『カフーを待ちわびて』初日舞台挨拶・レポ | ひょうたんからこまッ・Part2

『カフーを待ちわびて』初日舞台挨拶・レポ

『カフーを待ちわびて』初日舞台挨拶・報告
2月28日(土)
TOHOシネマズ鴨宮 開映/14:45~上映後舞台挨拶
司会:伊藤さとり
ゲスト:中井庸友監督 玉山鉄二 マイコ
★『カフーを待ちわびて』公式サイト

salleanaさん に誘われて久しぶりに初日舞台挨拶に出かけてきました。
作品は中井庸友監督の『カフーを待ちわびて』
土曜日は仕事があるのでよほど条件が整わないと
初日舞台挨拶での鑑賞が難しい私ですが、
今回は会場が鴨居と比較的に近かったことと、
開映時刻が午後2時半を過ぎていることから、
仕事を早退して参加することにしました。
上映終了後だったと言うこともあり、
舞台挨拶では物語の内容に踏み込んだ話まで伺うことができました。
当日は新宿バルト9でも、11:30の上映終了後に舞台挨拶が行われましたが、
こちらには白石美帆さんや勝地涼さん、沢村一樹さんも登壇されました。
以前から個人的に応援している勝地涼さん、鴨居にも来てもらいたかったな(笑
ただし司会の伊藤さとりさんによると、新宿では聞けなかった話も、
最後の舞台挨拶となったTOHOシネマズ鴨居では聞くことが出来たようです。

それではいつものように当日のメモから内容をピックアップしてみます。
今回は監督も玉山さんも大変饒舌だったのでメモが追いつかず、
細かい部分はカバー出来ませんでした。
表記やニュアンスなど多少の誤記は勿論、
抜けている部分も多いかと思いますがお許しください。
最低限、監督や出演された方々が舞台挨拶で伝えたかった思いだけでも
伝わるように記録したいと思います。
(要点を書き抜いているのでゲストの言葉そのままの表記ではありません)

<舞台挨拶>
司会:挨拶をお願いします

中井庸友監督
こんにちは。
初日からこのように多くの方にお越し頂きありがとうございます。
映画の公開にあたりキャスト・スタッフそして集まっていただいたお客様に感謝しています。
映画はいかがでしたか?

玉山鉄二さん
初日からこのように大勢お越し頂きありがとうございます。
この劇場は椅子が大きくてゆったり座れていいですね。
(確かに前後の間隔も広くゆったりした客席でした)
撮影期間は約1ヶ月でしたが、楽しい現場で良い作品が出来ました。
30年近く生きてくると日々の中でドキドキすることも少なくなります。
この作品は中学や高校の頃の何にでも感動できた自分を思い出させてくれました。
皆さんもこの作品に出会ったことで、
何か新しいものを自分の中に見つけていただけると嬉しいです。

マイコさん
今日は大勢いらしていただきありがとうございます。
『カフーを待ちわびて』 には幸せと愛が沢山詰まっています。
ご覧頂いた皆さまにもそういう気持ちになっていただけたらと思います。

司会:母と子の関係、友情、恋など様々な絆が描かれた脚本ですね。

玉山鉄二さん
最初に本を読んだ時には切なくて涙しました。
主人公は、小さい頃に母親に家を出て行かれた上に右手にコンプレックスを持っていますが、
そんな彼を重い感じに描きたくないと思いました。
明青の持つ意外にポップな感じが好きだし、
小さな一歩を踏み出そうとする勇気が良いと思ったので、、
そこを表現できたらと監督ととことん話し合って役を練りこみました。

中井庸友監督
玉山君は芸達者ですが気のいい奴です(笑
撮影に入る前から話せる奴だと思いました。
宮川大輔を苛めたりしながら(笑)ロケの間も夜はよく一緒に飲んだし、
一緒に楽しみながら役を練りこむことが出来ました。

マイコさん
は秘密めいた役だったのでシナリオをいただいて最初は役作りに悩みました。
でも沖縄の自然に触れて自分も自然に任せてみようと思ったら、楽になりました。
玉山さんや他の方々にも引っ張っていただいたので自然にを演じることが出来ました。

司会:作品へのこだわりについてひと言お願いします

中井庸友監督
明青の心の距離の描き方にこだわりました。
台詞で全てをカバーして説明してしまうことは簡単ですが、
心の中に思ったことは簡単に口に出てこないのが自然。
何でも台詞に置き換えるのではなく、
よく小説に言われる「行間」の部分に心の動きを表現したかった。
我慢して我慢して「台詞以外の部分」にもゆったりと時間を費やすようにしました。
演出の部分でも、編集の部分でも、耐えて我慢して「ゆっくりとした時間」を持つようにしました。
そのためにも演出についてはディスカッションを重ねました。

