放送は終了しましたが、ねたばれOKの方のみ、お進みください。お願い

 
■ Episode15 幸運は誰の手に
 

(前回のおさらい)

処刑されるとわかり、恐怖に震える民たち。アロの処刑の番を前に、王だと明かすことを決意したサムメクチョンの一瞬早く、ソヌが名乗り出る。

「俺が・・俺が王だ」

 

うひょ~~~。ソヌが、王だって、名乗り出ちゃった。

サムメクチョンの立場は???

 

正面にいる太子に向かって、歩みをすすめたソヌ。

再度、「俺が 神国の王だ」と宣言する。

パルリュもスホも、スクミョンも驚きを隠せない。

アロは、ソヌを見つめ続ける。

 

太子:おまえが、本当に、新羅の王なのか?どうやって 信じればいいのだ?

ソヌ:お前が、名乗り出るように命じたんだろう。もし、信じようとしないのであれば、呼び出すべきではないだろう。

太子:ほほぉ、お前の大胆さは気に入ったぞ。

 

太子のあとに続き、その場を離れるソヌ。

 

ソヌ以外、牢に戻されたスホ・パルリュ・サムメクチョンの3名。

最初に殺されたものたちの血が、握りしめたこぶしについたまま、呆然とするサムメクチョン。

ショックが強すぎて、座り込んだまま。

 

スホとパルリュが言い争う。

本当に、ソヌが王だと思うかと聞かれ、信じると答えるスホ。

もともと、ソヌが王であることを納得できないパルリュは、彼が王だとしても、自分たちにできることはない、と 苛立つ。

ソヌを救うためには、戦うことも辞さないスホに対し、自分たちの任務を主張するパルリュ。自分たちが言い争っても無駄だと、頭では分かっているのが、余計、もどかしい。

だまって、きいているだけのサムメクチョン。

「俺が、神国の王だ」

ソヌの宣言が、耳から離れず、ひとり苦しんでいる。

 

二者面談をする 皇太子と ソヌ。太子:

太子:お前が王であろうとなかろうと、お前を王だとしよう。そして、おれの足元に跪き、命乞いをさせてやる。

鼻で笑うソヌ。

ソヌ:太子の好きなようにしてくれ。新羅を代表してきた、非武装で平和的な使節を人質にとっているんだ。お前が(まともな)一国の太子だと誰が考える? お前の父、百済の王は、よくやったな、とお前を褒めてくれるかな?

太子:畏れ多くも、お前の口から 陛下について、語るとは。

ソヌ:百済の未来の王の顔を立てるチャンスをお前にやろう。

太子:誰が誰にチャンスをやろうだと?

ソヌ:お前も聞いたことがあるかもしれないが、新羅には、王の顔を知っている者は誰もいない。もし、太后が王が俺ではないと言えば、それがすべてだ。お前は、非武装の公主をとらえた単なる卑劣漢になる。だから、チャンスをやろうと言っているのさ。新羅の王が、百済の太子と正々堂々と決闘で勝負をする。

太子:俺は、残酷な戦の中で成長してきたのだ。お前のように隠れていきてきたわけではない。

ソヌ:俺たちは、お互い、過酷な人生を歩んできたようだ。

一歩も引かず、同等の立場で交渉するソヌに興味をもった太子。

 

部屋で考え込んでいる公主。

「そんなはずはない。あいつは、私の兄ではない。」

否定する公主。

「・・・ですが、命をかけて名乗り出たところをみると、おそらく 彼が陛下ではないのでしょうか。」

どうしても、ソヌが兄だという感じを持てないスクミョン。

 

アロたちも 牢に戻された様子。

男の子を抱きかかえているアロ。

~回想~

自分を救うために、王だと名乗り出て、目を合わさず、連れて行かれたソヌ。

 

殺されたものたちの家族は、涙にくれている。

男の子の母:彼女は、殺された人の奥さんよ。みんな、次に殺されるのは自分だと怖がっているわ。

アロ:あなた方は神国の民なのに、どうして、南扶余の領地に入ったのですか? 

