泣くべきじゃない」

男前だわ、タンセ。でも、あくまでも、22歳にこだわるタンセ(笑)

タンセ「俺を兄さんだと思って、なんでも言ってみろ」

パオ「まったく、なんてこった」

天を仰ぐパオさん。。なんだろう、この関係(笑)

肩をポンポンして、なぐさめてあげるタンセ。(笑)

 

そこへ、なぜかカンソンがやってくる

「まさか、お前らの花郎がいなくて、泣いてるのか、二人して。ま、先だって泣くのもわるいことじゃないな。」

「どういう意味だ」

「お前らの花郎が 本当に戻ってこれると思ってるのか?」

カンソンを締め上げるパオさん。

「なにか知ってるなら、早く言え。殺す前に全部話せ。」

「お前らの花郎は、死ぬか、もしくは・・・」

「死ぬってどういうことだ?」

「ヨンシル公が、使節団は殺されることになっていると言ってたぞ。だから、あいつらは戻ってこれないのさ。」

川に突き落とされるカンソン。急いで戻るタンセとパオ。

「おい!」

 

~テテとタンセ~

副弟と話しているおじい様のところに、呼ばれたのかな。

「役立たずめ。何度言えばわかるのだ。お前は、ハンソンの兄ではなく、主人として仕えねばならぬ。お前は なにもできない無能な馬鹿者にするつもりなのか。ハンソンは、ソク家の唯一の跡取りだ。お前の骨が壊れるまで、ハンソンを鍛えるのだ。最高の花郎にしろ。わかったか。」

タンセをぼこぼこに殴るおじい様

祖父「タンセは、お前の代わりに殴られたのだ。この意味はわかるな。しっかりしなさい。」

ハンソン「はい、おじい様。」

にらみつけるタンセ。

言いたいことだけをいって、去っていくソク公。

「ひょん(兄さん)・・」

「おじい様も年をとったな。むかしだったら、起き上れなかったよ。」

なさけない思いでいっぱいの ハンソン・タンセ兄弟。

 

~ヨンシル公邸前~

げ? 元締だ。

ヨンシル公の屋敷に、なにか持ってきたようです。

「物が到着しました」

「これを南扶余に持っていくのですね。」

「そうだ、彼に渡すのだ。誕生日の前に到着しなければならない」

「かしこまりました」

 

「パルリュは、大丈夫なんでしょうか?」

「もう指示はだしておる。うまくやるだろう。」

 

南扶余の 太子(テジャ=皇太子)の登場です。

キム・ミンジュンさんでしたか・・・最近、お見かけしてませんでしたけど。

「国境を越えようとしていた新羅の民を、また捕まえただと?」

「はい 太子陛下」

「もう 受け入れることはできぬな。」

「一時的な牢を用意し、監禁しております。」

「そろそろ、戦にするほうがよくないか。この際、王を説得してみては? 俺は勝つ自信はあるぞ。」

「その新羅より、和親の使者がきておりますが・・・」

「他人の土地で狩りをしたり、耕作したりするやつらだ。なにが、和親だ。」

 

到着した面々。

「陛下、新羅からの使節団の皆様がこちらに。。」

返事もせず、食事を止めようとすらしない南扶余の太子を前に、挨拶する公主。

無視同然で、庭先に放置されたまま、随分、屈辱的な扱いです。

当然、スホは着火メラメラメラメラ

「なんだよ。聞こえてないのか?無視かよ。むかっむかっむかっ

「我慢しろ。」

スホをとめるサムメクチョン。

 

「お食事がお済みになるまで おまちいたします。」

「そうしたいなら、そうしろ。」

ようやく悠然と食事を終え、こちらへ、と鷹揚に手招きをする太子。

「で、今回はなにをもってきたのだ?」

顔色を変える一同。

「表敬したいと聞いたが、それであれば、私の興味を引く貢物をもってきたのであろう?違うのか?」

「新羅について 説明にまいりました。個人的に申し上げたいことがございます。」

 

二人きりで 太子の部屋で対峙する太子と スクミョン。

小さな金の仏像を手に取る太子。

「これで、すべてか?」

「それは 献上ではなく、親善の象徴です。」

「仏陀の情けに期待するということか?」

「百済と新羅は、長年 同盟関係でした。今や百済の同盟国は、高句麗を対象国となりつつあります。」

それをきき、ゆっくりと スクミョンの前に、歩み近づく太子。

「そなた、いくつだ。 国と国との親善を結ぶ方策を知らないのか? 婚姻だ。それも悪くないだろう。女としては、そそられないが・・・。言っておくが、私にはすでに何人か夫人がいるがな。」

 