司会:(そういう意味では)明青と幸が二人で歩くシーンは印象的ですね。

中井庸友監督
表現がリアルになり過ぎると失敗してしまうと思ったので、
ギリギリのラインで繊細な感覚が伝わるように描きたかった。

司会:それぞれ好きなシーンを教えてください

玉山鉄二さん
(マイクの集音が彼の時だけやたら大きいので)
このマイク音デカクない?僕のだけ。
(・・・と会場を笑わせる配慮も)
僕はマイコ明青が傘をさして歩くシーンが好きです。
撮影時には台詞が全然無くて後でナレーションを足したシーンです。
撮影中は台詞が無いのでどういう意図のシーンなのか不思議でしたが、
実際に出来上がったときにフィルムを観て「そういうことか」と意図がわかりました。
二人の距離感とかちょっとした触れ合いとか、そう言う監督が伝えたかったことが理解できました。

中井庸友監督
二人の心の距離を撮ろうと思いました。
実際に月明かりの下のシーンなど台詞無しで見せていますが、
シェイクスピアのように詩的な表現をしたいと思いました。

マイコさん
私は散髪のシーンが好きです。
どんどん行ってと言われたのでザクザク行きました(笑

玉山鉄二さん
(実際どんな髪形になるか怖くなかったかと聞かれて)
役柄で短くなったり長くなったり今までも色々あったので、
もともと自分の髪型にはこだわりはありません。
極端に変になりさえしなければ良いくらいで怖くは無かったです(笑

中井庸友監督
その後のシーンとの前後関係で編集しづらくなるほど、
あまり変わりすぎても困ると思って(ハラハラして?)いました。
明青が七・三になって笑っているシーンは可愛い(笑

玉山鉄二さん
あのシーンは(髪型が)恥ずかしくて殆ど「素」の状態でした。
僕の経歴の中での「汚点」のひとつです(笑

司会:共演してみていかがでしたか?

マイコさん
玉山さんはプロフェッショナルだと思いました。
休憩時間も監督とシーンについてずっと話していました。
その一方で現場を盛り上げるユーモアも持っていらして、
現場には撮影に使われていたママチャリに乗っていらしたり、
クールな方と思っていましたが、その落差が極端で(笑。

中井庸友監督
玉山さんは、絵コンテで仕上げた明青のイメージそのままでした。

玉山鉄二さん
明青のピュアな感じを表現するために、仕草など自分なりに研究しました。
歩くシーンなども最初はスニーカーを履いていたのですが、
「歩く時の音」をもっと生かしたかったので、雪駄に変えてみたりと、
全体の雰囲気にこだわったつもりです。

司会:最後に監督からひとことお願いいたします

中井庸友監督
本日はこのように大勢お集まりいただいてありがとうございました。
スピードに追われ何処かあくせくしている今の時代ですが、
沖縄で撮影したこの作品の中にちょっとした穏やかな時間や
凪のようなゆったりした時間を感じて感動していただければ幸せです。
そして少し手前にあるささやかな幸せを見つけていただけると嬉しいです。

舞台挨拶の玉山さんは映画の中とは打って変わって
スーツに眼鏡といういでたちで登場されて、
明青とはまた違うタイプの魅力を見せていました。


作品本編は中井監督や玉山さんがおっしゃるように、
時間を贅沢に使い、物語はゆったりと流れていきます。
沖縄の自然と、まるで「外国語」のような沖縄の方言が心をゆるゆるとしてくれます。
同じ沖縄で撮影された荻上直子監督の『めがね』とは
また違う意味でゆったりとした優しい時間がそこにあります。
ミステリアスな雰囲気の漂う美女と、
ムサイけれど純朴な島の青年との
ちょっとファンタスティックなラブストーリー。
島に生きる人々の暮らしを見つめる優しい視線がそのまま物語の空気になっています。

本編のレビューはまた別記事にて掲載したいと思っています。
率直な今の感想は、・・・「沖縄に行きたいな。」
映画に出てきたおバアの沖縄料理がとても美味しそうでした(笑
ひょうたんからこまッ・Part2
舞台挨拶終了後スクリーン入り口に
中井庸友監督がスタッフと共に立たれていたのでサインをいただきました。

いつものサイン帳を忘れてしまい、メモ帳しか持っていなかったことが悔やまれます。