母:どこの国の民だとか、そんなものが重要なのかしら、食べることと、長生きすることが何よりも怖い私たちにとって。

男の子のお母さんが、息子がなついているアロに、少し心を開いてくれたのか、会話を交わしてくれるようになりました。

 

牢に囚われたひとたちに、心配せず、気持ちを強く持って、と励ますアロ。

それを聞きつけた男が、アロに文句をいう。

「大丈夫だと? 何が大丈夫なんだ。」

目の前で仲間が殺されたばかりの男たちは、恐怖にかられ、アロのいうことを信じない。

「王だといったあの男の人のことを、私は誰よりもよく知ってます。彼は、私たちを決して見捨てません。」

自分に言い聞かせるように、毅然と話すアロ。

「約束できるのか? 俺たちが殺されたら、お前も死ぬんだな。」

「私は彼を信じるわ。」

「約束できるのか?」

アロの言葉を固唾をのんで見守る民たち。

「約束できるわ。私も、ここに一緒にいるわ。」

 

~ソヌと 太子~

ソヌ:お前が勝てそうなのを選べ。俺はお前が選んだものに従う。

太子:お前は俺を見下してるのか?

ソヌ:たぶん

すっごいわ~~~、この一歩も引かないどころか、優勢に立つ交渉術。

太子:お前は、お前が王になれると 信じてるのか。これは お前が王位につけるはずがないという意味だ。

 

もし、俺が勝ったら、公主をお前のもとに戻すことはできない。

おまえと一緒にきた花郎は、首をはねられるだろう。

問題を複雑にしないようにしよう。剣で勝負だ。

いいだろう。

 

将軍を呼んだ太子。

退室しようとするソヌを、太子が呼び止めた。

「待て・・・戻る前に、俺たちのツキをみてみよう。」

サイコロをふる太子。目は、5と6.

おもむろに立ち上がり、サイコロを落とすソヌ。

ここ、無言で、一切、目をそらさず、手をまっすぐ前に出してサイコロを落とすのみ。超カッコよかったです。

一瞬、ソヌの出した目を確認し、ふと微笑んで、

「彼をきちんともてなすように。彼は新羅の王だ どうぞ、お行きください。」

 

牢の前に通りかかるソヌ。

必死で、恐怖と戦いながらも、自分を見つめていたアロの姿が目の前に浮かぶ。

「ここが、新羅の民たちが、捕まっているところか?」

「そのとおりです。」

「ゆっくりお休みいただくため、王宮にご案内いたします」

「いや、俺は前のところのほうが気楽だ。そこでいい」

 

牢に戻されたソヌ。

「大丈夫ですか 陛下 」

心配して声をかけるスホ。

「ああ」

さすがに疲れ切っているソヌ

「本当にお前が王なのか。言えよ。」

「もういいだろ。パルリュ」

「そうだ、俺が王だ。」

 ソヌのほうを見る三人。

ソヌ「俺たちがここを出るまでの間だけな。」

パル「それは、その後には王にならないと言っているのか?」

ソヌ「俺が 王でもそうでなくても、 ここから出なければ。俺たちが生きていれば、王も生きてるってことだろ。」

スホ「今後のことはどう考えていますか?ああ、突然、敬意を表するのは、慣れないな。

なにか、考えているのか?」

ソヌ:チャン太子と決闘する。

なに? 驚く3人。

 

寝静まった獄中で、ソヌとふたり、会話するサムメクチョン。

サム「無謀すぎる。彼は、実践で鍛え抜かれ、戦いに長けているんだぞ。人を遊びのように殺める奴だ。」

ソヌ「それでも、俺は勝つ。守らなければならないものがあるから。」

サム「おまえの妹のことか?」

ソヌ「・・・そうだ。それと、”生まれてくる国を選び間違えて、守ってくれる君主もなし。恐怖におびえてる人々”・・・お前の言葉で言えば、民だ。」

互いに 視線をそらさないサムメクチョンとソヌ。

精神的にボロボロなサムメクチョンの表情が暗くて、自信なさげで・・・。ショボーンショボーン

 

太后のところに、禁衛長と共に、パオさんがやってきました。

使節団が南扶余の太子に 捕らえられた情報を報告にきたようです。

「それは、まことか!」

太后の驚きは 半端ない。

「金をもって百済に入った角干の配下の者より、確認しました。」

ことの次第が呑み込めない太后。

「角干の息子が、護衛の中にいたであろう」

「息子ではありません。彼の養子です」

実子でない者を、本気でヨンシル公が救うとは思えない。

パオさんが跪きます。

「殿下 どうか 陛下をお助けください」

「・・・和白を集めよ」

 

