7月25日(金)に、石川県奥能登農林総合事務所や輪島市の担当者に来て頂き、集落住民を対象とした獣害対策ワークショップを実施しました。

能登に猪が進入して数年が経ち、特にこの2~3年の間に獣害は能登全域で発生しています。金蔵の周辺地域でも猪の目撃談や被害の話は、良く聞かれるようになりました。近隣の集落では電気柵を張る水田も出始めています。そこで獣害対策ワークショップを開いて集落住民に集まって貰い、県の担当者に獣害問題についての話を伺う機会を設けました。


最初に、県の担当者から、獣害対策についての現状と、集落としての対策方法についての講演をして頂きました。ここでは猪の生態、能登での被害状況の他、電気柵などによる対策方法、集落内が一体となって行う対策についての解説がありました。

講演の後は、集落住民同士で持ち寄った猪の目撃情報をまとめ、意見を出し合いました。目撃情報や足跡は主に林縁部など人の目が届きにくい集落の端で多いことがわかりました。また、軽微ながらも猪に作物を食べられる被害も発生していることがわかりました。


金蔵集落でも猪の足跡や目撃談が少しずつ増えている反面、金蔵集落は比較的見通しの良い耕作地が多い(猪は通常、耕作放棄地や林縁部など、人目を避けるコースから侵入してくる)為か近隣に比べて猪の目撃談は少なく、獣害対策についての意識は高いとは言えないのが現状です。一方で、草刈り活動や耕作による農地の維持管理が猪にとって侵入し辛い環境を生んでいること、更に同様の管理を続けた上で電気柵など具体的な対策を行うことで効果的に獣害対策を行うモデル地区を目指すことも可能ではないか、との意見も挙がりました。

今回の結果を踏まえ、8月上旬には獣害対策の為の集落点検を行うことを決定し、今回の獣害対策ワークショップを終了しました。今後は目撃情報や被害情報などを統括する仕組み作り、近隣集落との連携、なども視野に含めた獣害対策を更に推し進めたいと思います。