
<右側の人物は安吾評論でも有名な奥野氏だと思いますが・・>
波乱に満ちた女性遍歴とよく言われるが、そこがいい。彼の死後に、愛された女達がぞくぞくと本を書いているのが笑える。
「私が一番愛された」皆、そう書いている。女の性でしょう。それが可愛いが、吉行本人は、たしか死ぬ寸前に「やられた」と大塚英子に言っていたそうだから、氏も必死でバランスをとっていたことでしょうが、自分の考えた方向と違う方向に行ってしまった、そう呟いたのだ。
大塚が『「暗室」のなかで 吉行淳之介と私が隠れた深い穴』(河出書房新社、1995年)。
高山が『特別な他人』(中央公論社、1996年)。
宮城が『淳之介さんのこと』(文芸春秋、2001年)。
本妻・吉行文枝が『淳之介の背中』(新宿書房、2004年)をそれぞれ発表している。
彼は大塚と、高山嬢は、死後出て来た女性でしょう。
宮城嬢と、本妻の文枝さんは、彼の作品にいろいろと登場するので有名ですが。
ここ一週間彼の作品特に、短編読んでいて、やはり彼の感受性は並大抵のものではありませんね。よく飼いならしたものだと感心してます。三島由起夫氏が絶賛した「闇の中の祝祭」や、「驟雨」もそれは感じましたが、子供の領分なんかにも小さな頃から三島由紀夫氏と変わらぬような「オバケのような感受性」と格闘している様がよくでていますね。
今一番惹かれる作家のひとりです。