ウィファ公をたずねて、仙門を訪れたフィギョン公。

「・・・何についてお話ですかな」

こちらも、一度では、事情が把握できないウィファ公。

「花郎たちは殺されるだろう。」

「どういう意味ですか?」

「彼らは、和親できなかったのだろう。花郎は戻ってこれなくなった。南扶余の太子が、花郎の中に王がいることを知ったらしい。」

フィギョン公は続けます。

「おそらく、ヨンシル公の仕業であろうな。」

「百済と戦争になるとおっしゃるのですか?」

「いや、和白は動かないだろう。」

「それでは、我々は、何をするべきだと?」

動揺を隠しながら、必死で考えている。

「どう考える? 答えは、あなた次第だ。」

げ、 フィギョン公、丸投げ?

 

和白会議に、ヨンシルが顔を見せない。

太后「パクヨンシル公はどこだ?」

「急な腹痛のため、ご自宅にお帰りになりました。治療中かと思われます」

「使節団に、なにかあったのですか?」

「なにか誤解されているのでは? 」

必死で、援軍をおくることを提唱するキム・スプ公( スホの父親 )

「これは、確実な情報ですぞ。我々は、すぐに軍隊を送らねばなりません。公主様や花郎たちが危機なのだ」

反太后派は、のらりくらりと、かわしている。

「あなたは、心配のし過ぎなのでは?もし、起きてもいないことで 大騒ぎしたら、どうなるでしょう。」

「莫大な責任問題ですぞ。」

それを聞きながら、

(お前の息子が使節団にいないから、そんなに簡単に言えるのだ)と、内心、腸が煮えくり返る想いの太后。

「親善を築こうとしているときに、軍隊を派遣するなど、不可能でしょう。」

「名分の立たない話には、了承しかねます。」

もっともらしいことを言い、反対する重鎮たち。

「少し前、お前たちは戦争をはじめたがっていた。それでも、名分がないと? そなたたちが仕えている国は、どこじゃ。 神国の安全について 誰も心配せぬのか。

とうとう、太后が吠えました!ムキー

 

ヨンシル公の家に集結する 反太后派。

「チャン太子は、本当に、彼らを殺しますか」

ヨンシル公が、相変わらずの策士ぶり。

「思った以上に、たやすく進んだのぉ。自分の手を動かさずとも、以夷制夷できそうじゃ。」

※敵をもって敵を制する

「本当に、公主を護衛している花郎の中に王がいるのですか?」

重鎮の関心は、やはりそこです。

「(わしは)そう考えておる。しかし、もしいなかったとしても、王がいたようにすればいいのでは?」

 

フィギョン公の言葉を考えているウィファ公。

バリバリ米菓子を頬張りながら、笑ったかと思うと、いきなり、お菓子を投げつけました。

そうとう怒ってます。

「くそ!」ムキーッ

 

部屋で、さいころをふってる太子。

「俺はツイていると思ったが、あいつに会った今、そうとも言えなくなったな。」

将軍「彼を殺すのですか?」

太子「もし、神国が 俺の手に入ったら、問題なく、三国の王室の中で優位に立てる。陛下の誕生日の祝いとして、献上できるかもしれない。将軍は どう考える?」

 

将軍「もし、決闘の際、あなたになにかあったら、私が彼を殺しましょう。」

太子「将軍も年を取ったな。俺は、チャン太子だぞ。戦場は おれの遊び場だ。俺は、南扶余の皇太子、チャンだ。」

 

~仙門の大広間~

みんな、集まってくれ。なぁ、聞いたか?

あいつら、戻ってこれないかもしれない。

何? 大変だ。みんな。 それってどういうことだ

南扶余の皇太子にとらえられたらしい

事実か?