長らく 外で待たされている花郎たち。パルリュが、ヨンシル公に命じられた手紙をそっと、服の上から押える。

 

南扶余に到着したアロ。城門の外で、足に怪我をしている子供を治療してあげる。

「あんたも新羅から来たの?」

言葉をしゃべれない様子の男の子。

「ずっと向こうにあるのよ。新羅から来たの?お腹が空いてるのに、遠くまで来たのね」

懐から、かんざしを取り出して、アロの髪にさしてあげる男の子。

「だめよ。受け取れないわ。でも、これどうしたの?これ、市場の売り物じゃないみたい」

再度、アロの髪にかんざしをさす。

「じゃ、ちょっとだけ さしておくけど、あとで返すね? それでいい?」

 

そこへ、いきなり 官兵が男の子を連れて行こうとする。

「来い!」

「なんですか?」

「こいつは盗賊だ。盗品を売ろうとしてたんだ」

「こんな小さい子が盗みなんて・・・。口もきけないっていうのに。」

アロの髪のかんざしをみる官兵。

「これはなんだ。おまえも仲間か?」

「私は、新羅の人間よ。盗賊じゃないわ。 お兄さん、助けて~」

 

「オラボニ~ 助けて~」「静かにしろ!」

ん?

「どうした?」

「なにか聞こえなかったか? あの声・・・」

「声?」

ソヌにしか、聞こえないアロの悲鳴。

 

「私は、盗賊じゃありません。新羅の公主様と一緒にきたものです。」と、懸命に主張するが、その盗賊たちと共に、牢屋にいれられてしまったアロ。

正確に言えば、それこそ、献上品を盗って売りさばこうとして捕まった、新羅の農民たちです。

 

太子と公主の会談は続いています。

「相当、混乱したようだな、おれのほうが驚いたよ。世間知らずなのか? それとも、馬鹿なのか? もし、王子を送れば、戦争を望んでいると思われるだろう。しかし、公主の場合はどう考えればいい?」

「貢物を要求されるのであれば、もう一度、準備いたします。ですから、その間、新羅へは攻撃しないでください」

「貢物? 絹と金を準備したと聞いたが、おそらく盗まれたのであろう? 我々は、安く売りさばいていた新羅から来たというそいつらを捕まえている。貢物を盗まれるような公主には、戦争を止めるのは難しいだろうな。見たところ、新羅の民は、忠誠心をもっていないようだ。もう貢品など必要ない。すべてこちらの手にあるからな。さて、百済のためになるのは、親善か、はたまた、戦か、どちらだろうな。」

立ち上がる太子。

「2日後、王の誕生日に、見栄え良く拡張された百済を贈り物とするつもりだ。もし、考える時間が必要だというのなら、それくらいは与えてやろう」

 

公主を待っている花郎たちのもとに、表から、公主付の女官が 飛び込んでくる。

「大変です。アロ医員が 兵士に連れていかれました・・・」

それを聞いた瞬間、飛び出すソヌ。そのあとに続くスホとサンメクチョン。パルリュが逡巡しています。

 

ソヌたちの前に、南扶余の兵士が立ちはだかる。

サム「剣を抜いてはだめだ!」

スホ「なんで、そんなこと言うんだ。何故だ」

サム「剣を使えば、すぐに戦になるぞ」

スホ「こんな少人数で、戦なんかになるかよ」

サム「剣を使えば、和親外交はその時点で終わりだ。」

それが、南扶余に、戦の口実を作らせることをわかっているサムメクチョン。

 

遅れてパルリュが来る。

スホ「どこ行ってたんだよ」

パル「なんだ、この騒ぎは?」

サム「彼らの誤解をとかなければ・・・。」

剣をぬかずに応戦するが、兵士たちに、剣を首元に向けられた花郎たちは、捕えられてしまう。

将軍「これ以上、問題を大きくしないでください」

 

~太子の居室~

太子「花郎の奴らは なぜ、問題を起こしたのだ?」

弓矢をかまえる太子。← 部屋の中なのに、自由だなぁ(笑)

将軍「彼らに同行してきた医師が、誤解により、一時的な牢に収容されたからだそうです」

太子「変だな。たかが医者のために。花郎全員が関連したのか?」

将軍「いかがされますか?」

 

将軍「こいつらを牢に連れていけ」

牢に連行される際、パルリュの目に、通りを歩きながら、黙礼する元締の姿が飛び込んでくる。

パル「なんで、こんなところに元締が?」

 

牢に入れられた面々。

「太子様のご命令だ。ここで、しばらく待っておれ」

アロのことが心配で、頭をかかえるソヌ。南扶余で見かけた元締の姿に、なにかがあると 気になるパルリュ。

 

