「パイレーツ・ロック」
『パイレーツ・ロック』
THE BOAT THAT ROCKED
(2009年・イギリス&ドイツ/135分)
公式サイト
UK-JAPAN枠試写会にて鑑賞
10月13日(火)開場/18:00 開演18:30
会場:東宝東和株式会社 試写室
退屈な音楽番組なんてくそ食らえ!
BBCはOFFにして、俺たちの熱い鼓動を聴いてくれ!
「もっと聴きたい」、「もっと聴かせたい」。
時代のニーズが生んだ海賊ラジオ局から
DJたちが毎日24時間流し続けた「音」たち。
彼らが人々の心に届けた珠玉の放送は、
その後のブリティッシュポップ&ロック40年の歴史の礎となる。
※以下画像は英国大使館広報部並びに東宝東和から提供を受けています。
<監督>
リチャード・カーティス
<製作総指揮>
リチャード・カーティス、デブラ・ヘイワード、ライザ・チェイシン
<製作>
ティム・ビーヴァン、エリック・フェルナー、ヒラリー・ビーヴァン・ジョーンズ
<脚本>
リチャード・カーティス
<撮影>
ダニー・コーエン
<編集>
エマ・E・ヒコックス
<キャスト>
ザ・カウント:フィリップ・シーモア・ホフマン
カール:トム・スターリッジ
クエンティン:ビル・ナイ
ニュース・ジョン:ウィル・アダムズ
デイルシック・ケヴィン:トム・ブルック
アンガス:リス・ダービー
デイヴ:ニック・フロスト
フェリシティ:キャサリン・パーキンソン
サイモン:クリス・オダウド
ハロルド:アイク・ハミルトン
ドルマンディ:ケネス・ブラナー
ミスC:シネイド・マシューズ
マーク:トム・ウィズダム
デジリー:ジェマ・アータートン
トゥワット:ジャック・ダヴェンポート
ボブ:ラルフ・ブラウン
ギャヴィン:リス・エヴァンス
マリアン:タルラ・ライリー
エレノア:ジャニュアリー・ジョーンズ
シャーロット:エマ・トンプソン
他
1966年、イギリス。
世界中がビートルズやローリング・ストーンズに恋をしていた。
ブリティッシュ・ロック全盛期の時代!!
なのにお堅い国営放送は正統派のジャズを推奨し、
人々が本当に聴きたいロック&ポップが流れるのは1日たったの45分。!
日ごとにリスナーの不満は高まる中、
ご機嫌なビート&リズムを引っさげて、ついに「彼ら」はやって来た。
大海原の波に揉まれる船に乗り込み、
DJたちは人々が渇望する「音楽」を流し続ける。
「ヘイ!この熱い鼓動が聞こえるか!」
熱い男たちの「ハート」が刻む「ビート」は、
ラジオの向こう側のリスナーの心をシェイクし続けた・・・。
アメリカ出身のザ・カウント(フィリップ・シーモア・ホフマン)を中心に、
クールなDJたちは24時間人々の待ち望んだ音を放送しつづけ、
ロックの取締りをもくろむ政府は彼らの駆逐にやっきになるのだった。
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昨年1年間お世話になったUK-JAPAN2008の活動が終わりました。
1年間を通じてお誘いのあったイベントは、
音楽系のもの、芸術系のものと様々なジャンルに渡っていましたが、
映画の試写会へのお誘いは意外に少なく、
結局「バンク・ジョブ」の試写会に参加したのみでおわってしまいました。
しかし英国大使館主導のもと、その後もUK-JAPANとしての広報活動は続けられており、
私たちUK-JAPAN公認ブロガーも引き続き、
英国大使館主催のイベントに招待される機会をいただけることになりました。
その第1回目のイベントがこの『パイレーツ・ロック』の試写会でした。
試写会には全体で40名が招待され、
その半数の20人がその後のレセプションにも招待されていたのですが、
今回は幸運にもその両方への招待を受けましたので、
試写会後のレセプションに関してはまた別枠で記事書くことにしますね。
とりあえず、期待して試写会に臨んだ本編の感想を書くことにします。
高校を退学になったカール(トム・スターリッジ)が
この海賊船に乗船するところから物語は始まります。
海賊局のオーナーでカールの親名付け親でもあるエンティン(ビル・ナイ)に
カールの母親が彼を預けた理由は「更生のため」。
常識や秩序などとは「違う次元で生きている」ような男たちが共生し、
海上から海賊放送を送り続けている船上で更生とはいかに!?(笑。
まず船上の男たちのはちゃめちゃぶりに、最初からすっかり毒気を抜かれてしまった私です。
カールを更生させようと言う母親の目論見はさておいて、
カールはこの船で色々なことを「体験」し、
良い意味で男としての成長を遂げていきます。
溢れるようなサウンド、煙草の香り、愛、友情、青春、
ダンス!ダンス!ダンス!
地上の何物にも邪魔されない世界。
全てがそこにあり、全てが混沌と、船底に漂っていました。
いつの日か放送を続けることがが不可能になる日が来るまで。
イギリス中の殆どの人が熱狂的に支持した海賊放送。
毎日DJたちの声を聴き続けたリスナーたちにとって、
いつしか彼らは恋人以上、家族以上の存在になっていったのです・・・・。
まずは、とにかく音楽の洪水を楽しんでください。
映画を見た後に思わずサントラを購入したくなる人も多いのでは?
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この楽曲を聴くだjけでも十分楽しめてしまう映画ですが、
その合間に散りばめられた「ちょっとシモネタがらみ」のコミカルなシーンや台詞が、
これまたかなり私たちの心をくすぐってくれてしまうのです。
海外の「お笑い」とはあまりウマが合わない私ですが、
どうやら「英国式コメディ」とは相性が良いらしく、
ちょっと下品なこの「笑い」ですが全然OKなのです。
周りを憚らず思わず声を出して笑ってしまったシーンもいくつかありました。
また、男ばかりのこの船に明るいカラーを加えてくれている
お嬢様方(女優たち)が、これまたキュートなんです。
勿論男性役者たちも良い味出していますね。
ラストシーンでばっちり見せてくれるビル・ナイのクールなダンス!
彼を含めて全ての登場人物が曲者ぞろいで、
愛すべきキャラの本質をどこまでも噛み砕いて演じています。
特筆すべきは、カール役のトム・スターリッジ。
何となく『重力ピエロ』の岡田君にも似ていて、個人的に要チェックな俳優でした(笑。
・・・テレビも、娯楽も、何も無い時代。
だからこそ、人々は私たちには想像のつかないほど深く英国ロックに傾倒しました。
その証拠に当時数100局もの海賊局がイギリスには存在していたそうです。
彼らの熱い鼓動こそが40年後の今、
健在な英国ロックを育て上げたのだと言っても過言ではないでしょう。、
音楽を聴くだけでも価値がありますが、
キュートで個性的な登場人物の衣装や、
ウィットにとんだ彼らの会話もどっぷり楽しんで欲しい作品です。
音響の良い劇場での鑑賞をオススメします。
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