またまた、ブログの更新が遅くなっちゃいました。
テーマは、たしか二重埋没法における「瞼板法」の存在意義…だったよね。そして、最大の疑問、つまり、挙筋法と比較してほぼ利点の無い瞼板法を採用している美容外科がなぜ存在するのかっていうこと…だよね。

答えは、瞼板法を採用している美容外科の経営スタイルをよく観察すると自ずと見えて来る。瞼板法を採用している美容外科は、全国にチェーン展開している美容外科に多い。チェーン展開型美容外科は医師の数も多く、その分医師の手術レベルの差も生じることになる。各分院毎に手術の「上手い下手」も違うことになる。二重埋没法であれば、比較的難易度の高い挙筋法を採用したとすれば、各分院毎の手術技術の較差が非常に大きくなってしまう。挙筋法の場合、糸のbridging(まぶたの皮膚と挙筋の連結構造を作ること)における、「糸の長さ」や「糸の位置」の調整が難しいからね。チェーン展開型の美容外科では、各分院における手術レベルの較差は決して好ましいことではない。顧客がどこの分院に行っても同じレベルのサービスを受けることができるというのが大切なこと。牛丼チェーン店なら、日本全国どこで食べても同じ味(極上の味ではなくても)であることが大事なように。この視点で顧客サービスを考えたとき、難易度の高い手術と、難易度の低い手術で統一されたメニューをつくるのは、どちらが実際的、現実的か? 当然後者の、難易度の低い手術メニューで統一するほうが経営的には安定する。瞼板法は医師の技術が介入する余地の無い処置だから、新米美容外科医と熟練美容外科医とでほとんど結果に差は出がでることは無い。なので、どこで処置を受けてもレベルは低いが同じサービスを受けられることになる。
つまり、「瞼板法」はチェーン展開型美容外科における、「量産型」二重手術の御用達メニューなのである( ̄◇ ̄;)。だから、数々の問題点がある手術法にもかかわらず、この世から消滅しないんです。経営至上主義の美容外科が存在する限り、永遠に無くなることはないだろうね、残念なことにね…。