同じく牢屋で、盗賊たちと一緒につかまっているアロ。

皆、疲れ切っていて、怪我人もいる様子。

「みなさん、私は、医術に心得があるんです。どこか痛いところはありますか?少しは、痛みがやわらぐわ。私の父は、名医なの。」と薬を見せる。

 

~将軍に声をかける元締たち~

「何の用だ?」

「お話があって、お持ちしました。」

「これが、先日 話したものなのか?」

元締が、金を荷車に積んで、太子付きの将軍に挨拶する。

「百済の太子様への 私の主人からのすこしばかりの心遣いでございます。ご覧にいれろ」

明けて見せる部下。

「この機会に、お逢いして、お話したいことがございまして・・・」

うさんくさそうに元締を見る将軍。

 

ジソの兄 フィギョン公が とうとう、太后の前に姿を現しました。

「本当に、幽霊をみたような顔だな。 足が少々悪い兄に、座れとも言ってくれぬのかな」

「・・・お座りください。」

久しぶりの兄妹の対面のようです。

「なぜ、こちらにいらっしゃったのですか?」

「まず、息子を追い出し、王位を主張した。そして、王女を危険な死地に追いやって、ずいぶん平安そうにみえるな。さすが、ただ一人の友も無残に殺しただけのことはある。」

「お話はなんですか?」

「花郎の中に王を隠したと聞いた。アンジ公の息子、ソヌが真興王だともな。もし、ソヌ郎が、百済から生きて戻ったら、そなたは、彼に王位を譲るべきだ。わしが、手助けしてやる。」

「10年ぶりに現れて、アンジ公の息子を王にせよ、と言われるとは。おっしゃってる意味がわかりません。」

皮肉に笑うフィギョン公。

「花中在王(花郎に隠れた王)、間違っているか? 」

 

スンミョンが献上した”金の仏陀”と、ヨンシル公の”金のひょうたん”を見比べる百済の太子。

「新羅には、たくさんの王がいると聞いた。本当だったのだな。で、彼は何が望みなのだ。」

「別に、書状を受け取られるだろうとのことでございました。」

「書状は別にくるだと?」

そっと、上目使いで、太子の顔を見上げる元締。

「おい、畏れ多くも、どなたを見上げているのだ?」

剣を突き付ける将軍。

「お前たちが金を運んでこなければ、お前の目玉を抜き取ってやってもよかったな。」

「申し訳ございません。申し訳ございません。」

追い出され、慌てて退出する。

 

実は、昼間、アロが捕まったと聞いた際の一瞬の隙に、スホたちから離れ、ヨンシル公から渡された書状を 太子に渡しに来ていたパルリュ。

「新羅の角干ヨンシル公より、これをお渡しするように、と預かってまいりました。」

 

その書状をもう一度読み直す太子。

『顔のない王が、使節団の中におります。意のままになされませ。』

彼は、俺に王を殺してほしいのか。

書状の意図をおしはかる太子。

「公主より、王と取引すべきか?」

 

~ソヌたちが入れられた牢獄~

牢に入れられた花郎たちを呆れたようすで、見回す公主。

スホ「申し訳ありません。彼らがアロ医員を捕まえたので、そのままにしておけず・・・、」

公主「半血の医員が殺されようと、なぜ、ほっておかなかったのだ。 」

一様に、え?と驚いた表情を見せる4人。

公主「わらわが 神国の民のために、どれほど不当な扱いを受け、我慢を強いられているのか、知っているのか? それを・・・わらわを守るべき花郎たちが、なんてざまだ・・・」

怒りに満ちた様子で、立ち去ろうとしたとき、ソヌが公主に声をかけました。

ソヌ「不当だと思うなら、なぜ、戦わない? しかも、その戦いが、民たちのための戦ならば、二度とこんなことが起きないようにしろ。不当だと考えるなら、我慢するのではなく、相手に正させろ。神国を代表してきたんだろ? ならば、怖れず、他人を責めず、自分自身の口で直接言え。

本当は、戦いではなく、闘いに近いニュアンスですね。

 

「公主様、お待ちください!」

将軍があわてて、止めにはいるも、太子の部屋に乗り込むスクミョン。

公主「なぜ 百済で耕作したり、狩りをしたり、通り過ぎただけの新羅の民ですら、牢に入れ、首をはねるようなことをする。彼らは剣を持った兵士ではなく、ただの農民だ。あまりにも酷い仕打ちではないか!」

「戦で領地にしたわけでもないのに、人の土地を横取りした・・・これは、酷い仕打ちではないのか?」

「私たちの民が、国境を越えたのは、たしかに過ちではあるが、どこの父親が飢えていく子供を放っておけるものか。これは、戦の口実にするのではなく、外交として解決すべき問題だ」

