このところ仕事に追われてブログが更新できていませんでした。
ただ、その間にもいくつか展覧会を観ていましたので、
これから少しずつ紹介していこうと思います。

今日の題材は、奈良県立美術館で開催中の二人展、
榊莫山と紫舟のシンフォニー(交響)」です。



三重県出身ながら、奈良で辻本史邑に師事し、
この地で書家としての基礎を築いた榊莫山

 

 

神戸で書家としての活動を始めた後、拠点を奈良に移し、
日本文化の伝統を伝える職人たちと接しながら、自らの感性を磨いた紫舟

 


二人は伝統的な書に満足することなく、
自らの個性あふれる書を目指したという点で共通しています。
また、書だけでなく、数多く絵画作品を遺しているという共通点も。
例えば、榊莫山には、こんな洒脱な作品があり、

 

 

一方、紫舟は単なる書作品の添え物ではない、
純粋な絵画としての魅力あふれる作品に取り組んでいます。

 


ちなみに紫舟に関しては、平面作品だった書を立体に変えるという、
とんでもなく困難な挑戦も続けています。
どんな作品かと言えば、こんな「書の彫刻」と呼ばれる鉄製のオブジェや、



書のキュビズム」と名付けられた360度から鑑賞できるものです。

 

 

鉄の彫刻と絵画を組み合わせた近作も魅力的でしょう。
写楽の浮世絵をもとにして、現代の浮世絵へと進化しています。
この春、イタリアの展覧会でも公開され、好評だったようです。

この展覧会は7月23日(日)まで開催されていますので、
興味のある方はもちろん、奈良に観光で行く予定のある方も、
ぜひ会場に足を運んでみてください。
会場の奈良県立美術館は近鉄奈良駅から徒歩5分ほど。
奈良公園、興福寺、東大寺、奈良国立博物館が近くにあるので、
ついでに立ち寄るには実に便利です。

立派な図録はないものの、税込み300円の求めやすいパンフレットがあります。

 

 

主要な作品の図版が載っていますので、

展覧会の思い出の永久保存版として買い求められてはいかがでしょうか?

 

「さすがは奈良!」と言ったところか、美術館の入口付近で

あの「せんとくん」を発見しました。

 

 

最近は露出が減ってきているようですが、
まだまだこうして頑張っているんですね。

 

 

榊莫山と紫舟のシンフォニー(交響)■開催概要
開催期間/4月15日(土)~7月23日(日)
時間/9:00~17:00

料金/一般 400円
会場/奈良県立美術館(奈良市登大路町10-6)
問合わせ先/0742-23-3968
URL/http://www.pref.nara.jp/item/19943.htm#itemid19943