彼らみんな死ぬかも。

喧々諤々です。

 

~副弟と話すウィファ公~

ウィファ「副弟は、花郎に 神国を変える力があると信じていますか?」

副弟「なぜ、そのようなことをたずねられるのですか?」

ウィファ「いや、なに・・・突然、考えがよぎったのですよ。もし、幼い鳥が巣から離れ飛び立とうとするなら、多くの訓練の日々が必要でしょう。 もし、いま、あの子供たちを世間にだしたら、彼らは飛べるだろうか?・・・そんなことを考えたのです。」

副弟「風月主、私は、はじめ、ここが好きではありませんでした。しかし、以前とは、考え方が変わりました。 彼らは、大人の世界に影響されず、彼らの世界の中で、どう生きて行けばいいか、自発的に彼ら自身で決断できますよ

それを聞き、嬉しそうなウィファ公。

副弟「もしかして、また、なにかトラブルを起こそうと?」

ウィファ公「いやいやいや・・・副弟よ、ありがとう」

副弟、見直しました。

ウィファ公の背中を押してくれて、わたしからもお礼を言いたいです。 コマプタ~。ああ、泣きそうだぁ~。

 

ソヌが牢を出る時間です。

スホ「こんなバカげたこと、今なら、やめられるぞ。」

ソヌ「全く何もないより、何かあるほうがいいだろう。それでも、俺は負けない。」

将軍「準備できましたか?」

落ち着いていますが、表情の硬いソヌ。

そこへ、昨日から、一歩も動いていないかのような、座ったままのサムメクチョンが一言、

「死ぬなよ。」

それを背中で聞くソヌ。

 

決闘に向かう途中、前を歩くソヌの腕を剣で傷つける将軍。

すぐに、白布でしばって止血してるけど、なんのマッチポンプ?

びっくりあんで~~~ あんた、なにしてくれんの?!

 

なんで、こんなことをする?

一方と同じ条件にするためです。

? 太子も右腕に怪我してるっていうこと?

念のためだと言っておこう。

行きましょう。

忠臣なのかもしれないけど、全然、信じられない ガーン

 

ソヌと 皇太子チャンの一騎打ちがはじまりました。

「これはいったいどういうことだ?」

公主は、昨日の、太子とソヌの話は聞かされてなかったみたいです。

なにが行われるか知らずに、座ってたのね。

「公主様、これは 戦いです。新羅の全てがこれにかかっています。公主様も含めて」

 

我々は、この戦いにおいて、お互いに敬意をはらうつもりだ。

二国間の関係については、この戦いの結果にゆだねよう。

たとえ、結果がどのように出ても、それを提示しよう。

将来にわたり、ここで起きたことでは、遺恨を残さない。

 

百済の将軍と 神国の花郎の前で、これを約束しよう。

 

お互いに一礼する。

決闘が始まりました。

 

やはり 噂通り、チャン太子の武芸の腕は半端ない。

腕の傷の上に更に切られ、膝下も斬られる。

 

「もう、2度もかすっているな。そんな貧弱な剣のスキルで、俺と戦おうとしたのか? もう、1秒ももたないだろうな。」

 

( 彼の剣捌きは、無駄がなく、速い。これでは、身をかわせない。)

必死に対策を練るソヌ。

 

「今度も斬られるかな。」

今度は、反対側の二の腕が斬られる。

ソヌの腕から、血がしたたり落ちてます。

 

(彼は 俺をいたぶっている。俺が疲れるまで、この調子でいくだろう。これ以上、長引かせられない。)

 

「どうした? 逃げないのか?俺は楽しんでるが、お前はそうは見えないな。」

「お前が楽しんでると思うと、楽しめないな。」

「じゃ、これで終わりにするか?」

「いいだろう。」

 

もし、あいつが おれの腕をねらっているなら、くれてやろう

そのかわり、今度は俺があいつを斬る番だ

あいつより早くやらねば

1,2、今だ

 

太子の腕を斬りつけたソヌ。2、3刀目と続けて、傷つける。

将軍が、刀に手をかけた。

公主:将軍、これは 2国間の公平な戦いだと言わなかったか?太子の言葉を覆すのか?国をかけての戦いだ。手出しは無用。

 

お互い、刀傷で、剣をもてない状態になっている。

「ルールを変えるか?」

剣を捨てるソヌ。

「これで 本当に楽しめるな」

 