「和親を結びに公主が来たのだ、それならば、婚姻により解決するのはどうだ?」

「私には、すでに婚約者がいる」

「聖骨は、聖骨同士で婚姻するという・・・顔のない王のことか? 今日、受けた報告の中に、今回の使節団の中の花郎の一人に、実は、顔のない王がいるだとか? 私が彼らを全員殺せば、公主の婚約もないことになるが・・・違うか?」

馬鹿にされたスンミョン、将軍の剣を奪い、太子にむかって、剣を投げつける。

「もう一度、はっきり言うが、婚姻はない。 さらに、そなたが神国の王を殺すことも、決してない」

言い捨てて、退室するスクミョン。笑みを浮かべる太子

 

牢を出され、外に連れてこられる花郎たち。

中央に、太子が座っている。

「この中に、新羅の王が紛れ込んでいるそうだな。そこで、お前たちの身分を明らかにし、この一件の責任を問うことにする。」

無言の花郎たち。

「そうか、それでは、これならどうだ?」

新羅の民たちが縛られて 連れてこられる。その中には、アロの姿も。

「隠れていないで、さっさと名乗り出ろ。名乗り出るまで、15分置きにこいつらを殺し続けるぞ。そうなる前に、新羅の王は、良心に従って、名乗り出るべきだろう。」

 

ウィファ公が酒を飲んでいるところに、 ジソの兄が来る 

勝手に、ウィファ公の前の酒を飲干すフィギョン公。

「私は、誰のことも誘ってはいませんが?」

編笠をはずすフィギョン公。

「・・フィギョン公」

「仙門に “花中在王”という壁書が届いたそうだな?本当に、花郎のなかに、王がいるのか?」

「顔のない王のことを、私がどうしてわかりますか?」

「父上は、こんな病気になった私を早く死ぬと思っていた。聖骨の血を受けついだ王子が、こんな姿などとはありえないことだからな。父上は、まだ、生まれて間もない私を、冷たい部屋に置き、死ぬのを待ったそうだ。しかし、私は、死ななかった。それ以来、月城の中で、ひっそりと幽霊のように生きておる。」

自嘲気味に語るフィギョン公。

「”真興”が答えだと、考えてみてくれないか。 適した人間がいれば、王が変わってもよいのではないか? 骨品を越えて、今よりもましな神国を立てられる新たな王。そんな王子がいたら、あえて、“真興でなくてもよい”のではないか、という話だ。」

「顔のない王が、そのような王である可能性もありませんか?」

ウィファ公が言葉を続ける。

「私が摂政を反対するのは、母親が息子を信じられず、王座を占めているのが道理に反しているから、という理由です。しかし、王室の制度を否定し、この神国を混乱に陥れることは、毛頭ありません」

笑ってはいますが、牽制してみせるウィファ公。

 

~南扶余~

第一弾の数名が、剣で殺される。太子は本気だ。

彼らの血が、サムメクチョン以下、こぶしや服にまで飛び散る。

 

縛られたアロが、心配そうに見ている。

 

まだ、15分過ぎてなかったか? さすがに、早すぎたか?

 

ちらりと、ソヌを見るスホ。

動揺を必死で隠そうとするサムメクチョン。

次は、アロの番。

 

いまから、15分の半分にしよう。

 

サムメクチョンの目から、涙が一筋。

名乗り出ることを決意して、一歩前に出ようとしたその時、

「俺が・・・俺が王だ!」

なんと、名乗り出たのは、ソヌ。

 

「俺が、神国の王だ。」

堂々と 王の前に 立ちはだかるソヌ。

 

驚きを隠せないサムメクチョン、と 一行。

 

★第15話に続く★

不当だと考えるなら、我慢するのではなく、相手に正させろ。

これ、結構、ぐっと来ました。

男として惚れるとかではなくて、こういうことを言ってくれる人と喧々諤々やりながら、一緒に仕事してみたい、とか、思っちゃいました。

 

言われてすぐ行動しちゃうスクミョンは、それはそれでどうかと思いましたが・・・。

 

フィギョン公の言っていた ジソが たった一人の友を殺したっていうのも気になりますね。結構、憎しみをこめた口調でなじっていたし。

犬鳥郎の出生にからんでるような気がします。

実は、初回、ウィファ公が投獄されていたときに、先王の側近だったにもかかわらず、妃を誘惑した・・・云々って言ってたのも、密かに気になってるんだけど。

ああ、でも、どうでしょう。

予想を斜め上に裏切ってくれることを、期待してます。

 

でも、フィギョン公と ウィファ公は、特に同じ志というわけではなさそうですね。