淀川長治さんは、いつも言っていました。
「映画ばかり見ていてはダメ」
「文学や、音楽や、美術をよく勉強すると、映画の素晴らしさが何倍にもなる」
かつて、フィギアですが。
たしかに、真央ちゃんの「白鳥の湖」も、ホワイトスワンとブラックスワンをなんとか、切り替えて演じようとしているところや、かつてのこの名演技の高橋選手の、映画「道」のイメージをフィギア演技で出そうとしているところは、感銘いたしますね。
特に、「道」のような古い映画を、高橋選手が選んで、スケートをしたということに、時代や年令を超えた、映画芸術の力を感じます。
羽生選手の「パリの散歩道」にしても、同じですね。
ところで、イタリア映画。
その影響力のすさまじさに、とあるアメリカの監督が、「イタリア映画賛」のシネマをつくりました。
名前はふと忘れてしまいましたが、アメリカ合理主義のハリウッド映画だけでは、シネマはつまらないということでしょうね。
イタリア映画には、他にも、たくさん傑作がありますが、最近の映画、現代のイタリアを描いた作品では、「リメンバー・ミー」という映画がありました。
「道」「鉄道員」「ひまわり」「アポロンの地獄」・・・
そして、この「リメンバー・ミー」まで、イタリア映画もまた、進化しつづけていますね。
ユーロ圏では、けっこうな優等生ぶりを、スペインと違って見せてくれています。
多重に言語や民族がかさなりあう、スペインなどと違って、私は詳しくはありませんが、
イタリアの国民の柔軟性、明るさ、美的センスの良さ、そんなものが国の経済を比較的強くしているのでしょうか。
たしかに、「祈って食べて」の映画でも、プロヴァンスの関連のたくさんの映画でも、
アメリカ人にとっての、イタリアは、人の良い、神経症などのない、おおらかで、自然に恵まれた、美食とおしゃれと本能のままに生きれる国なのかもしれませんね。
資料「道」
主題曲を始めとする本作の音楽は、フェデリコ・フェリーニ監督作品を数多く手掛けたニーノ・ロータが作曲した。
日本語歌詞が付き、本作が日本で公開された1957年(昭和32年)の第8回NHK紅白歌合戦で中原美紗緒が歌っている(『ジェルソミーナ』として)。
2010年のバンクーバー冬季オリンピックでフィギュアスケート男子シングルの高橋大輔選手がこの曲を採用し、同種目日本人選手初のメダリスト(銅メダル)になった。
◎テーマ 映画「リメンバー・ミー」を見て・こんな感想を持ちました。
(喜怒哀楽 と 冷静 の間に)
喜んだり、怒ったり、悲しんだり、うわーっと喜ぶ・・・つまり、自分の魂の底から発せられる感情そのものに乗っかって、この世に発信する。
当然、日本では、まわりの人からは、うるさがれることが多いと思いますが。
私の知る限り、外国人の方はこの表現が実に激しく、そして、まわりの人達も、あっけらかんとして、それを受け止めてけらけらしていますね。
こんどは自分が受け止めてもらえるからでしょうか。
ブラジルに嫁に行ったかつての友人は、ブラジルの子供たちが自分の子供をまきこんでくれて、非常にあたたかく遊んでくれるということをメールで書いていました。
なにかわかる気がしますね。
観察したり、自分がどう相手に見えるかとか、考えすぎずに、なかに溶け込んでゆくそんな生活習慣。
いいもんです。
でも、日本では、もうあきらめています。
ただ、日本人も、喜怒哀楽を出したくないのではなく、日本人独特の感性、つまり、シャイな他人からの視線を気にしすぎるとか、めだちすぎる連中にたいしての少しいじわるな無視なんかもあるのかもしれません。
心の底では、だれしも、子供の心は持っている筈。
司馬遼太郎氏も、心の中に子供こころが残っていない人はダメだともどこかで書いていましたね。
だから、日本人は、宴会とか、居酒屋では、なんでもかんでも言い合って、そこにいる連中がひとつの輪になるように、気持ちを打ち解け合わせることを一番にするのかな?
たしか、イタリア映画の「リメンバーミー」でしたか。
自分の嫉妬心をだしまくる男女。喜怒哀楽のなかで、闘っているような映画でしたね。
あこがれます。
それがひとつの文化になりえる、ということは。
ただ、日本人には日本人の素晴らしいところがあるはず。
東北大地震の時になんかは、世界から絶賛されていました。
サッカーを見ながら、そんなことをぼんやり考えています。
ゴール・キーパーのあの感情の塊のような闘士。
イエローカードまでもらってしまうほどまでに、熱い気持ちをぶつけてきますね。
そんな外国の選手たちとはまったく対照的に、日本のゴールキーパーでしたか、始終冷静に、自分の気持ちをじっと押さえつけたかのような表情。
昔、日本に来たあるjazzピアニスト。
日本人の観客が持つ不思議な沈黙のような感覚、について語っていました。
外国の観客とはまったく違うと言っていましたね。
そして、また、最近は日本の観客がすこしずつ、変化してきたとも。
はたして、それが良いのか悪いかの、わかりませんが。
私はそんなわけで、あこがれつつも、何かのライブ会場へ行っても、立ち上がって踊ったり、サッカーの応援サポーターのように顔に何かを塗り付けて、ずっと、声を出し続けることはできません。^^
はずかしいですから。
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モニカ・ベルッチは元より、彼女と不倫関係となるカルロ役には、
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そしてその妻ジュリア役には、カンヌ国際映画祭でパルム・ドールに輝いた『息子の部屋』での好演が光ったラウラ・モランテと、
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