殴り合いの戦いになる。見ていられないアロ。

容赦なく、馬乗りになって、ソヌを殴りつけ、首を絞める太子。

「死ぬのが怖くないか?」

「おれがなぜ? この程度がなんだ。」

 

~マンマン村~

緊迫した場面から、急にかわったので、驚きました。

ウルクに連れられて、賤民村にやってきたアンジ公。

「ここが マンムンが住んでた家ですよ。」

アンジ公を案内する。

「 あいつ(ケセ)には、名前がなかった。だから、 ムミョン(無名)と呼ばれていたんです。しかし、その後、みんな 犬鳥と呼ぶようになりましたがね。」

「あなたは、私が運命の扉をあけてしまったと言われた。あれは、どういう意味だったのですか?」

「私がそんなことを?」

すこし、考えてから、

「世の中には、運命というものがあります。あなたの息子を 子供のころから世話したのはなぜか?」

「それはどういう?」

「あの子が、誰だとお考えですか?」

それが知りたいんです!!!

 

死闘は続いてます。

 

太子:やめよう。

ソヌ:まだ、終わってないぞ。

諦めないソヌ。

倒れこんだ太子が、昨日のことを思い出していました。

6と6 のさいころの目をだしていたソヌ。

 

(終盤戦は特に、パク・ソジュンの迫力がすごいんです。アロでなくても見てられません・・・視聴する機会があったら、血や暴力シーンに弱い方、指の隙間からでも見てあげてください)

 

立ち上がったソヌが、雄たけびをあげました。 まさに獣です。

 

倒れている皇太子の首元に剣をつきつけました。

「勝負、つきましたね。」

 

将軍たちが、太子を助け起こします。

 

「約束は守ってください」

部下を下がらせる太子。

 

「わたしは、これ以上、新羅とはたたかわないだろう。さらに、新羅の公主と 護衛たちは、ここで解放する。」

「民たちは? ここにいる民たちは?」

「彼らは、このままだ。彼らは、南扶余から盗んだ犯罪者だ。彼らの命をもって、犯罪の代償を払わなければならないだろう。」

「それは間違っている!!」ムキーッムキーッムキーッ

「囚人たちを連れていけ。」

アロがまた、連れていかれてしまう。

 

解放された公主に、ここをすぐ発つことを進言するスホとパルリュ。

「すぐにでも、神国に戻るべきだと?」

「皇太子の気が変わるかもしれません。」

「しかし、あとの二人はどこにいったのだ?」

 

捕虜がつかまっている建物を下見するソヌ。

「ひとりで、忍び込むつもりか?」

いつのまにか、隣にいたサムメクチョン。

「手を出すな。あきらめるしかない。お前が彼女を助けようとしていると太子が知れば、あの子は死ぬぞ」

「じゃ、どうすればいい。」

重いため息をつくサムメクチョン。

 

帰途の挨拶に訪れる一同。

将軍「皇太子は、まだよくなられていないため、挨拶ができない。ご理解ください。」

公主「くれぐれもお大事にとお伝えください。南扶余との和睦が成立して幸甚でした。」

将軍「かしこまりました。」

将軍が ソヌを見て、黙礼する。

 

~夜 牢の中で・・・。~

「まだ、あいつを信じてるのか?彼は 死んでも俺たちを見捨てないだって? あいつらは逃げ出すさ。」

「ほらな。どうするんだ。なにかいうことはあるか?」

口々に、アロを責めたてる男たち。

「どうしようっていうの。このお嬢さんのせいじゃないわ。」

男の子のお母さんが、アロをかばいます。

「なぜだ? おまえは、おれたちにのぞみを持たせるべきじゃなかった。おまえのせいで、ここにいても拷問をうけてる気分だ。これ以上の悲劇があるかよ。」

「速く死んだ奴らは幸運だった。かれらは飢えることも、死に対する心配も必要ない。」

「もし、おれたちが死ねば、お前も俺たちと一緒に死ね。」

やり場のない怒りを アロにぶつけるしかない。

 

「それでも、のぞみを捨てないでください。」

「なんだと。小娘!」

「どっちにしても死ぬかもしれないけど、まだ生きてるのであれば、できること、すべてやらなきゃ。いま、私たちにできることは、準備することです。」

「準備って 何の準備だ?」

せっかく生まれてきた命、人生は一回きりの機会です。よりよく生きるための準備、家に帰って、幸せになる準備です。

だから、死ぬそのときまで、信じて、望みを持ち続けましょう。

アロの言葉をかみしめる一同。

お母さんが頷いています。

 

