自民党政権へのバトンタッチからスタートした「アベノミクス」。
国際会議の場でもABENOMICSという言葉で各国財務大臣クラス・首相が言及するほど日本経済・世界経済に影響を与えています。
実態経済が追いついているのか、実際に景気がよくなっているのかという点については様々な議論がありますが、筆者は間違いなく日本の景気はよくなっていると思います。

景気の捉え方は様々ですが、個人の所得について考えてみると、給与に著しい変動はまだ出ていないものの、個人投資家にとって大きく利益を出せる半年だったのではないでしょうか。
日経平均株価をみてみると、2012年10月の始値が8796.51円だったものが2013年4月の始値が12135.02円と約38%も株価が上昇しています。
所謂、サラリーマン投資家や主婦層にとっても張れば儲かるというような状態ですし、日経平均株価連動型の投資信託を買っていたとしても金融資産は38%も増えたことになります。
実際、大手証券会社の多くがリーマン・ショック後打撃を受け、最大手の野村證券ですら一時赤字を計上するなどの深刻なダメージを受けておりましたが、個人投資家の大幅な取引増加ですっかり息を吹き返しています。
間違いなく、この部分においては個人・企業共に利益を享受しているので、日本の景気を押し上げる要因となっているはずです。
投資をやられていないという方も関係ない話ではありません。皆さんの年金や退職金も運用されていますよ。

筆者が感じているのは、円安は日本企業が世界からお金を集めるための最後の1押しだったんだろうなと思っています。自動車関連企業は、好調な海外売上があるにも係わらず円高によって利益が圧縮されていました。それが解消することにより利益が大幅に拡大します。そうすれば新規に投資する余力が企業に生まれ、雇用の創出や給与のアップにつながります。外貨を集められる企業、つまり円相場に影響される企業が息を吹き返せば、給与増を背景にした個人消費増加が期待できるため、国内のサービス業も息を吹き返すでしょう。

問題は、この好調となっていることがどれだけ経済指標に現れてくるかという点です。アベノミクスや日銀新総裁が決定した金融対策は始まったばかりですので、今はその期待から円安に振れている状態です。どのような施策を打ったとしても経済指標に現れてこなければ世界中からの評価は一気に落ちてしまい、再び円高や日本経済の低迷を招いてしまうでしょう。
その為にもビジネスパーソン一人一人がグローバルに戦えるチャンスを掴んで、日本企業を成長させるようにがむしゃらに働くことが大事なんじゃないかと思っています。
今後の日本経済を見守るのではなく、好調に変えていく。そんな意識で筆者も日々仕事を頑張って行きたいと考えています。

今のところ、経済指標には好調の兆しが出ています。
景況感、3期ぶり改善=大企業製造業マイナス8-日銀3月短観

ただ、今年の参院選も大きな山場となってきますし、決算発表時期も迫っているのでまだまだ今後の日本経済には大きな試練がまっていますね。