【うつと診断された日のこと覚え書き】

「眠れるお薬がほしいです。明日が怖くて寝たくないけど、仕事には行かなくちゃいけないから、寝ないといけないんです」と心療内科へ相談する

先生から質問されるが、質問の内容が頭に入ってくるのに時間がかかる
質問に対する考えがまとまらず、ほとんど沈黙
なんとかうなずくだけで精一杯
やっと話し始めても、泣き出す 
先生はわたしが話せるようになるまで待ってくれた

うつで3ヶ月休養が必要と診断書

休むことを言われたとき、「自分に負けたみたいでいや」って言った気がする

ここで途中退場してしまったら、今まで努力して積み上げてきたものが全て崩れてしまって、もう前のがんばり続ける自分には戻れないという恐怖

今までいくらでも、うつになってもおかしくないくらい辛い時期を何度も乗り越えてきたじゃないか、今回だって乗り越えられずはずだったのに、どこでどう間違ってしまったんだという気持ち

こんな人手不足の時期に、新人教育で大変な時期に、私がいなくなったら、どれだけの人に迷惑がかかるだろうという申し訳なさ

でも、「あの場所に明日は行かなくていいんだ」っていう、気持ちがあの日は一番大きかった
明日から逃げられない絶望感しかない毎日だったから、その恐ろしい明日が急にふっと姿を消したような

休職することを職場の上司に電話をするのは、めちゃくちゃ緊張した

電話口で固まらないように、セリフを練習した

15分くらい発信が押せずに、どうしようどうしようのまま固まっていた

原稿を読み上げるような棒読みになったけど、なんとか伝えた

上司は驚いたり同情したりもせず、いつも通りの穏やかな口調で対応してくれた
診断書を郵送するように言われた

診断書をポストに入れた瞬間、なにかが終わって、なにかが始まった気がした

そうして、わたしの休養生活が始まった