夜陰に乗じて、ソヌとサムメクチョンが 牢に忍び込む。

やっぱり ほうっておけるわけがないクラッカー

静かに静かに、少人数ずつ倒していく。なんとか、牢の前まで、たどりつきました。

「早く逃げるんだ。時間がない」

牢をでて、通りまできたところで、挟み撃ちにされる。

そこへ、スホとパルリュも、かけつける。 そうでなくっちゃ。

「大丈夫か?」

「とにかく、皆を逃がさなければ・・・」

スホ「パルリュ」

頷くパルリュ。あのパルリュが、スホと以心伝心ですよ拍手拍手

 

治療中の皇太子

将軍「ご命令通り、やつらを逃がしました。」

太子「では、狩りに出かける時間だな。森にいる野生の獣は 狩人によって捕まえられなければならないだろう」。

 

なんとか、国境付近まで、逃げてくることができ、安堵する民たち。

「急ぎましょう」

「やったぞ」「やった~~~」

新羅の国境をこえ、喜んだのもつかの間・・・。

 

そこへ、南扶余の太子や兵士たちが放った弓矢が、数名の命を奪う。

悲鳴とともに、逃げ惑う民たち。

「逃げろ。とにかく 少しでも遠くへ逃げるんだ。」

 

ソヌを弓矢でねらう太子。

スホが ソヌの前に飛び出し、代わりに矢を受けます。落馬したスホのもとに、いち早くパルリュが駆けつけました。

「スホや、立てるか?」

すごい、なんか、ちょっと感動する。

 

「他の者を射るとは、恥ずかしいな。」

失敗しちゃった、てへぺろ、みたいなこと言うな!

 

将軍「我々は新羅の国境を越えてます。」

太子「それがどうした。 狩りを終えるのが先だろう」

 

遠慮なく狙ってくる南扶余の兵士たち。

男の子の母にも 弓矢が命中しました。うちの子を・・・と言い残し、息をひきとります。

「だめよ。」アロが泣きながら、抱きしめます。

 

囲まれたソヌたち。

「虎じゃなく、罠にかかった鼠か?」

 

太子「真興、俺と貴様で、決着をつけるべきだろう。」

自分以外の人間が、真興と呼ばれるのを聞くなんて、複雑以外の何物でもないサムメクチョン。

ソヌ「俺は決着はついたと思っていたが・・・いつも、往生際のわるい敗者なのか?」

太子「俺は、本物の戦をしたいだけだ。俺たちの、あの戦いの結果に不満だ。」

ソヌ「それなら、俺とお前で 1対1で戦うべきだ。」

太子「いや、今度は、チーム戦だ。俺は、あの盗人たちを生かしたまま、行かせるつもりはないぞ。」

太子の言葉に、ざわつく人々。

「彼はなにをいってるんだ」

 

決意するソヌ。

ソヌ「やれるものならやってみろ。おれが、全て、とめてやる。」

剣を抜くソヌ。

太子「最後までやるのだな。」

 

将軍が、南扶余の兵士に合図を送る。

サムメクチョンも、最前線で剣を抜く。

 

もうだめかと・・・思った瞬間、南扶余の兵士たちが矢に当たり、倒れていく。

後方から、弓矢の援軍が!!!

 

やった~。ウィファ公が、花郎をひきつれて、援軍にきました。

はためいた旗、あれ? 主要キャスト以外は、走ってきたわ。

馬じゃないのね(爆)

なんか、ぐっときたよ。青春ものの醍醐味だよ。

 

太子「なんだ、あれは?」

将軍「花郎のようです。」

 

新羅の民をまもるように配置される花郎と郎徒たち。

笑顔がこぼれる新羅の民たち。

スホとパルリュの顔にも笑顔がこぼれる。

 

ウィファ公「どうだ、完璧なタイミングでの登場だっただろ? まったく おまえらときたら、末恐ろしい花郎だな。だが、ほかでもなく、俺の花郎を誇りに思うぞ。」

それを聞き、嬉しそうなスホたち。

 

