韓国人観光ビザ免除問題 について、プレクリアランスの担当省庁である法務省に電突してみた。うっかり録音していることを告げるのを忘れてしまったが、誠実につきあってくれた。(素っ気なく見えるのは要点だけまとめているからであることを注記しておきます。一部、似た質問をした際にされた回答をつなげ合わせているものもあります。)


※法務省から回答が来ますた。一週間もかけてくれたのはともかくとして、添付ファイルがpdfってなに(;´Д`)。

 灰色は修正削除された部分、赤太字は法務省からの追記です。


Q.プレクリアランスの担当省庁は法務省ということで良いのか?
A.良い。


Q.現在行われている外務省の査証審査と、プレクリアランスの位置づけは?
A.プレクリアランスは上陸審査の一部を事前に相手国で確認し、日本上陸時に簡単に済ませるという位置づけであり、査証の発給審査とは本質的に違うものだが外務省と情報の共有は行っているなお,プレクリアランスは来日するすべての外国人に対し行うものではなく,特定の国の特定の航空便に対して行うものである。


Q.プレクリアランスを行う職員は本国派遣予定か、現地職員を雇う予定か。
A.雇わない。本国日本の職員を派遣する。


Q.一年で140万人あまりが来日するそうだが、プレクリアランスのために全部で何人ぐらい送る予定か。
A.ちょっとわからない。


Q.具体的にどのような審査を行う予定か。
A.入国目的が合致しているかなど、上陸の条件に適応しているか。つまり現状日本に来てから行っている上陸審査の一部を出国時に行う。査証発給審査に代わる性質のものではない。


Q.時間はどれぐらいかけるものか。
A.一概には言えないが、実験的にやってみたところ、今の上陸審査よりかなり短くなる。


Q.プレクリアランスは入国審査の事前処理ということは、査証の免除ということになると、査証審査がなくなるぶんトータルでのチェックは甘くなるということか。
A.一般論としてはそうだろう。甘くなるかどうかは上陸審査をどれだけ厳格にやるかということにもかかってくるが査証審査がなくなったからと一概にトータルのチェックが甘くなるというものではない。査証を取る方が厳格には違いない。
 査証免除して不法滞在者が増えるとか来日犯罪件数が増えるということになれば、外務省も、いきなり取りやめるということは難しいだろうが、停止など、見直すことになると思う。

※〔筆者註〕「(筆者)査証免除となると、チェックの度合としては現状よりも甘くなるということですか。まあトータル的に、外務省さんの管轄の部分も含めての事ですけど」「(担当)一般論としてはそういうことでしょうね。まあ甘いというのはどれだけ厳格に検査を(?)やるかにもかかってきますけれども、査証を取る方が厳格には違いないでしょうね」というやりとりがあったが、法務省としてはこういう回答なのだそうです。


Q.プレクリアランスの法的強制力は?
A.ない。


Q.任意ということか。
A.受けなければ日本での上陸審査の際に厳格な審査を受けなければならないというだけで、法的に受けなければ入国できないという性質のものではない。


Q.法務省としては査証免除に賛成か、反対か。
A.一般論では賛成とか反対はない。免除しても大きな問題がなければ免除して交流を図ることも重要だし、問題が起きるようなことがあっては困る。審査を厳格にして、不法滞在者も居ないが入国者もいないというような事態は入国審査の仕事ではない。が、治安を預かる部分もある法務省としては慎重にならざるを得ない部分もある。


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 法務省を責められないのはわかっているが、どうなってんだおい。産経新聞は取材足らんとちゃうか? 

 日本の空港の数は韓国の空港より多いから、韓国の空港で集中的に上陸審査の事前処理を行って、分散している国内空港の負荷を減らそうという意図だろう。しかもプレクリアランスは任意な上、査証審査に変わるような性質のものではないって法務省が明言してるぞ。つうか、プレクリアランスを受ければ入国時にすぐ入れるという、どちらかと言えば入国者の利便を図る措置だぞ。プレクリアランスの実施と査証免除はバーターになる性質のものではないぞ。あやうくミスリードしかけたじゃねえか。