終わりか始まりか、~パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド | ひょうたんからこまッ・Part2

終わりか始まりか、~パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド

『パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド』
PIRATES OF THE CARIBBEAN: AT WORLD'S END
(2007年・アメリカ/170分)

公式サイト

ジャック・スパロウは彷徨う。
世界の果て、この世とあの世の狭間で。
海賊たちは、彼の魂を求めて船を出す。
待望のシリーズ第3作。
カリブの海からアジアへ、
そして最果ての海へと冒険が始まる。

監督:ゴア・ヴァービンスキー
製作:ジェリー・ブラッカイマー
脚本:テッド・エリオット&テリー・ロッシオ
撮影監督:ダリウス・ウォルスキー、ASC
衣裳:ペニー・ローズ
音楽:ハンス・ジマー

<キャスト>
ジョニー・デップ:
キャプテン・ジャック・スパロウ
オーランド・ブルーム:ウィル・ターナー
キーラ・ナイトレイ:エリザベス・スワン
ジェフリー・ラッシュ:キャプテン・バルボッサ
チョウ・ユンファ:サオ・フェン
ビル・ナイ:デイヴィ・ジョーンズ
ジャック・ダヴェンポート:ジェームズ・ノリントン
ステラン・スカルスガルド:ビル・ターナー
トム・ホランダー:ベケット卿
ジョナサン・プライス:ウェザビー・スワン
ナオミ・ハリス:ティア・ダルマ
ケヴィン・R・マクナリー:ギブス
リー・アレンバーグ:ピンテル
マッケンジー・クルック:ラゲッティ
デイヴィッド・ベイリー:コットン
マーティン・クレッバ:マーティ
デイヴィッド・スコフィールド:マーサー
キース・リチャーズ:キャプテン・ティーグ・スパロウ

ついに、シリーズも佳境に入りました。
1作目パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち
2作目パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト で、
明るく大暴れした海賊たちですが、
この3作目に入ってからは今までとは少し、
彼らの住む世界の空気が変わってきます。
そして、我らがジャック・スパロウも、
ウィル・ターナーも、エリザベス・スワンも、
今までの彼らとは少し変質したように感じます。
2作目では、まるで「ルパン3世」並みに
荒唐無稽かつユーモラスなアクションを展開したスパロウ船長。
今回、魂を失くし世界の果てで彷徨うこの海賊は、
砂漠にも似たその世界で
夢とも現実ともつかない心象風景を見ます。
無数の石ころと蟹が砂漠に現れるその風景は、
何処か物悲しく、空虚で、芸術的でさえあるように見えるのです。
不思議な世界で彷徨う彼には、己の分身すら見えて。。。
う~ん、この世界、凄くシュール。

そして3作品で、回を重ねるごとに
すっかり「人」が変わって来てしまったエリザベスウィル
二人はこの冒険で逞しく成長し、それぞれの自我も確立しましたが、
最終的に二人が選択した運命の行方は悲しい結末でした。
永遠の時を生きる男と、限りのある命を持った女の恋。
その行く末は、あまりに悲しすぎます。
ましてやこの先二人が共に過ごすことの出来る「時」は、
巡る月日の中のほんの一瞬でしか無いのですから。
これは若い二人にはあまりに過酷で辛い運命です。

ジャック・スパロウバルボッサビル・ターナー。。。
一度は失ってしまった命を彼らが取り戻す代償に、
今回は多くの命が失われます。
私にとっては、今回は「死」「運命」を、
強く意識させられる作品になってしまいました。
冒頭で描かれた、「人々の処刑シーン」。
特にまだ幼い少年のそれは、
直接的な表現は無いものの大変ショッキングでした。
エリザベスの父親ウェザビー・スワン
霧の海に消えていくシーンも、
物悲しい生命の終わりを感じさせます。
1作目の「嫌な奴」から転じて、
(個人的には)2作目から俄然魅力的になってきた
エリザベスの元婚約者ノリントン
彼もこの舞台から姿を消すことになってしまいます。
また、デイヴィ・ジョーンズティァ・ダルマの恋も
数奇な運命を辿る悲恋でした。
(但し、描かれ方が浅かったのが不満)
全てがこの3作目で変調し、意外な結末を迎え、
そしてストーリーは、また振り出しに戻った気がしています。
それでも娯楽大作としては、見所満載。
楽しむべきところは楽しめる作品です。


ただ、やはり3時間は長く感じられました。
その長さをつかの間忘れさせ、
癒してくれたキャラクターも登場しました。
ツボはキャプテン・バルボッサお猿さん
ずっとキャプテン・スパロウの天敵だったはず?のに、
今回は「いい仕事」しています。
彼は、出来の悪い子分たちをはるかに凌ぐ活役ぶりでした(笑
勿論キャプテン・ジャック・スパロウ(ジョニー・デップ)
ウィル・ターナー(オーランド・ブルーム)は、文句無しに素敵です。
そして意外に魅力的なのが、
ジェームズ・ノリントン(ジャック・ダヴェンポート)
上でも記述しているように、前回からとてもいい感じです。
残念だったのは、サオ・フェン役のチョウ・ユンファの役回り。
大好きな俳優なだけに、使われ方がもったいない。。。
もう少し魅力的な、あるいはインパクトのある
深い役どころが良かったかなと、思います。
それからキース・リチャーズの海賊姿も、
暫し延長で拝見していたかった気もするのですが、
それは贅沢と言うものかも知れませんね。

ところであのワンちゃん
2作目のパイレーツオブカリビアン/デッドマンズ・チェスト で、
てっきり「神様」として祀られて××になってしまったかと
心配していたのですが、
最後に無事な姿を観ることが出来てホッとしました(笑
振り出しに戻ったと言うことで、
果たして続編は新たに作られるのでしょうか?








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パイレーツ・オブ・カリビアン 呪われた海賊たち
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