ウィファ公「どうもよくわからないが、ここは、神国の領地のはずだが。狩りをしている間に、道に迷われたようだ。戦いをはじめたのは、なにかの間違えでしょう。まさか、和親のために兵士も連れず、百済に赴いた我々の花郎を追ってきた百済の太子ではありませんよね。」

もし、そうでないなら、このあたりによく出没する山賊の群れにちがいない。

さぁ、どうします。

我々 花郎がお相手しましょうか。

ウィファ公の合図で、太子はじめ、南扶余の兵士たちに、弓を向ける花郎たち。

 

将軍:お戻りください。太子。 いまはそのときではありません。

太子:花郎とな。花郎とか言ったか。

将軍:太子様・・・。

 

太子:虎狩りに熱中するあまり、間違って国境を越えてしまったようだ。許されよ。今日のところは、それでは。 今度あうときは決着をつけようぞ、真興。

 

ソヌを真興と呼んだことが気になるウィファ公。

 

「行くぞ」

引き上げていく南扶余の兵士たち。

大喜びの民たち。

複雑な心境の サムメクチョンと ソヌ。 

 

「おめでとうございます。」

太后にも 無事の報告が キム・スム公から入る。

「彼らは無事に戻ってまいります。」

「本当に、全員、無事だったのだな。」

「はい そのとおりです。」

一息ついた太后。

「それで、その・・・花郎の中に、本当に、陛下がいらっしゃったのでは?民たちの噂では、

ソヌ郎を 陛下だと申しておりまして・・・。神国を強くする本当の王だと・・。」

 

賤民村が大変です。人がバタバタ倒れてる

なすすべなく、呆然としているアンジ公。

ウルクが叱咤する。

「ここでなにしてるんですか?しっかりしてください。アンジ公!」

疫病発生です

「薬はありませんか? とても足りない」

「ここは 王京じゃないんですよ!」

 

薬の倉庫で、報告を受けるヨンシル公。

「それで、全員 戻ったと?」

「はい、投獄された者たちも救い、国境を越えたと・・・」

「申し訳ありません。」

 元締が謝る。

「よくないな。まったく。」

 

怪我をしたものも、そうでないものも、夕食時 大騒ぎ。

何の騒ぎだ!どいつもこいつも大食いだ 

これじゃ、もうからない。

ピジュキもてんてこまい。

 

王として何もできず、ソヌにまかせてしまった今回のことを、一人、思い返しているサムメクチョン。

そのとき、アロの姿が見え、一瞬、笑顔になるも、彼女がソヌのもとに歩みよるのが見える。

 

「抱きしめたくて、狂いそうだった。」

「怪我したところ、大丈夫だった? 私に見せて・・・」と腕をみようとして、手を延ばしたアロの手を引き、強く抱きしめるソヌ。

「お前を無視して すまなかった」

「私を守るためでしょ、わかってる。」

 

「お前にすごく会いたくて、気が狂いそうだった。こんなとき、なんていえばいいのか、わからないが、愛してる。愛してるよ。」

どうみても、愛してる同士のキスをかわす二人をみてしまうサムメクチョン。

 

★Episode16 (1)に続く★

とうとう、サムメクチョンは壊れちゃうのかな。

ありがちな展開はいやだな。

「俺が、神国の王だ」ショックが冷めやらぬところに来て、今度は、アロまでが、ソヌのものだと気づくなんて・・・。残酷すぎえーんえーんえーん

 

今回は、緊張で、肩がガッチガチです。

いや~、このソヌの役が、かっこよすぎで。。。

あの交渉術は、どこで身に着けたの? 天性のもの? 血筋? 

セリフもアクションも、ソヌのための回でしたね。

 

花郎の旗が、見えたときには、ほんと、がらにもなく、青春を感じて、感動すら覚えました。

単純なもので・・・。

 

飄々と見せてるウィファ公ですが、助けにくるまでの逡巡、子供たちの命を預かっているゆえの葛藤、副弟の後押しとか、感動シーンまでに、いろいろ積み重なってるのよ。

ソヌとサムメクチョンを 両脇にして、誇りに思うという一言の重み。

 

がんばろうね、真興。まじかるクラウンまじかるクラウン